最終回は「エイトデイズ」のある須坂周辺の素敵な場所をご紹介します

～ 「エイトデイズ」より vol.31 ～

気が付けば長野でお店を始めてから10年以上が経ちました。開店当初はいい意味でもそうでない意味でも「違和感」が強かったと思う当店ですが、最近は須坂の街にも馴染んでいるのではないか、、、なんて勝手に思っています。まあ相変わらず凹むことも多々あるのですが、そんな時にも愚痴？を聞いてくれるようなお客さんや同業の知り合いも少しずつ増えてきて、何とか毎日を乗り切っております。今日は最終回ということで、そんな普段お世話になっている近隣のお店さんの紹介をしてみたいと思います。

今回のラグの撮影で使わせてもらったのが、木工作家松木直啓さんのショールームです。須坂から北西に車で30分くらいの飯綱町にあります。

森に囲まれたショールームは、明るい日差しが気持ち良い素敵な場所です。工房もすぐ横にありますので、実際の作業の様子も見ることができます。松木さんは開店当初から時々顔を出してくれる、飾らない人柄の職人さんです。椅子やチェストなどの家具を中心に制作されていて、県内の材料を使い試作を繰り返しながらとても丁寧に仕事をされています。

続いて飯綱町のお隣信濃町には、革作家の木村真也くんのお店「OND WORKSHOP」と奥様がされている「サユリ美容室」があります。松木さんのショールームから車で10分くらいでしょうか。ドアを開けると革小物たちの販売スペースがあり、奥が美容室となっていて、飯縄山を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができます。

飯綱～信濃町は雪が多い地域ですが、春から秋にかけては本当に気持ちがいいです（でも雪景色が一番美しいのですが）。ここは最近亡くなられてしまったC.W.ニコルさんが愛された森のすぐ近くです。革作家の木村くんは飯山市（長野では一番新潟よりの地域）の出身で、東京で修行されたのち長野市でお店を開いていましたが、2年ほど前にこちらで奥様とお店を始められました。窓から見える景色は本当に素晴らしいのです。この辺りは上水内郡（かみみのちぐん）という所で、野尻湖周辺はリゾート地としても有名です。古くからあるお店や新しく出来たお店なども点在するので、長野に来られた際には一度足を運んでみてはいかがでしょうか？

須坂市内のお店はやはりスケッチイン・ハイクさんです。トライバルラグ展のお知らせの回でもご紹介しましたね。

ラグの展示会では「共催」という形でご一緒させていただいています。私が長野に来て最初にお話しするようになった同業者さんなのです。こちらも以前は長野市内にお店があったのですが、店主さんも須坂市在住ということで、数年前に引っ越してこられました。「エイトデイズ」よりむしろ「スケッチイン」さんの方が、「暮らしとおしゃれの編集室」の読者の方にはピッタリだと思いますよ～。お店全体に漂う「控えめ」な感じが好きです。最近は新たに「机上の時間」という文房具中心のお店もされています。

面白い活動をしているのが、須坂市の老舗材木店「竹内木材」の三代目、竹内利充くんによる「Take Products」です。実店舗はありませんが、全国展開するセレクトショップやパリを拠点に活動する関隼平氏の「PARKS」などにも卸しています。

お店で使っている箒も「take product」によるものです。「生活から民芸、ときどきパンク」というコンセプトもいいですね。

モノを見る視点が独特なので、いつも刺激をもらっています。元パンクスということで、革ジャン好きという点でも話が弾みます。一緒に福島～新潟ツアーをしたことも良い思い出です。彼はトライバルラグのコレクターでもあり、特にキリムのコレクションは素晴らしいです。

須坂では他にも若い人たちが中心になっていろいろな新しいお店が少しずつ増えています。この「少しずつ」というところが肝心なのです。地方の小さな街だからできるような取り組みが増えていくと素敵ですよね。そういう一連の流れの中のひとつでいられるように、今後も頑張りたいと思います。

さて、1ヶ月にわたった連載も今日が最終回となりました。この間読んでいただいた方にはお礼を申し上げます。トライバルラグ中心ということで、あまり興味のない方には申し訳ありませんでした。久しぶりに文章を書いたのでかなり苦労しましたが、自分のお店を見直すきっかけにもなったように思います。ありがとうございました。長野方面に来る機会がございましたら、是非須坂周辺にも来ていただければと思います。

木工作家・松木直啓
OND ORKSHOP / サユリ美容室
Sketch-in hike
Take Product

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