こだわりの冬素材物語「yourwear」編
カシミア、ウール、アルパカ……
冬中そばに置きたいあったか小物
「yourwear」のアイテムは素材の特性を生かした編み立てで、やさしく肌になじみ、チクチク知らず。シンプルながら、どこか愛らしさもあるデザインで冬の装いを楽しくしてくれます。
素材も編み地もいろいろ、大判ストール
素材もさまざまなら、ハイゲージ、ミドルゲージ、メッシュと、編み地による違いも楽しめるストール。大判なので巻き方もアレンジ自在、お家時間ならひざかけとしても重宝。
右から、ひじかけにかけたカシミアミドルゲージストール(カーキグレー)¥21,000 たたんで重ねた上からウールメッシュストール(ミックスライトグレー)¥14,000 ベビーアルパカプレーンストール(キャメル、オフホワイト)各 ¥13,000 丸めた右からウールメッシュストール(ベージュ)¥14,000、カシミアハイゲージプレーンストール(ミモザ)¥21,000、ベビーアルパカコンビストール¥13,000/すべてユアウェア
思わずクスッと笑ってしまうお人形
7 年前から始めた余り糸で作る一点物シリーズ。今回の新作は、愛らしいニットドール。一度解いた糸は、もじゃもじゃ感を生かして髪の毛に。ユーモラスな表情に、ほっこり。
ニットドール 各¥3,500/すべてユアウェア
「ユアウェア」の小物は東北・秋田で生み出されています
大手アパレルのニット企画室でニットの製作に携わっていた佐藤さんが自身のブランド「ユアウェア」を立ち上げたのは、2010年のこと。「もっと、自分の好きなものを、目の届く範囲で作りたい」という思いからでした。
「素材を自分自身で見極めて、本当にいいと思ったものを、手の届く価格で届けるには、自分のブランドを持つ以外にないと思ったんです」
神奈川県・大磯にアトリエを構えてスタートし、その後、出身地である秋田に拠点を移します。
「長年おつきあいのある工場から届く編み地をアトリエで1点ずつ製品に仕上げていくという製作活動のペース自体は変わらないので、移転にそれほど不安はなかったのですが……。手伝ってくれる編み子さんを地元で集めるところからの土台づくりは、少し大変でしたね」
今では、信頼できる編み子さんたちとともに最後の仕上げまで自ら見届けるものづくりの基盤が、この秋田の地でもできあがったと言います。
手編み機で編まれるジャカード生地は、細かなところまで人の手でていねいに。(写真提供:yoma funabashi/@kurasukoto)
「編み地が届いたら洗いをかけて、素材ごとの風合いに仕上げていきます。すべて天然素材で化繊は一切入っていないので、カシミア、ベビーアルパカ、ウール、キャメルと、それぞれの個性に合わせて、自分が思ういいバランスになるまで調整する作業が必要なんです」
たとえばカシミアなら、風合いの変化を楽しんでもらえるように、あえて洗いをかけすぎないように。そのあと、大判ストールやミニマフラー、ニット帽など、それぞれの素材と編み地を最大限に生かせる製品に仕立てます。
撚り具合、繊維の細さ……。糸の様子を見ながら、こまやかに調整する。(写真提供:yoma funabashi/@kurasukoto)
そして、最後のネームづけまでアトリエで。本来は工場に発注するようなことも自分たちで行うことで、上質なカシミアやウールを使いながらも、手にとりやすい価格帯に抑えることができるのだとか。また手編み機を使うものは、全工程をアトリエで行います。
「ウールジャカードのマフラーやカシミアスヌードがそうです。編む速度がゆっくりなため、繊維に強い力をかけずに編み上げられるのが手編み機の特徴。ふっくらとやわらかい風合いになります」
なるほど、「ユアウェア」のニットの極上の心地よさは、こうした素材の見極めや、それに合わせた作業工程を選ぶことで生まれているのだと納得します。
photo:回里純子 text:坂本祥子
『ナチュリラvol.52 冬号』より
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