管理栄養士に聞いた「60歳からの料理の10か条」【前編】

大人暮らし これからの食卓
2020.02.13

管理栄養士、医学博士として、食と健康を長年研究してきた本多京子さん。同世代の女性に提案したいのは、毎日の料理に対する考え方をこれまでと少し変えることなんだそう。今回は、栄養バランスのいい料理を楽しく作る、10のコツを教えていただきました。

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年を重ねると、若い頃と比べて体力や気力が減ってきたり、家族の人数も少なくなったり。そんな事情もあって、料理をするのに気が乗らない日が多くなってきたという声をよく聞きます。私自身もそうです。ですが、人は食べずには生きていけませんよね。そこで、長年の経験を生かして賢く手を抜き、ラクして健康的なごはんを作ることをおすすめしています。

たとえば、蒸す、ゆでるの作業は電子レンジを使う、野菜の下ごしらえは、まとめて作業してストックしておく、缶詰などの常備食材を上手に取り入れる……といったことです。

栄養面では、あまり難しいことを考えず、いろいろな食材をまんべんなくとることを心がけていれば大丈夫。細かい栄養計算にとらわれると、料理が楽しくなくなってしまいますものね。肉・魚、野菜、乳製品などを、1日の献立でバランスよく食べられているかということだけ気をつけていれば、私はいいと思っています。

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また、料理をすることは脳にとっても、すごく刺激になります。ただ家族の食事を用意するという意識だけではもったいない。買い物に出て、食材を見ながら季節を感じ、経済の状態や世間の流行など社会の流れを知る……。自然と五感が研ぎ澄まされますよね。栄養や味のバランスを考えながら献立を組み立て、段取りを整える作業は、脳の健康のためにとてもいいこと。1日3食分、日に3回も脳を鍛えているわけですから、健やかに年を重ねるために、とてもいい鍛錬になると思いませんか?

1か条
一汁三菜を目標に
たくさんの栄養をまんべんなく

「一汁一菜」がブームとなっているようですね。日々忙しい若い方には、作る負担が少なくていいと思いますが、私たちの世代にはちょっとさびしく感じませんか? 長年、小鉢料理があれこれ並んだ献立で育っていますからね。

60代以降も、若い頃と同様に様々な種類の栄養をとることが望ましいとされています。難しく考えなくても、おかずの品数を増せば、おのずとバランスがよくなりますよ。一品味つけが濃いおかずがあると、副菜はさっぱりしたものがほしくなりますよね。そうやって、自然と塩分や糖分、油分の調節ができるのです。栄養計算をせずとも、栄養的なリスク分散につながります。

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2か条
献立は野菜から考える
冷凍しやすい肉や魚より
鮮度が大事な野菜から使い切る

献立を考える時、まずは肉や魚の主菜からという方が多いと思います。それに合わせて野菜の副菜を決めますね。ただ、そうすると、なるべく早く使うべき野菜が残ってしまうケースも。野菜は鮮度が大事。そのため、野菜の消費を優先して献立を考えるのがおすすめ。肉や魚のほうが冷凍しやすいですからね。

まずは野菜室を確認。たとえば、きゅうりが1本残っていたら、たたききゅうりにしてごまダレをかけて一品。しめじがあったら、バターで炒めてもう一品。そのあと、肉や魚でその2品に合いそうな主菜を考える、という段取りです。消費し切れない肉や魚は下味をつけ、小分けにして冷凍しておきましょう。


→【中編】につづきます

「“これから”の暮らしと食卓」より
illustration:はまだなぎさ text:鈴木麻子

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Profile

本多京子

Kyoko Honda

管理栄養士、医学博士。健康や栄養を考えたヘルシーレシピを提案。食育、スポーツ選手への栄養指導など活動は幅広い。著書に『60代からの暮らしはコンパクトがいい』(三笠書房)などがある。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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