和食器で、じんわりシリアル~「空音(くうね)」山下麻奈美さんvol.4

器店主の朝ごはん
2016.10.18

photo&text:山下麻奈美  使用カメラ:OLYMPUS PEN Lite E-PL7

 

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担当させて頂いている連載も最後の回になりました。

 

振り返ってみると、撮影をする朝、雲ひとつないお天気の日はあまりありませんでした。今日もカーテンを開けて、いい天気だなと思っていたら急にお日さまが翳ったりして。写真の出来は別として、カメラ越しに見る朝ごはんの中の光や影が変化していくのを、毎回楽しませてもらった気がします。

 

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右)ガラスの小鉢:でく工房

左)抹茶碗:竹本ゆき子さん

 

リサイクルガラスを使っているという、波打つようなガラスの小鉢。そして抹茶碗。初めてこの2つを組み合わせてみたとき、2つの花がふわりと開くような姿と重なり、ちょっと嬉しくなりました。器っていいなと思うのは、こんなささやかな瞬間です。

 

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ガラスの小鉢には、桃を。一晩水切りしたヨーグルトと、はちみつもかけました。抹茶碗には、グラノーラとオートミール、フルーツを盛り、無調整豆乳とたっぷりのきな粉をかけました。じわじわいろんな味が出てくる、パンと同じぐらい好きな朝ごはんです。シンプルだけれど、さまざまな風味がぎゅっと詰まっているので、存在感のある抹茶碗を選びました。洋のイメージのシリアルにあえて和食器を使うのも、私にとっては心地よい使い方。寒い朝はこの器で、とろりとするまで牛乳で煮たオートミールにきび砂糖をかけて頂くのも、いいものです。

 

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実は私は、お茶を点てることがほとんどないですが、薪窯でよく焼かれたこの器のざらりとした肌合い、色合いの抹茶椀は一目見て気に入りました。ふだんは、お茶やコーヒーなどを飲むのに使っています。こんな風に食べ物を盛ることは器にとっては想定外なのかもしれませんが、使い手の自由でいいと思います。作り手がのびのびと器を作り、使う人ものびのびと器を使う。そんな形が自然とできていったらいいなと思います。

 

4回の朝ごはんにお付き合いくださった皆さま、ありがとうございました。編集の方が声をかけてくださり、こんな楽しい機会をいただけたことに、とても感謝しております。この連載企画が、いろんな方へとバトンタッチされていくのを私も楽しみにしています。

 

朝ごはんから始まる皆さまの1日が、今日も素敵なものでありますように!

 

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