髪は見た目の印象の7割を決める Vol.2
お客さまと丁寧に向き合いたくて、
たったひとりでサロンを立ち上げました。
髪の毛の状態を聞き、
洗い方、乾かし方までその人に合った方法を
お伝えしています。
髪そのものが健康になることが基本でありスタート。髪質がよくなれば、おのずとスタイリングもまとまりやすくなる。今の自分の年齢や髪の状態に合わせて、シャンプーやドライヤーなどを選び、髪に足りないものを補うといい。
今回、私たちができる「髪の整え方」について聞いてみると……。
「ちゃんと洗って、ちゃんと乾かす。それに尽きますね」と大谷さん。
「髪を洗って乾かすって、小さな頃からずっとやっていることですが、年齢を重ねると、体は変わります。今の自分の年齢や状態に合ったケアが大事です。髪の毛って、頭皮から出た瞬間に『死んだ細胞』になるので、丁寧にキープしていかない限り、どんどん劣化していきます。だから、良質なシャンプーで洗って、ちゃんと乾かすことが必要なんです」
「見た目の印象の7割を決める」という髪の整え方は、意外やシンプル。
「いつもより、3分長くドライヤーで乾かして」と大谷さん。
たった3分ですが、忙しい毎日のなかに定着させるには、意識を変える必要があります。そして日々繰り返すことで必ず髪のツヤが変わる。大谷さんが教えてくれたのは、当たり前のことを続ける確かさでした。
きちんと洗って乾かす。それだけで髪は変わる
シャンプーは、頭皮の汚れをしっかり落とすため。ドライヤーは、髪を乾かし、キューティクルをきちんと閉じるため。「見た目」の印象を左右するのは、つややかな髪によって生まれる清潔感。
ツヤをつくるレシピ
①シャンプーで頭皮の汚れを落とす
②リンス、コンディショナーで油分を与えて調整する
③ドライヤーでキューティクルをきれいに閉じる
④ヘアオイルで髪の表面の凹凸を整え、光の反射をつくる
⑤頭皮マッサージで次に生えてくる毛髪によい状態をつくる
1.洗い方
「洗っているつもり」でも頭皮まできちんと洗えていないことがあります。今一度、自分の洗い方を見直すことから始めてみませんか?
◆しっかりぬらす
髪の毛ではなく、その奥の頭皮までしっかりぬらすことが大事。こうすることで、頭皮の汚れも浮き上がらせることができる。
◆シャンプーを配分する
シャンプーは手のひらにとってから、全体に配分する。整髪料をつけている人は、軽くもみ込んでから一度流して。
◆よく泡立てる
よく泡立った状態で頭皮を洗う。泡は髪についているホコリや汚れを取り、再付着を防ぐ役目も果たしてくれる。
◆優しく洗い流す
シャワーの水圧に頼るのではなく、シャンプーするときと同じように、髪の根もとまでしっかり手を入れて流す。
2.乾かし方
髪は水分を含むとキューティクルが開きます。乾かすのは、それを「閉じる」作業。自然乾燥ではなく、ドライヤーで素早く閉じてツヤを出します。
◆「乾いたかな?」から3分長く乾かす
内側までしっかり乾いていないと、髪の毛が再び水分を吸って広がってしまうので、「もう乾いたかな?」と思ってから、さらに3分。ドライヤーを振るのは禁物。風を当てて、指の腹を地肌に当てて動かしながら。
◆頭皮と根もとから乾かす
最初に頭皮全体を乾かす。次に髪の根もとを乾かしてから、だんだん毛先に。キューティクルがウロコ状に閉じることで、光がきれいに反射する。皮脂腺から出た脂を毛先まで運びやすくなる効果も。
◆タオルでゴシゴシこすらない
ドライヤーで乾かす前に、ぬれた状態で髪の毛を摩擦すると、キューティクルが傷んでしまうのでNG。髪の毛を洗ったあとは、タオルでこすらず、髪をはさんでぎゅっと押さえて水分を吸い取るように。
◆ドライヤーの最後は冷風で
最初は強い温風で。全体に乾いてきたら少し弱めて整え、最後に冷風を当てて落ち着かせる。最後まで温風で乾かすと中に湿気がこもるので、最後に冷風に切り替えて外に出す。この丁寧なプロセスがツヤを生む。
大谷さんのおすすめドライヤー
右は「ヤーマン」の「スカルプドライヤープロ」。遠赤外線と美容音波振動を搭載して頭皮をエイジングケア。左は「ダイソン」の「スーパーソニック・イオニック」。パワフルな風で、速乾性を求める人に。
photo:有賀 傑 text:一田憲子
『見た目を、整える』より
Profile
大谷猶子
都内の理容室で修行後、ヘアサロンで働いた後、独立。ヘアメイクの夫と共に渡米し、ニューヨークで働く。帰国後、出産して2児の母に。2013年にひとりのお客さまとじっくり向き合うサロン「オルタネ」をオープン。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。