第27回 ガツンと甘いスイーツ、フルーツがたっぷり!厚切りのトーストに、ふかふかのクロワッサンも!!ポルトガルの朝ごはん事情

栗山さんのベルギーおいしいもの通信
2022.05.18

こんにちは、料理家の栗山真由美です。
少し前になりますが、約2年ぶりに飛行機に乗りました。行き先は、私が第二の故郷と思っているポルトガル。ベルギーからは飛行機で2時間半ほどです。

ベルギーに越してきて、いちばん楽しみにしていたのは欧州各国への旅。ポルトガルはもちろん、欧州はどこもぐっと近くなった…ハズでした。
が、予想もしていなかった新型コロナウイルスの出現。昨年の夏以降は徐々に緩和し、欧州圏内であれば可能になりましたが、私のタイミングが巡ってきたのは今年になってからでした。ポルトガルへは実に4年近くぶりの渡航でした。

ポルトガルのあれこれ、既にSNSやWEBマガジンで投稿しています。ご興味ある方はぜひご覧ください。
コチラでは、ポルトガルの朝ごはんをテーマにお届けしたいと思います。


ホテルの朝食はビュッフェ式で、内容は宿・地域による違いもありますが、ポルトガル全土で共通しているのは、朝から甘いもののバリエーションが豊富なこと。ポルトガルらしさをセールスポイントとしている宿は、特にそれが顕著です。
今でこそ、健康志向も高まっていますが、元来ポルトガル人は甘いものが大好き。多くは卵を使った、ガツンと甘い系のお菓子です。それらを朝ごはんがわりにする人、朝ごはんもスイーツもガッツリといただく人、趣向はそれぞれですが、たいがいたっぷりしたスイーツコーナーがあります。


小ぶりとはいえ、Pastel de Nata(エッグタルト)にBolo Real(アーモンドとかぼちゃのケーキ)、両方いただきました。

ポルトガルはフルーツもおいしく、そのまま、ジュースにして、ジャムやコンフィチュールも豊富で、ビュッフェの中で楽しめます。とりわけ特徴的な存在として、マルメラーダがあります。これはマルメロ(かりん)のジャムと一般的に分類されていますが、他のジャムとは一線を画したもので、形状もいろいろ。
スーパーで売っている最も一般的なものは、ゼリーのような食感。カットして、チーズと合わせてもおいしい。大昔、伝統的な宿で目にしたのは、羊羹のようなかための塊で、カットしてそのまま食べると聞きました。この宿ではパンにつける用にカットされていました。もっとゆるい形状のものもあり、全てマルメラーダと呼ばれています。


ブッフェの構成は、基本的に他の国とも同じです。お高めの宿では、シャンパンやデトックスウォーターもあります。ジュースは生ジュースがほとんどで、ポルトガルのくだもののおいしさを直に感じられるのでおすすめです。

さらにポルトガルらしさをピックアップするならば、生ハムやパプリカを練り込んだ赤っぽいサラミ、チーズの種類が多いことになります。これらはポルトガルの食文化と深くつながるものが多いので、ポルトガルに行かれる機会があったら、ぜひ体験していただきたいです。

パンのコーナーにも地域性が表れます。この写真の左側にあるバスケットの中の細長いパンは、アレンテージョのご当地パン、Bolos Fintos。

Boloの意味はケーキですが、パンの一種に使うこともあり、曖昧な言語と言われるポルトガル語らしさが残ります。これは完全にパンですが、“Bolo”がつくだけあって、甘味のある、みっしりした生地のパンでした。ポルトガルのパンは種類も豊富でおいしい。食を通して土地を知るって楽しいですよね。


普段朝から生ハムなんて食べないけれど、ポルトガルの生ハムは本当においしいのでつい。

奥に見える黄色いパンは、大好きなコーン粉を使ったパンBroa。チーズ3種との相性もよく、おいしかった。なぜか、中華っぽい野菜炒めも。

カフェなどで朝食を食べる時、おすすめしたいのが、Torrada com manteiga(バターつきトースト)。トーストなんてどこでも同じと思われるでしょうが、ポルトガルのトーストは厚切りで、ポルトガル産のおいしいバターがたっぷり。シンプルながらクセになる味わいなのです。

スーパーで朝ごはんを買ってくるのも楽しい。すごく一般的なものなので、ご紹介します。

写真右からCarcaçaというパン、紙カップに入っているのがBolo de Arrozという米粉のケーキ、いちばん左がクロワッサンです。
私たちがイメージするパリパリのクロワッサンも存在しますが、スーパーで売っている、黄色くてふかふかのクロワッサンのほうが市民権を得ています。私も普段は断然パリパリ派なのですが、ポルトガルに来ると懐かしさが手伝って、この黄色のクロワッサンが食べたくなります。

*写真の無断転載はご遠慮ください*

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Profile

栗山真由美

MAYUMI KURIYAMA

料理家、栄養士。枝元なほみさんのアシスタントを経て独立。ポルトガル料理を中心とした料理教室「Amigos Deliciosos」を12年前から東京で主宰、日本ポルトガル協会の公認講師も7年間務める。2019年より、イギリス人のご主人とベルギー・アントワープに在住。著書に『ポルトガル流 驚きの素材組み合わせ術! 魔法のごはん』(エイ出版)、『「酒粕」で病気知らずになる ゆる粕レシピ』(池田書店)など。
https://ameblo.jp/castanha/ 
Instagram: mamicastanha

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