香川編vol.3 暮らしをそっと明るく豊かに、灯りを集めたお店「touca(トウカ)」~「暮らしの設計室」福岡美穂さん
地元おしゃれさんが自分の住む街の、とっておきのお店を案内してくれる連載「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」企画。12月は香川編です。 ナビゲーターは、愛媛にある建築設計事務所に勤務する福岡美穂さん。仕事柄、“空間”の捉え方にこだわりあり! 前回の愛媛編につづき、この香川編でも、訪れるだけでも心地いい・気分の上がる素敵なお店をご紹介してくれます。
****************
photo&text:福岡美穂
こんにちは。愛媛で暮らしから住宅を設計する「暮らしの設計室」の福岡美穂です。
最近は、家でも外でも光が溢れていますね。だからこそ暗い中に、ぽっと点る灯りを見ると心が安らぎます。自邸の食卓に用いたペンダントライトは、陰影のある明かりが心地よくて取り入れました。ソファに腰かけ読書をしたり、食卓を家族で囲んだり、とあらゆる場面と共に灯りがあります。家にとって、灯りは暮らしぶりを決める大切な要素です。
そんな灯りのお店が、高松にあります。
その名も「touca(トウカ)」。灯りを意味する灯火(とうか)から名付けたそうです。毎日の暮らしが少し豊かになる、心がどこか温かくなる、そんな灯りや雑貨を集めたお店です。
こちらの店主の矢部さんは、元々インテリアコーディネーターとしてハウスメーカーや家具屋さんで働いていたとか。灯りを選ぶという感覚は、家を建てるまでじつは少ないかもしれません。でも、暮らしでは重要なもの。もっと気軽に、もっと身近に灯りを感じてほしいと思い、お店を始めたと伺いました。
店内には、和紙のライトやアンティークのペンダントライトなど様々な灯りが並んでいます。中でも気になったのが、村松さちえ氏の「あかりの花屋」。1枚1枚手染めした和紙を花弁のようにちぎり、形を作っています。取材時、外は木枯らしが吹く寒さの厳しい日でしたが、そこだけは春の陽気さを感じる温もりに包まれていました。
灯り繋がりで素敵なキャンドルもありました。こちらは、「ろうそく屋ホホ」さんに直々に依頼したオリジナル。キャンドルというと火を点けるのがもったいなく感じるアート性の高いものも多いのですが、これらは点けた時に一番美しく輝きます。あるものは、葉の隙間からのぞく木漏れ日を、あるものは月夜の情景を表しています。ろうそくのゆらめきとともに、いつまでも眺めていたくなる癒しの光でした。
店の奥に歩を進めると、本がずらり。セレクトはブックディレクターの第一人者、幅充孝さんにアドバイスいただいたのだとか。「灯りのこと」「日々のくらしのこと」「食べること」「旅に出ること」「美しいということ」をテーマに厳選された本が並んでいます。気になる本は手に取って読んでみてください。
雑貨は暮らしの中にあったらいいなと思うものを中心にセレクト。矢部さんが自分の目で選んだアンティークの品々もあります。どれも、センスの良いものばかりであちらこちらと目移り!
灯りのトータルコーディネートも可能です。賃貸でも楽しめるペンダントライトやキャンドルの使い方など、灯り全般の相談にのってくれるそう。これを機に今一度、灯りについて改めて考えてみませんか?
←連載「地元おしゃれさんが 案内する 小さな旅」はこちらから
【神戸編】 【大阪編】 【京都編】 【名古屋編】 【弘前編】 【福岡編】 【愛媛編】 【那須編】 【熊本編】
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。