母の小さな手にもなじむ「神山しずくプロジェクト」間伐杉の鶴カップ

～「ラシクルモール」より vol.１ ～

はじめまして。徳島発のオンラインショッピングモール「ラシクルモール」の読み物サイト「ラシクル」の編集ディレクターをしている佐藤です。モールを運営するスタッフ３名と今日から１か月間、記事を担当します。どうぞよろしくお願いします。

さて！　張り切っております（笑）。というのも、今日から毎日お届けするひとしなは、スタッフ自らが実際に作り手のもとへ足を運び、これは！ と惚れ込んだものばかりだから。毎日１つずつ、徳島のいいものを全国の方々に知っていただけるかと思うと……ニヤニヤが止まりません。５月が60日、いやずっと続けばいいのにとさえ思います（笑）。そして、今月が終わるころには「徳島に行ってみたいなあ、行ってみようかな～」と思っていただけたらなあと！

さて。前置きが長くなり失礼しました。

本日、第１回目にご紹介するのは、「神山しずくプロジェクト」の杉で作られたカップです。その名も「鶴カップ」。

ほら、この木目。うっとりしませんか？　時が作り出した自然美、杉の年輪です。この美しい木目ですが、横縞のように見えるデザインって、じつはすごく珍しい。「杉、カップ」と検索してもらえるとわかりますが、木目は縦に入っているものが一般的です。この画期的なデザインによって2017年にはグッドデザイン賞を受賞しています。

でも、この子、見た目だけじゃない。

このカップは、徳島市から車で40分ほどの山あいにある神山町で作られています。大阪からこの町に拠点を移したデザイン会社「キネトスコープ社」が2013年に立ち上げた「神山しずくプロジェクト」という活動から生まれたもの。神山町の山や川を守るために伐採された地元の間伐杉が「SHIZQ」プロダクトとしてこのカップに生まれ変わっています。プロダクトが生まれた興味深い背景など、詳しくは「ラシクル」で紹介しているのでぜひご一読いただければ幸いです。

そのモノ語りも含め、「SHIZQ」のうわさは耳にしていました。その後、縁あって「鶴カップ」を手にしたのですが、その衝撃たるや！
か、か、か、軽――――い！！

なんと、卵１個（約60g前後）よりもずっと軽い。え？え？と軽く動揺しながら意味なく何度も上げ下げしちゃったくらい。持っているのに、持っていないような……なんとも不思議な感覚。しかも、小ぶりなので女性の手には収まりがよく、しっくりなじむんです。

「これは母が喜んでくれそう」。
ちょうど母の誕生日プレゼントを探していたタイミングでした。病気の治療による薬の副作用で手足のしびれ、そして冷えに悩まされていた母にこの鶴カップの重さといい、大きさといい、そして手触りといい、すべてが好条件に思えて即決。

プレゼントしたところ、「陶器や磁器みたいにひんやりせんから持ちやすいわあ」「触っているだけでも心もほぐれるような気がするんは木だからかなあ」と、カップを両手ですりすりしながら気に入ってくれた様子。

熱すぎる飲み物を入れるのはNGだけれども、母は猫舌なのでそれは気にならず。手入れにいたってはほかの器同様、中性洗剤で洗って自然乾燥でOK。“母のコップ”として普段使いしてくれているのを見るたびうれしくなるのです。そして、私も欲しい……。

「SHIZQ」の器はカップだけではなく、汁椀やプレートなどのほか、漆塗りのシリーズもあります。それらは神山町にある直営店「SHIZQ STORE」で実際に手にすることもできます。

天井も床も、そしてランプシェードにいたるまで神山杉がふんだんに使われた店内。手前に商品が並び、なんと奥にはソファなどを設えた“オーナーズラウンジ”が。SHIZQの器を購入すると、オーナーズカードがもらえます。ギフトで受け取られた方にもカードは同梱されているそう。

こちらを持参してスタッフの方に提示すると、このラウンジを自由に使うことができるんです。棚に並ぶ器から好きなものを選んでコーヒーやお茶、なんとワインまで飲めちゃうんですよ。もちろん同伴者も。

大きな窓から目の前に広がる山や色を変えながら遠くまで続く空を眺め、オーナー顔でゆったりとくつろいできました(笑)。もちろん初めての方も気さくなスタッフの方が店内を案内してくれますよ。

ちなみに、もし神山町を訪れることがあれば、おすすめしたいスポットがあります。それはこのお店の裏側に位置する大粟山。標高約250mの小ぶりな山には、神山アーティスト・イン・レジデンスプログラムを通じて、世界各地のアーティストが制作した芸術作品が点在し、１時間程度のアートウォーク（詳しくは「神山アーティスト・イン・レジデンス」と検索してみてくださいね）が楽しめます。木々や草花の生気も感じられてとっても気持ちのいい場所なんですよ。いきなり“神山ガイド”でした！

カリン・ファン・デ・モーレン《神山金継》2018.オランダ

「SHIZQ」の器は職人さんによる手作りなので量産できません。だから「ラシクルモール」でも不定期入荷の場合が多いのですが、タイミングよく出会えたら贈りものに、また自分へのご褒美にぜひご利用ください。

あっ、そうだ、商品が届くスタイルに「神山しずくプロジェクト」らしい粋な計らいがあるんですが……、それはそのときまでのお楽しみ、ということで。

「神山しずくプロジェクト」のSHIZQ鶴カップ

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