「今日のひとしな」5月の担当は「La Vie a la Campagne（ラヴィアラカンパーニュ）」

ゴールデンウィークも、そろそろ中盤。みなさま、ゆっくりお休みできていますか～？ さて、明日から始まる５月のデイリー連載「今日のひとしな」は、人気ショップ「LA VIE A LA CAMPAGNE（ラヴィアラカンパーニュ）」からお届けします！ 今日は、中目黒にある素敵なお店の中をご紹介しますね。

中目黒駅から歩いて数分。お店は、商店街から１本入った静かな通りに佇んでいます。店名の「ラヴィアラカンパーニュ」は、フランス語で“田舎の生活”という意味。その名のとおり、ヨーロッパの田舎で何十年も営まれているお店のような雰囲気が漂っています。

中をのぞいてみると、これまた素敵な空間！ 古い日本家屋をリノベーションしたとは思えぬおしゃれさです。さまざまな国、地域から集まってきた器や道具、フード類がズラリと並んでいました。

こちらのお店のオーナーはロシャン・シルバさん。スペイン人の父とスリランカ人の母の間に生まれ、イタリアで育ちフランスで暮らしたのち、日本にやってきました。鎌倉の山の上にあった古民家を、自ら改装して小さなお店を始めたのが、「ラヴィアラカンパーニュ」のベースとなっています。

「鎌倉の店では、地元で採れる果物を使ってジャムを手作りし、計り売りしていました。ビンの回収日に近所をまわって空きビンを集めたりもしていましたね（笑）。季節に合わせ、自分や周りの人が消費できる分だけを手作りする。パンもジャムも、アロマクリームもそう（オリジナルのアロマシリーズ「AmBIENTE（アンビエンテ）」も人気なのです）。そんな“田舎の生活”の素晴らしさを多くの人に味わってほしくて、この中目黒店を開きました」

今では中目黒店以外にも全国各地に支店ができ、それぞれの地方の素材を使った商品が各店舗で作られています。たとえば、沖縄・宮古島のお店からはアロエや冬瓜を使ったジャムが生まれたり、札幌のお店では北海道産のチーズを使ったチーズティーが味わえたり。

そして、なんといってもシルバさんのすごいところは、パンをオリジナルレシピで作ってしまうところ。現在はスタッフと交代制で焼いていますが、以前は毎日、明け方３時ごろからシルバさん自らがキッチンに立っていたのだとか。

「最近のパン屋さんは、バターや砂糖を多めに使っているところが多いですが、それだと粉の味がしなくなっちゃう。僕のレシピは、天然酵母だから発酵に時間がかかるし、ガスオーブンを使うから焼くときの調整が難しい。でも、だからこそ“田舎の生活”には欠かせない、素朴でおいしいパンが出来上がるのです」

ちなみに、２階のカフェでいただけるモーニングセットは、スープとともに焼き立てのパンがカゴ盛りでサーブされます。このパン、なんと好きなだけいただけるのだとか！ ときには早起きして、のんびりたっぷり田舎の朝ごはんを楽しみたいですね。




カフェのインテリアも、ヨーロッパの田舎の家に遊びに来たような雰囲気。棚やテーブルはDIYしたものやフランスから取り寄せた古いものなど、さまざま。いろいろな要素が混ざっているのに不思議と調和がとれていて、改めてシルバさんのセンスに圧倒されます。

そして、編集スタッフが「ここまで“田舎の生活”っぷりが徹底しているとは！」と驚いたのが、こちらの洗い場。味わいのあるブリキの洗い桶に食器が積まれている姿は、まるで中世絵画のような美しさでした。

またシルバさんは、人気ブランド「the factory」（今までの「おしゃれさんコーディネート」連載にも、ちょくちょく登場していたんですよ）のデザイナーとしても活躍しています。最新の夏アイテムも「今日のひとしな」でご紹介予定ですので、楽しみにしていてくださいねー。

ちなみに、この日シルバさんが着ていたのは、数年前に作った「the factory」のコート。何度も何度も洗ってくたくたになっているのが、いい感じ！「長い間、着てもらえる服を作りたいから、アイロンをかける必要がなく、着れば着るほどヴィンテージのような雰囲気になる生地を選んでいます」

「このコートは、ポケットを前とサイドに２つずつ、全部で４つもつけたからすごく便利なんですよ。それと、後ろには深いスリットを入れました。このほうが自転車に乗りやすいでしょう？」

格好いいだけじゃなく、毎日の暮らしにしっかりと寄り添ってくれる服なのですね。それは、パン作りにもお店作りにも通じる、はっきりとは目に見えないかもしれないけれど、確実にじんわり心に刺激を与えてくれるもの。そんなシルバさんの思いを体感しに、ぜひお店にも足を運んでみてくださいね。明日からの「今日のひとしな」もお楽しみに～。