眠りのおへそ　― 金沢「石田屋」店主・田中佳美さん vol.2

気温がぐっと下がって、秋冬用のお布団が恋しい季節になりましたね。
石川・金沢で大正時代から続く寝具店「石田屋」を営む田中佳美さんは、「睡眠の質を上げて目覚めがよくなったら、人生が変わった」と語ります。
田中さんが提案する”よりよい眠りと””心地よいおしゃれ”について４日間に渡ってお伝えします。

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睡眠の質を上げて
目覚めがよくなったら
人生が変わりました

自分に合った寝具は人それぞれ。ベッドマット、敷き布団、かけ布団、カバー、と自分が心地いいものを自分の体で選んだ結果、熟睡できるようになったそう。ここは「ガマダン」地下にある宿泊体験ルーム。田中さんの寝室を再現してもらった。

５年前には、自分の足で探した寝具を揃え、寝心地を実際に確かめられる体験型のショップ「ガマダン」をオープンしました。なんとこの店の地下にはベッドルームがあり、１泊してその寝心地を味わうこともできます。

「今年で60歳になりますが、今がいちばん元気で幸せです。やろうと思うことは何でもできるようになりました」

そんな田中さんの生きがいは、嫁いだ当初、あんなにつらいと思っていた家業のなかにありました。人は身近なものほど見えなくなるもの。毎日必ず寝て起きる……。そんな眠りのおへそを見直すことは、今日からできる、人生の方向を変えるためのいちばん確かな方法なのかもしれません。

眠りの体験を共有する

上質な寝具を提案することはぐっすり眠ればきっと明日が変わると伝えるということ。

体験型ショップ「ガマダン」では、眠りのプロがひとりひとりの体や住環境に合わせて寝具を選ぶアドバイスを。店内には、さまざまな寝具が揃い、すべてのアイテムを実際に試してみることが可能。馬毛の敷き布団や羽毛のかけ布団の寝心地を味わったり、同じ布団でもオーガニックコットンやリネン、シルクなど肌に触れる素材ごとの違いを体感できるのはうれしい。

店内には食事ができるスペース「ガマダンダイニング」があり、旬の食材を使った体を整える食事が食べられる。丁寧にとった野菜だしや発酵による素材の変化を味わう体に優しい発酵ランチ「めぐる」がおすすめ。

『暮らしのおへそ Vol.30』より
photo：ワタナベアニ　text：一田憲子

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