直接肌に触れるそのメイク道具、お手入れしていますか?【前編】

小さなヘアメイク相談室
2025.07.28



こんにちは、藤岡ちせです。40代まで東京やN.Y.でヘアメイクアーティストとして活動していましたが、50代で地元の高知にアトリエを開き、マンツーマンのヘアメイクレッスンを行っています。この連載では、お肌の曲がり角を何度も曲がってきた方々にはきっと、お役に立つであろうお話をしていけたらと思っています!



メイク道具の状態を
チェックしてみましょう

 

私のヘアメイクレッスンは基本的に、お客様が普段使っているメイク道具を使ってレッスンしています。初めてのレッスン時には、まず持参したメイク道具をテーブルに広げてもらい、それを私がチェックして、それぞれをどう使っているかなどの質問タイムへと移るのですが……。ここでたいてい私が「むむむっ!」となって、レッスンは一旦ストップします。

なぜかというと、ほとんどの方のメイク道具が、か~なり汚れているから。お聞きしてみると、やはり道具のお手入れをしていないそうなのです。

あ、皆さんも耳が痛いですか?(笑)

メイクブラシやチップは直接肌に触れるので、皮脂や化粧品の油分が付着します。そのまま放置すると雑菌が繁殖。その雑菌まみれのブラシやチップでアイシャドウやチークに触れると、そちらにも雑菌が移るわけで……。そう、汚れたメイク道具を使うのはかなり恐ろしいことなのです。

 



アイブロウブラシは
特に要注意


特にそうなる危険性が高いのが、アイブロウブラシです。眉毛のあたりは皮脂だけでなく、ローションやクリーム、ファンデーション、アイブロウペンシルなんかの油分が溜まりやすいところ。ブラシをあてるたびに、油分をぐんぐん吸います。

そのブラシでアイブロウパウダーをつけようとすると、パウダーのほうに油分が移って固まり始め、さらにゴシゴシこすってブラシにつけようとするから、その固まった部分に磨きがかかり、それはそれは見事な光沢のある泥団子と化するのです。


そうなると、パウダーの最大の特徴でもある細かい粒子が、あろうことかボソボソの粗い粒子になり(いや、もはや粒子とは呼べない)、発色もままなりません。油分を吸ったブラシのほうも、本来ブラシが得意としている肌にパウダーを均一にのせたり繊細なグラデーションをつくったりすることは不可能。そのような状態では美しいメイクに仕上がるはずもなく、肌荒れを引き起こしてしまうことも……。

なんだかホラーのようになってきましたね。でも皆さんには、この機会にちゃんと現実に向き合ってほしいです。普段使っているメイク道具がどんな状態か、改めて見てみてください! 【後編】では、メイク道具それぞれのお手入れ方法をお伝えしたいと思います。

 

illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ

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Profile

藤岡ちせ

Chise Fujioka

ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_

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