無理はしない。自然でいい。Vol.2 料理研究家 ウー・ウェンさん
シンプルな贅沢を知る
あれこれ欲張るよりも、
たったひとつをとびきりおいしく、
とびきり贅沢に。
夜はどんなものを召し上がるのですか? と聞いてみました。
「たくさんおかずがなくても、一品か二品で充分だと思っています。
ある日は、たまたまじゃがいもが5~6個あったので、
ベーコンと一緒にサッと煮て一皿に。
それにあさりのみそ汁ととうもろこしだけでした。
ある日は、あまりおなかがすいていなかったから
炊きたてのご飯とおみそ汁だけで満足。
ただし、ご飯は『炊きたて』で。
お味噌汁の豆腐も美味しいものを選んでいます。
シンプルは一番の贅沢だと思いますね」。
そんなウーさんのお宅で、
家族が大好きなメニューのひとつがもやし炒めなのだといいます。
「真っ白なもやしだけの一皿が大好きなんです。
なんの変哲もないもやしでも、
塩と油だけで驚くほどおいしい材料になりますから」
ただし、炒め物は時間がない時にはしないそう。
「シンプルな料理だからこそ、きちんとひげ根をとり、
長さを揃えないと、おいしく仕上げることはできません。
丁寧に素材に向き合わないといけないから、時間が必要なんです」
と聞いてなるほどと感心しました。
text:一田憲子 photo:日置武晴
『暮らしのおへそ』Vol.26より
Profile
ウー・ウェン
中国、北京で生まれ育つ。料理上手な母から受け継いた料理が評判となり、料理研究家に。「料理を通じて日本と中国の架け橋になりたい」との思いから、東京と北京でクッキングサロンを主宰。少ない材料や調味料、道具で作れる体をいたわる知恵にあふれた料理が人気。
http://www.cookingsalon.jp
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