歩くことは思考の時間 vol.1 小島 聖さん

暮らしのおへそ
2019.05.06

歩くことで
まとまらなかった考えがまとまったり、
ふと何かを思いついたり。
自然のなかを歩くことで自分が解き放たれて
直感的になるのかもしれません。

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自然のなかで解放される
自分が気持ちよかった

子役時代からCMや映画で活躍していた小島聖さん。女優としてのキャリアを着実に重ねる一方で、プライベートでは国内外の山に登り、バックパックひとつで何日もテントで暮らすようなハードな旅をする人としても知られています。

小島さんが山に登りはじめたのは30代のこと。「聖」という名前は、南アルプスの「聖岳」からつけられたそうですが、それまでの三十数年間、山のことなどまったく意識することなく過ごしてきたと言います。

「山へと気持ちが向かったきっかけのひとつは、父が他界したことでした。突然の訃報を聞いて、なぜだかふと聖岳を見てみたい、登りたいという気持ちになったんです。その1年ほど前、ネパールを旅したことも、大きかったですね。そのときに経験したトレッキングがすごく楽しくて、帰国してから『山に行きたい!』と周囲の人に声をかけていたら、たまたま仕事で知り合ったカメラマンの女性がよく登山をする人で、『一緒に行きましょう!』と誘ってくれたんです。それからは彼女や、彼女を通じて知り合った自然のなかで遊ぶのが好きな方たちと一緒に、いろいろな山に登りました。山を下りながら『次はどこに登る?』と話をするくらいのめり込んでいましたね」

それほどまでに小島さんを山へと駆り立てたものとは、いったい何だったのでしょう? 

「わりと悶々として、自分のなかにため込みがちなタイプなので、ちょっと発散したかったのかもしれません。実際、自然のなかにいると、自分が伸び伸びと解放されて、本当に気持ちがよかった。何も考えず、気の合う仲間たちと山の時間を共有することや、自然の中を歩いて汗をかくことが本当に心地よかったんです。そして、そのあとのご飯が最高においしかった」


→vol.2につづきます

「暮らしのおへそ Vol.26」より
photo:在本彌生 text:和田紀子

 

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Profile

小島 聖

Hijiri Kojima

東京都生まれ。1989年に女優デビュー。1999年、映画「あつもの」で第54回毎日映画コンクール女優助演賞を受賞。コンスタントに映像作品や話題の演出家の舞台にも多数出演。国内にとどまらず、海外の山にも登るのが好き。料理やアウトドアに関するライフスタイルでも注目されている。
http://blog.honeyee.com/hkojima/

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