「今日のひとしな」番外編 ずっとお願いしたいお直しのお店「凛靴」

今日のひとしな
2020.09.20

~ 「futana」より vol.20 ~

「futana」から南へ自転車を走らせて15分。

三条商店街という、今も活気ある店みせの並びの中に、ぱっと目に留まる、一見何屋さんか分からない革物専門の修理屋さんがあります。

確かな技術と丁寧な仕事、そしてかっこ良さを併せ持ったその修理屋さんの名前は、「凛靴(りんか)」

もう、名前からして惹かれます。

「凛靴」を知ったのは、確か娘が産まれてから。まだ「futana」を始めるだいぶ前ですが、友人知人の中につながりが多く、「靴のお直しなら凛靴」と聞く事が多かったのがきっかけです。

実際にお願いしてみるとなるほど、とても綺麗な仕上がりで、もともとのソールとハーフソール(後でご説明させていただきます)の継ぎ目がとても滑らか。靴を履いた時に見えるハーフソールの分量も絶妙で、靴との馴染みもとても良く、安定感があり、近しい人達が皆「凛靴」の名前を口にするのも納得でした。

洋服のお直しの時にもお話しましたが、「futana」は手にしたものを長く使っていくという考え方がとても好き。靴を扱うお店として、アフターケアや最初のハーフソールを「futana」で承る事が出来たら良いなと思っていたところでの凛靴さんとの出会いだったので、お付き合いもごく自然に生まれたのでした。

ちなみに初めてお願いしたお直しは、先日ご紹介した「AUTTAA(アウッタ)」のスリッポン。

夏休みの旅行でしっかりと歩けるようにと持って行った時に、「固めのソール、柔らかめのソール、どちらが良いか」と聞かれ、実はその質問は初めて受けるものだったので、思わず飛びついて、どちらがどう違うかを教えてもらったのでした。

知らなかったことを知る事が出来るのは、とても楽しい。

革靴は、アウトソールが革の場合、ハーフソールと言って靴の底前面にゴムを貼って履き始めるのが良いとここ数年で痛感しています。

一つ目の理由は、とても歩きやすくなるから。

裏が革のままだと、地面からの跳ね返りの力が足に直接伝わって疲れやすかったり、人によってはその足への衝撃が腰や肩に来る方もおられます。加えて雨の日や滑らかな地面を歩く場合は滑りやすく不安定な歩き方になるので足に余計な力が入り、ますます足がつかれやすくなります。ハーフソールは、この足への負担を軽減する役割を果たしてくれます。

事実、旅行中6泊7日のほぼ全工程をこのハーフソールを施してもらったスリッポンで過ごしましたが、かなり沢山の距離を歩いた日も足の疲れというのはさほど感じず、最後まで楽しく旅を終えることができました。

この時に貼って貰ったのが、「固め」のハーフソール。

女性の靴の場合、バレエシューズなどアウトソールが薄く繊細なものには貼れない場合もあるのですが、「凛靴」でのハーフソールは固め、柔らかめの二種類からお選びいただけます。

固めのタイプはその名の如く、歩き始めは地面への踏み込みが少し固く感じられるのですが、長時間の歩行にはとても良く、歩みもより安定します。柔らかめのタイプは踏み込んだ時の柔らかさが心地よく、スリッポンなどアッパーの分量が少ない繊細な靴に貼るのに適しています。靴への馴染みがよいのです。

それぞれのご要望に合わせてお選びいただければと思います。

ハーフソールを施したい二つ目の理由は、靴を長く使うための第一歩となってくれるから。

ソールが革の場合、それ自体に穴が開いてしまうと補修が難しかったり残念ながら手放すしかないという事に。

先にハーフソールを貼っておけば、ゴムがすり減ってきたらそれを交換するという方法でより長く使っていくことが出来るのです。いろいろな物にカバーをして使う感覚と一緒です。汚れたりすり減ったりしても本体に傷はついていないから、カバーを交換すれば、よい状態のまま使い続ける事が出来ます。

また、ハーフソール以外にもリフト(かかとのゴム貼り)やブーツのジッパー直しなど、靴のお直しに関する事であればひとまず何でもご相談くださいませ。「futana」で手にしていただいた靴は勿論、お手持ちの靴でも大丈夫です。

「凛靴」は三条商店街と御池通にお店を構えておられますので、「futana」よりもそちらが近い皆さまは、是非直接ご相談を! 修理を依頼する私達の要望や思いを聞き、そこに対しての最善策を丁寧に教えてくれるので、安心して預けていただけるかと思います。

同じ京都の中に確かな腕を持つ様々な職人がいて、そしてその仕事を間近に感じられる瞬間があるというのがとても嬉しいです。

この、職人の方々の技と知恵が連綿と繋がり、そしてそれを必要としていく世の中であり続けますように。

 
 
 
 
 
 
「凛靴」
京都市中京区三条通大宮西入上瓦町62番
営業時間:午前10時〜午後7時
定休日:木曜日
電話番号:075-821-2605
 

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futana

京都市上京区中小川町241-6
TEL:075-406-5337
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休
https://www.futana.shop/
Instagram「@futana_kyoto

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