玄関マットにもなる、バルーチ族の小さめラグ

～ 「エイトデイズ」より vol.５ ～

しばらくメインラグが続きましたので、今日からはお求めやすい小ぶりなラグを紹介します。

バーリシトとは細長い袋物で、移動の際はバッグとして、テントの中では収納とクッションを兼ねた中～大型の袋です。ペルシャ語系民族はバーリシト、トルコ語系民族の間ではヤストックと呼ばれていますが、直訳すると「枕」という意味です。

本来は袋状になっていたモノですが、現状は裏のキリム部分は縫い合わされているので、クッションとして使うには一度部分的に解かなければなりません。2重になっているので厚みもあり、玄関マットとしても良さそうです。

今回のバーリシトはシスターン地方（イラン東部～アフガニスタン西部）のバルーチ族の典型的な色彩とデザインです。ボーダーと中央のモチーフはシスターンバルーチ族のバーリシトには時々見られるモチーフですが、フィールドの淡い紫は珍しい色彩です。濃いめの色使いが多いバルーチにはあまりない、柔らかい色相のバーリシトです。

織られた年代も古く、トライバルラグらしさが随所に見られますので、入門用としてもおすすめできます。良いトライバルラグを入手することは、今後いろいろなラグを見る際の基準にもなりますので、大切なことだと思います。

バーリシト袋物 パイル織り　羊毛　 78x47cm　19世紀 

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