海外の家事事情 Vol.3【イギリス編①】
海外ではどう家事に向き合っているのでしょう? 違いを知れば、「今」を別の目で見ることができるかもしれません。
家はリラックスする場
上手な手抜きが英国流
イギリスの女性の料理、洗濯、掃除といった家事平均時間は、一日2時間ほど。日本人は4、5時間なので約半分です。「日本人はそんなに家事に時間をかけて、自分がやりたいことをする時間はあるの?」と聞かれた在英日本人も多いのだとか。家は自分や家族がリラックスする場。頑張りすぎたら、誰も気持ちが休まらない……、という考え方です。
朝食はシリアルやパンとスープだけ。ランチは毎日サンドイッチ、夕飯用の半調理されたおかずも充実しているなど。ズボラでなく、何が暮らしの豊かさなのかをきちんと考え、上手に手抜きをしているようです。
半調理品が充実
朝食やランチはもちろん、夕飯作りも手軽にすませることが多いイギリス。なかでも人気なのが、外食ではなく、惣菜などの中食でもない、その中間にある半調理品。すでに味つけされた肉、調理されたサーモンパイやラザニアなどをオーブンで20〜30分間焼き、そこにパックで売られている、洗うだけで用意できるサラダを組み合わせます。
日本だと油で揚げるカツレツやフライドポテトもオーブンで。揚げたような仕上がりになり、調理もラクでヘルシー。手の込んだサーモンパイも半調理品なら簡単。スーパーにいろいろなオーブン用半調理品がパックで販売されている。サラダはすべて野菜がカットされ、バランスよくミックスされている。
食器洗いは
つけおきで節水
日本では汚れた食器がたまったシンクをネガティブにとらえることもありますが、イギリスでは当たり前でエコとされます。ダブルボウルキッチンシンクと呼ばれる2つに分かれたシンクが一般的で、洗剤を少し注いだシンクにお湯や水をため、食べたあと、汚れをサッと拭き取った器をつけておきます。汚れが浮いたらスポンジで洗い、隣のシンクですすいで水きりマットへ。2食、3食分まとめて洗うことで効率的で節水になります。
イギリスのキッチンでは一般的なダブルシンク。一方をつけおきに、一方をすすぎに使う。水きりかごを衛生的に保つためにこまめに洗うより、洗濯機で手軽に洗える水きりマットが好まれている。
photo:岩下牧子 text:一田憲子
『家事のしくみを、整える』より
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