内田彩仍さんの冷蔵庫収納の話「冷蔵庫は可視化して」

「いとおしむ暮らし」特集
2018.11.06

先月発売された新刊『いとおしむ暮らし』が大好評の内田彩仍さん。すでに読んでいただいたみなさんから続々とお便りが届いており「歳を重ねたからこその悩みや考え方に共感!」「内田さんのように捉えれば、気持ちも明るく過ごせそう」「なんだか元気が出ました!」……そんなアツイ思いを丁寧に書いてくださる方々がとても多いことに、編集部も驚いています(みなさま、ありがとうございますー)。そこで今週は、この『いとおしむ暮らし』の中から特に反響があった5つのお話を、5日間に渡ってご紹介しますね。2日目の今日は、最近ガラリと中身を変えた冷蔵庫の中のお話。日々、作り置きしているものを、内田さんがどんなふうに保存しているのか……。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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数年ぶりに変えた、冷蔵庫の中。以前は、扉を開けた時、すっきりきれいに見えると幸せな気分になれるから、色が氾濫しないよう、中身の見えない白い保存容器を並べていました。その白い容器がズラリと並んだ様子を見ると、料理を作るのが楽しくなりました。

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今、愛用しているのが「iwaki」のガラス保存容器。ガラスは匂い移りも色移りもないので清潔に保存できます。

とはいえ、どこに何が入っているかは、小さなラベルをつける必要があるし、どのくらいの量が残っているかは、ふたを開けてみないとわかりません。奥にしまっていた保存容器は、ちょっと忙しいと気づかず、せっかく作り置きしたものが傷んでいることもありました。そんな反省も踏まえて、冷蔵庫の中身を把握しておこうと思い、保存容器をすべて透明なものに変えました。これで、冷蔵庫の中をパッと見ただけで、仕込んでおいた材料がどのくらい残っているか、足りない材料は何かなどをすぐに把握できます。日々の献立を決めるのも、とても早くなりました。今は断然、きれいさよりも、使い勝手を優先。冷蔵庫こそ“見える収納”が大事だと実感しています。

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作り置きは手間をかけ過ぎず、いつも食べたくなるものや、途中で違う料理にできそうなものを用意。前の日に残ったものも取っておき、忙しい時、一品添えられるようにしています。

作り置きでも、ホウレンソウをゆでたものなら、三日程度。かぼちゃやお芋を煮たものだと、一週間。長年やっていると、だんだんわが家の消費期限もわかってきます。ナスなど傷みやすいものも、さっと炒めておいて、何かの料理に作り替えられるようにしています。野菜は色素成分によって含まれる栄養素が違うから、下ごしらえの時も色が偏らないように気をつけて。サラダに使う野菜は二日分ほどを洗っておいたり、ゆでたりして用意しておきます。私が大好きなきゅうりは、塩もみして水気を抜いたあと、ラー油を加えたごま和えにしておけば、いつでも食べられます。

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オレンジ色のトマトがたくさんあったので、湯むきしてピクルスに。きゅうりやパプリカなど、手軽におやつ代わりにつまめそうなものも、新鮮なうちにピクルスや浅漬けにしておきます。

また、冬の間、切らさないように作り続けている柚子煮や柚子練り、きんかん煮などが冷蔵庫の片隅にきちんと並んでいるのを目にすると、ちょっと風邪かなと思ってもなんだか安心して、大丈夫だと思えます。これも、透明の容器にしてよかったと思うことのひとつです。

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ピクルスやらっきょう漬けなどの保存食はひとまとめに。卵は、“揺れ”に弱いと聞いたので、ドア裏の規定の場所ではなく、棚板の上に。

それと、可視化してもそんなに乱雑に感じないのだということも、保存容器を変えてみて改めて知りました。作り置きしたものが整列している姿を見ると、思った以上に達成感があり、充実した気分になるし、少なくなってきたら「また作ろう」と、かえって意欲も湧くようです。長年のルールにこだわらず、今の自分に合う方法をどんどん試してみる。そうすることで、新しい発見がたくさんでき、暮らしが豊かになります。

 

photo:大森今日子

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Profile

内田彩仍

Ayano Uchida

福岡県に夫と愛猫クリムと暮らす。丁寧な暮らしぶり、センスある着こなしが雑誌などで人気を集める。著書に『季節の暮らしと服支度』『いとおしむ暮らし』(ともに主婦と生活社)などがある。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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