食卓、リビング、屋外に。暮らしに溶け込む「山口木工」の美しい遊山箱

今日のひとしな
2022.05.05

~「ラシクルモール」より vol.5 ~


はじめまして。スタッフの井上です。小林社長からバトンを受け、今日は私が担当します。私も、小林社長や山田さんと同じく、ラシクルモールの運営に携わるまで、入行以来約10年間、銀行業務一筋でした。
「ラシクルモール」を通してたくさんのいいものに触れて、私生活でもこれまで以上に体にやさしい食べものや心地よい暮らしに興味津々。でも現実はというと、朝は一分一秒を争いながらバタバタで出かける日々……汗。10分でも早く起きるところから始めなければと思う今日この頃です(笑)。
コラムを書くのは初めてで、嬉しさ半分、不安半分ですが、とにかく私自身が楽しんで、モールと徳島の魅力をお伝えしたいと思っています。


前置きが長くなりましたが、今日は木工歴約50年の匠、「山口木工」が手掛ける遊山箱を紹介します。

本日5月5日はこどもの日。鯉のぼりが泳いでいるお家もちらほら見かけます。私は姉妹で育ったので、5月5日は静かに過ぎていくものの、小さい頃は3月3日の桃の節句は大賑わい。実家の客間にはひな人形が飾られて、節句のお祝いに家族と庭で巻き寿司を食べていました。



徳島には古くからある慣習で、「遊山(ゆさん)」というものがあります。ものすごく簡単に説明すると、文字通り、「山野に遊びに出ること」。旧暦のひなまつりの時期に子どもたちだけで遊山する文化があり、そのときにだけ持たせてもらえる特別なお弁当箱が「遊山箱」でした。たくさんご馳走を詰めて丸1日、子どもたちだけで遊びに出かけていたそうです。

……と書きながら、私もその風習や遊山箱そのものをちゃんと見知ったのは、今回ご紹介する「山口木工」の遊山箱との出会いからでした。残念ながら、今の時代ではこの風習も、遊山箱も目にする機会が減ってきています……。遊山箱の歴史や魅力については、「ラシクル」で4回シリーズの連載記事として特集しています。ぜひそちらもご覧ください。


とはいえ、遊山箱も一般的な重箱のようなもの。同じような使い方ができます。もともと子どもの持ち物だったため、遊山箱のサイズは幅10cm、奥行き12cm、高さ3cm程度と小ぶりではあるものの、3段あるため意外と入ります。一段ずつ開けていくときのワクワク感といったら! 大人も子どもも「わあ〜〜!」と、思わず声をあげるほど。

普段のご飯を入れてみても、一気にごちそう感が! この遊山箱に子どものご飯を詰めて食卓に出すと、お子様ランチのような食いつきっぷりで喜んで完食してくれるなんて声も実際に聞きました。


「ラシクルモール」では、この美しい遊山箱を引き継いでいきたい想いで、2種類の遊山箱をご紹介しています。
一つは、従来からある、オーソドックスな遊山箱。ヒノキでできていて、きれいな塗りが施されています。「山口木工」が木の切断から組み立て、塗り、そして桜の絵付けまで行った超一流品。美しい手仕事の極みです。


このツヤツヤな塗りを見てください。惚れ惚れします。山口さんが「ピカ」と呼んでいたこの鮮やかな遊山箱は、手間を惜しまず、時間をかけて何度も何度も塗りを重ねている証。あまりにピカピカで箱に自分の顔が写ってしまうくらいです(笑)。それほど塗りにこだわるのは、見た目はもちろんのこと、ちゃんと水をはじいて、お手入れをしやすくするため。料理を入れて使ったあとに洗ってみても、水をしっかりはじき、すぐに乾きます。実用的!


そして! もうひとつは“ここでしか買えない”オリジナルの遊山箱です。「山口木工」の手仕事に惚れ込んだ私たちスタッフが山口さんに懇願して生まれたのが、この“日々の遊山箱”。名前のとおり、しまうことなく、日常生活のなかで馴染み、気負うことなく使えるものを、と一緒に考えて作っていただきました。




より実用性を重視して素材は軽い桐に。木目そのものを生かしたシンプルなデザインに仕上げました。サイズは従来の遊山箱よりはひとまわり大きくしています。食卓で、またテイクアウト用や運動会などの重箱としてはもちろん、小物入れなどとして部屋に置いていても違和感なし。いや、馴染むどころか、素敵なオーラが漏れ出ちゃっているので、その辺りだけ流れる空気が違うような(笑)。


2つの遊山箱の魅力&活用術は、「ラシクル」連載の最終回をご覧ください。

どちらもご注文のタイミングによっては在庫がなく、受注生産となる場合もあります。木工の匠がひとつひとつ丁寧に作ってくれますので、手に届くまでの時間もワクワクしながらお待ちいただければと思います。

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最後にもう一つ、私の愛用品を紹介させてください。欅(けやき)で出来たお弁当箱です。


こちらも木目をいかした、超シンプルなお弁当箱。角が少し丸みを帯びていてとってもかわいい。手触りもサラサラで気持ちがいい。ややこぶりに見えますが、高さはしっかりあって、思っている以上に入ります。詰め方は試行錯誤の結果、下にご飯を敷き詰めて上におかずをのっけるスタイルが個人的にヒット。ただおかずをのっけるだけなのに、なんだかサマになる!


お恥ずかしながら、私のある日のお弁当。本当に焼いただけ、茹でただけのおかずで恐縮です……。朝の慌ただしい台所で詰めたとは思えないほど、お弁当箱そのものの力で、ランチタイムがウキウキです。

今日ご紹介したアイテムはすべて一生モノ。いつもの暮らしにさりげなくいいものを取り入れてみませんか。

「山口木工」
■ひのき遊山箱(桜柄)
■日々の遊山箱
■木製弁当箱

写真協力:佐藤晶子

 

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