価値をより感じられる、趣のある買い物を【北海道のセレクトショップ「Less」】

早いもので明日から12月。クリスマスや年末年始の準備など何かと忙しい時期ですが、1年間頑張った自分へのご褒美もしっかり選びたくなりますよね～（笑）。そこで2020年最後の「今日のひとしな」は、北海道の「Less」に登場していただくことになりました。洋服、おしゃれ小物から家具やインテリア雑貨まで、素敵な暮らしのアイテムが幅広く揃うので、ちょっとした贈り物はもちろん、ご褒美に買いたい特別なプレゼントもきっと見つけられますよ。31個のアイテムを紹介して下さるのは、オーナーの浜辺さんです。

「Less」は、衣・食・住それぞれをテーマにした店が3つあります。1店舗目として2004年にオープンしたのは、家具や雑貨をメインに取り揃え、“住まい”がテーマの「Less Asahikawa」。

元々、自分の店を持ちたいと考えていた浜辺さん。セレクトは好きな北欧のヴィンテージ家具を中心に、と決めたところで、まずはイギリス・ロンドンへ商品の買い付けに行きました。ロンドンを拠点に半年かけて、家具や陶器、インテリア雑貨などをコンテナ1台分の商品を集めて帰国し、地元の北海道で店をスタートさせました。

フィンランドを代表するインテリアブランド「アルテック」やデンマークの有名インテリアブランドの一つ「FDB モブラー」を始めとした北欧家具の他にも、「マリメッコ」や「リサラーソン」などの雑貨も並びます。日本の職人がつくる家具や器も充実していますよ。あたたかみがあるけれど洗練されたアイテムがギュッと集められた店内は、じっくり見ていて楽しく、ついつい長居してしまいそう！

「Lessさんのセレクトで服も扱ってほしい」というお客さんの声が多かったことから、旭川市の中心部に2店舗目をオープンしました。セレクトは洋服メインで、こちらも多くの人に愛されていたのですが、浜辺さんの出身地で昔から慣れ親しんだ東川に店を移転。それが現在の「Less Higashikawa」です。


「ヤエカ」「コモリ」「ゴーシュ」「オーラリー」などを中心に、長く愛用したい、上質な大人のカジュアル服が並んでいます。

衣食住すべてを「Less」で提案したいという想いから、「Less Higashikawa」の2階には、平日は食堂と喫茶、週末夜は酒場になる「on the table」が作られました。地元の食材を使って作られる料理が絶品と、多くのお客さんに評判なのだとか。

人気の定番メニューの一つは、ジューシーな肉汁があふれ出すハンバーグ。添えてある種類豊富な焼き野菜にサラダ、スープ、ごはんとボリュームたっぷりのメニューです。厳選されたコーヒーやスイーツメニューも充実していて、ホッと一息つける憩いの場所としても人気だそう。

週末夜は、自然派ワインを中心としたおいしいお酒に合うしっかりとした食事メニューがいただけます。気取らずに楽しめる、落ち着いた雰囲気の店内も魅力的です。

衣・食・住、それぞれをテーマにした店を作り、長年続けている原動力について、浜辺さんは「どんな部屋で暮らして、どんな服を着て、誰とどう過ごすか……といった暮らし全般を考えることが好きなんです。自分がいいと思ったものをお客さんと共有したい、という気持ちも強いからですかね」と笑って話します。

店名の由来は、20世紀に活躍したドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉として知られる「Less is more（少ないことはより豊かなことだ）」。

「何でもたくさんあることがいいことではなく、必要最低限にそぎ落とされた、本質的に良いものを紹介したいと思い、『Less is more』からとって『Less』と名づけました」


「『いいな』と思うものは、ていねいに作られていたり、作り手の理念が感じられたり、ほぼほぼストーリーを持っているんですよね。表面的な格好よさだけではなく、バックストーリーがあるものに私自身が心惹かれるので、セレクトの軸も必然的にそうなっています」

商品を新たに仕入れるときは、作られている場所に足を運び、作り手とじっくり話し、実際に自分の生活でも使ってみる、そうしたプロセスを大事にしているそう。そのため、浜辺さんが足を運ぶのは全国津々浦々！　「日本中のいいものに会いに行き、色々な人と出会い、ご縁をつくることが楽しくて。この仕事の醍醐味ですね。そうした各地の縁と地元のお客さんをつなげることが、『Less』の役割だと思っています。本当はあまりカッコつけた話はしたくないのですが……（笑）。昔からの魅力的な文化やいいものを、次の世代
にきちんとつなげたいと思っています」

「インターネットで世界中の商品が簡単に買えることは、スピーディーで確かに便利。しかし、そのものが持つ価値とじっくり向き合って選ぶことは違った趣が味わえます。商品だけを売るのではなく、思わず誰かに話したくなるようなストーリーや作り手の想いも一緒に持ち帰ってほしい。そうして選んだひとしなは、きっと愛情深く、長く使っていただけると思うので」

そんな深みのあるお買い物を楽しめる「Less」の「今日のひとしな」は、明日からのスタートです。どうぞお楽しみに！

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