「今日のひとしな」2月の担当は「組む 東京」の小沼訓子さん
全国的に大寒波におおわれている2月、いかがお過ごしですか? すでに2月の「今日のひとしな」連載コラムがスタートしているのに、お店紹介が遅くなってしまってゴメンナサイ! 「どんなお店なの?」というご質問を多くいただいていましたが、たいへんお待たせしました、本日、「組む 東京」の全貌をお届けしますね~。
近年、さまざまなおしゃれショップやスペースがオープンして、注目を集め続けるイースト東京。「組む」は、そんな馬喰町や東神田の問屋街のほど近くに店を構えています。
店内は、およそ4メートルの高さ。天井近くにある窓から入る光で、どことなく教会を思わせるような空間です。
着心地のいい服やアクセサリー、器やおいしいもの、インテリア小物……。店内には、衣・食・住にまつわるものが、ギャラリーのように美しく、センスよくディスプレイされています。それもそのはず、代表の小沼訓子さんは学生時代、イギリスで博物館学、特にディスプレイデザインを学んだキュレーターさんなんです。
「以前の仕事は、店舗内装のディレクション、ショールームやギャラリーの運営など、ハレとケでいえば、ハレのほうをつくる仕事が多かったのですが、このお店ではケ、つまり普段の生活空間にあるものを扱おうと決めていたんです。それは、7年間、専業主婦として子供たちと向き合い、とことん“ふつうの暮らし”をしてきたからかもしれません。その暮らしの中から、“ごくありふれた日常の幸せ”に気づけたような気がします」
棚に並ぶアイテムひとつひとつを指して「これは生産者さんが、すっごくがんばってるお米なのー」「これは長野の女性が、すさまじい信念でオーストラリアから取り寄せている蜜蝋キャンドルでね」……と、小沼さんの熱い思いは止まりません。
「ここだけの話、物そのものがいいのは大前提ですが、それを作ったり扱ったりしている人の思いのほうに惹かれて、扱いを決めることも多いですね」と笑う小沼さん。
その小沼さんの思いは、「組む」のスタッフを見ても、伝わってきます。毎日交代で店頭に立つのは、この棚に並ぶアクセサリーの作家さんや、ウェブの仕事を手伝うデザイナーさんなど、みんな「組む」に関係のある作り手の方々なんです。
そんなこともあって、お店に並ぶアイテムは、小沼さんと同じように、日常を大切にしたいと思って作品を生み出している作り手さんのものが多いそう。「作り手さんの思いに共感し、『組む』がそれをシェアできるような場になったらいいなと思っているんです」
「組む」では、2階に多目的スペースを設け、月1、2回ほど開くの企画展のほか、ワークショップやお話会など“体験や感覚をシェア”するイベントも積極的に行っています。「なんでもない日常に目を向けて“感覚をひらく”と、香りや味、物の手ざわりなどに、とても敏感になるんですよね。そういう気づきが、とても大切だと思うんです」
そんな話を聞きながら2階から降りて奥に進むと、なんと、地下に続く階段も発見。こちらを降りていくと……
ストックルームになっていました! 全アイテムを扱っている有田焼のブランド「JICON 磁今」などは、常設のときでさえ、すべての商品を並べることができないため、「いろいろ見たい」というお客さまには、ここか運び出して選んでいただいているそう。また、企画展の間は、こちらの秘密の小部屋がミニ常設として活躍することも。お店に行った際は、ぜひスタッフさんに声をかけて、のぞいてみてくださいね。
この小部屋の一角には、古い法被(はっぴ)が飾ってあります。こちらは、ビルをリノベーションする際、地下の倉庫を整理していたら見つかった曾祖父さまのもの。そう、ここは小沼さんの家族が、代々商いを続けてきた場所。その大切な場所で、3年前「組む」はオープンしました。「ファミリーが根づいたこの土地でお店を営む責任感と安心感を、同時に感じています。3年経って、やっとやりたいことが形になってきた感じでしょうか。この街から発信できることを、これからも考え続けていきたいと思っています」
企画展を開いていることも多いので、「今日のひとしな」で紹介されたアイテムを見たい方は、サイトのスケジュールを確認のうえ、お出かけくださいね~。
国内外のものづくり、手工業の交流拠点となる場として、ショップ、ギャラリー、コミュニティ・スペースの機能をもつお店。「今日のひとしな」の執筆は、代表・キュレーターの小沼訓子さん。
東京都千代田区東神田 1-13-16
tel:03-5825-4233
営業時間:12:30~19:00
不定休(サイトをご確認ください)
http://www.kumu-tokyo.jp/
インスタグラム「@kumutokyo」
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