直接肌に触れるそのメイク道具、お手入れしていますか?【後編】

小さなヘアメイク相談室
2025.07.29



【前編】では、「メイク道具のお手入れをしていないとどうなるか」というホラーなお話をしました。そこで今日の【後編】では、ヘアメイクレッスンでよく見かける悲惨な状態のメイク道具と、そのお手入れ方法をお伝えしていきますね。



01
ブラシ(天然毛)
のお手入れ


本来、毛が1本ずつ独立してサラサラしているはずのメイクブラシ。でも私がこれまで見てきたお客様たちのブラシはほとんどが、油分をたっぷり吸って、お好み焼き屋さんの鉄板に油をひくヤツみたいになっています……。

ここで皆さんに意識を変えてもらいたいのが、ブラシのお手入れ。チークブラシ、アイブロウブラシ、アイシャドウブラシ、どのブラシの場合でも、使ったあとは必ず汚れを拭きとること! 毎回、ティッシュでやさしく丁寧に汚れを拭きとってほしいのです。メイクブラシ専用のクリーナーをシュッとしてから拭くと、よりきれいになるのでおすすめです。


さらに、汗や皮脂が出やすい夏は週に1度くらい、それ以外の季節でも月に1度は、ブラシ専用の洗剤で洗ってくださいね。リキッドファンデーションやコンシーラー用としてナイロン毛のブラシを使うこともあると思いますが、その場合は、使うたびに専用クリーナーか中性洗剤で洗いましょう。

 

 



02
チップ、スポンジ、パフ
のお手入れ


アイシャドウを塗るときに使うチップも、汚れてガビガビになっていることが多く、ひどい場合は、触るとボロボロと崩壊するものもあります。また、ファンデーションなどの色がついたままで、クッキーみたいになっているスポンジや、どら焼きみたいになっているパフなんかも、よく目にします。

これらは基本的に、使うたびに洗うのがベスト。専用クリーナーを使うか、ぬるま湯に中性洗剤を薄く溶かして洗い、よくすすいで水気を切って乾かします。

毎回洗うのが面倒なら、スポンジは多面角体のものを選んで一面ずつ使い、全面制覇したら洗うのでもOK。チップやパフは数個用意しておいて、使用済みのものがある程度たまったらまとめて洗うのもいいと思います。



03
マスカラのお手入れ


キャップのくるくるした溝にマスカラがこびりついて、キャップが正常に閉まらない状態になっているのも、“マスカラあるある”です。使ったあとにブラシ部分を容器に戻すときは、マスカラの液が容器の口につかないよう、そ~っと入れるのがポイントです。もしついてしまったら、すぐに拭きとること!

あと、容器の中に空気が入ると、マスカラの液はどんどん乾燥します。よく、ブラシを出したり入れたりしてシャカシャカする人がいますが、それ、空気がめちゃくちゃ入っているだけで、さらに乾燥してしまうのでご注意を。

もしブラシにマスカラ液がつきすぎたときは、容器に戻さず、ティッシュで軽く拭きとって量を調整するといいと思います。そしてどんなときでも、出し入れはそ~っとするべし!

 



04
リキッドアイライナー
のお手入れ


毛先が割れたリキッドタイプのアイライナーも、よく目にします。それを使うと2、3本の線のアイラインになって、みじめです。なので、こちらもキャップを閉めるときは、毛先がキャップに触れて液がつかないよう、そ~っと入れましょうね(老眼鏡をかけ、全神経を毛先に集中させてください!)。

あと、毛先にはアイシャドウパウダーが付着しがち。たくさんついてしまったときはティシュで拭いてからしまうと長持ちしますよ。


 

いかがでしょうか? ドキッとした方、多いのではないでしょうか?

汚れたまま使い続けられる可哀想なメイク道具たちは、己の本量を発揮できないまま影ですすり泣いています。さらに可哀想なのは、皆さんのお肌! 雑菌や油まみれの道具を日々押し当てられて、悲鳴を上げているはずです。

メイクを美しく仕上げるには、道具がとても重要です。プロのヘアメイクアーティストでも、手入れが行き届いていない道具を使うと、メイクが下手くそになります。

これを機会にぜひ、メイク道具を使ったらティッシュで拭きとる習慣を身につけてくださいね。そして、清潔な道具で毎日気持ちよくメイクしましょう!


illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ

←その他の「小さなヘアメイク相談室」の記事はこちらから

Profile

藤岡ちせ

Chise Fujioka

ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ