スツールの定番「artek(アルテック)」のstool60
~halutaの北欧アイテムvol.12~
みなさん、心丸くしてますか?
今日は定番椅子としてゆるぎない立ち位置を誇る“幸せの丸いスツール”「アルテック」のstool60をご紹介しましょうね。
デザインは、フィンランドの巨匠としてこちらもゆるぎなさすぎる建築家兼デザイナー、アルヴァ・アアルトさん。
もっとも特徴的なのは、丸い座面から横に伸びてくぅっとカーブし、10.00の見事な着地をする3本の美脚にあります。これは「L-レッグ」と呼ばれるもので、1920年代の終わり頃、アアルトさんが家具職人のオット・コルホネンさんといっしょに開発し、長い年月を経てようやく完成した「アルテック」だけのオリジナルです。
製法はまず、脚部となる木の先端から、5mmほどの間隔で切り目を入れます。そしてくしのようになった隙間に薄い板と接着剤を入れ、90度に曲げて加圧します。
これによって無垢材をかんたんに曲げられる上、ジョイントやサポートといった部品も必要なく、水平面からの荷重をしっかりと支えます。つまりこんな単純な構造なのに、しかも3本脚なのに、耐荷重は(なんと奥さん!)280kg。そんじょそこらじゃへこたれない、すぐれた耐久性を実現できたのです。
ルックスも、やさしさを持ち合わせていながら、全体のたたずまいはすっきり、清潔感がありますよね。
以前、halutaのオーナーに「これまでで一番長く使っている家具は?」と質問すると、このスツールだと答えました。
「むかしニューヨークに行ったとき、北欧のデザインミュージムで見たのが最初でした。その後ヴィンテージで見つけたものが、経年変化で飴色になっている感じもよかった。重ねても美しいですし、簡素でゴテゴテしていない、自分が好きな北欧のデザインを表していると思います」
そんな思い入れのある椅子に、mina perhonenのインテリアファブリック「dop」(前回を参照してね)を張る。そのベストコンビネーションは、halutaだけのオリジナルです。
「こんなにも時を経た北欧デザインに、新たなファブリックを張る意味を感じます。これからも楽しみな椅子です」
主にデンマークから仕入れたヴィンテージの北欧家具、雑貨を扱う。「今日のひとしな」コラム執筆は、ウェブブック「haluta365」編集長・山村光春さん。
haluta kanda(ハルタ カンダ)
東京都千代田区神田須田町1-25-4 マーチエキュート神田万世橋
TEL:03-5295-0061
11:00~21:00(日祝 ~20:00)
haluta AndelLund(ハルタ アンデルンド)
長野県上田市小泉821-1
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12:00~17:00(火、土、日祝のみ営業)
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