【料理教室の季節の人気メニューから/11月】こっくりと濃厚なおいしさの「スペアリブとじゃがいもの韓国風煮込み」と、おすすめの韓国の調理道具

料理教室「さときっちん」の台所便り
2022.11.23

みなさまこんにちは、料理家の柚木さとみです。
11月に入り、いよいよ秋本番ですね。湿度も下がり、とても気持ちのよい季節がやってきました。

今月は皆既月食もありましたが、ご覧になりましたか?私はアトリエ近くで見上げていました。雲もなくとてもきれいな夜空に、ゆっくりと滲むように欠けてゆく大きな月が、とても神秘的で幻想的でした。

通りに出ると、他にも足を止めて月を見上げている方があちらこちらにいらして、同じ時に、たくさんの人が同じように月を見上げていることに不思議な一体感を感じ、なんだか温かい気持ちにもなりました。

さて、今月は「スペアリブとじゃがいもの韓国風煮込み」をご紹介します。骨付き肉は食べにくそう…と思われるかもしれませんが、スペアリブに塩麹をすり込んで漬けておくことで、とてもやわらかくなりますし、じっくりと煮込めば、簡単に骨からするりとお肉がはずれます。ぜひお試しください。

スペアリブとじゃがいもの韓国風煮込み

塩麹に漬け込んだスペアリブを、コチュジャンをベースに、みそやにんにく、しょうがなどを入れてじゃがいもと一緒に煮込みます。じゃがいものスープ“カムジャタン”をさときっちん流にアレンジしたものですが、黒糖と紹興酒を入れているのが私らしいポイントです。最後に散らすえごまの葉が、とてもよいアクセントに。

【材料(4人分)】
豚スペアリブ…8本(800g前後)
塩麹…大さじ2と1/2
じゃがいも(中)…4個
長ねぎ…1本
・味噌…大さじ3
 ・コチュジャン、黒砂糖…各大さじ2
 ・おろししょうが…大さじ1
 ・おろしにんにく…小さじ2
 ・粉唐辛子…小さじ1〜2
 ・紹興酒…1/2カップ
 ・水…4カップ
ごま油…大さじ1
えごまの葉…4〜5枚
白すりごま…大さじ2
粉唐辛子…適量


【下準備】
スペアリブは水けをペーパーでふきとり、塩麹をすり込んでビニール袋に入れ、冷蔵室でひと晩漬け込む。

【作り方】
鍋にスペアリブ(塩麹がついたままでOK)とかぶるくらいの水を入れ、中火にかける。沸騰したらスペアリブを取り出し、流水ですすいで水けをふきとる。
❷ じゃがいもは皮をむき、丸のままさっと水にさらしてざるに上げる。長ねぎは4〜5cm長さのぶつ切りにする。えごまは刻む、またはちぎる。
❸ フライパンにごま油を熱し、のスペアリブを強火で焼く。表面に焼き色がついたら鍋に移し、じゃがいもとAを入れて火にかける。沸騰したらアクを除き、落としぶたをして弱火で40〜50分煮る。※じゃがいもは、串がすっと通るようになったらいったん取り出しておく。
❹ スペアリブがやわらかくなったら長ねぎを入れ、じゃがいもを戻し入れる。2〜3分煮込んだら火を止め、えごまの葉、すりごまを散らす。お好みで粉唐辛子をふりかける。

【メモ】
・スペアリブの漬け込みは冷蔵室で1〜3日。一度下ゆですることで、臭みやアクなどを除きます。ゆでる時は水からじっくり加熱することで、やわらかく仕上がります。あとでじっくり煮込むので、ここでは長くゆでなくてかまいません。
・韓国産の粉唐辛子は辛みが少なく、甘みがあります。日本の一味唐辛子は辛みが強いので、お好みに合わせて使い分けたり、量の調整をします。


今月は日頃愛用している、韓国の調理道具を3つご紹介します。なんてことない道具たちなのですが、どれも使い勝手がよくて重宝しています。


銀色のお箸。食事用として使用することもありますが、取り分け用のお箸として食卓に出すことも。素材感もあってか、取り分け箸がいつの間にか自分のお箸に…なんてことも防ぎます。においがつきにくいこともあり、刺身用の魚を和えものにする時などは、調理用の箸としても使っています。


焼き肉用のトング。野菜やお肉、ウインナーなど、とてもつかみやすいので調理や盛りつけの際に使うほか、スマートな見た目がよいので、食卓で取り分け用トングとしても使用しています。サイズはミニサイズもあります。こちらは新大久保で購入しました。自立するタイプなど、いろいろあるようです。


韓国生まれのスプーン、スッカラ。こちらは真鍮のもので、数年前に「東京蚤の市」で購入しました。スープや炒飯、カレーなどを食べる時に使うほか、ショートパスタや豆のマリネなど、こちらも取り分け用のスプーンとしても活躍しています。

以前は夫婦ふたりや親しい友人たちとの食事であれば、直箸で料理のシェアをすることもありましたが、コロナ以降は取り分け用のスプーンやお箸を使うことが日常になりました。もともと取り分け専用のカトラリーもいくつか持っていますが、今日ご紹介したものはどれも、これは調理用、これは取り分け用、と決めずに自由に使い回しています。

11月も半ばとなり、これから寒さの増す季節になりますが、体調には気をつけてお過ごしくださいね。私も油断せずに、しっかりと栄養をとり健康に過ごしたいと思います。

 

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Profile

柚木さとみ

SATOMI YUGI

料理家・フードコーディネーター ・カフェプランナー。1973年東京生まれ。5人姉妹の5女。ご主人とサビ猫姉妹(くう、ねる)との2人+2匹暮らし。大学卒業後、吉祥寺のカフェで店長を務めたのち独立。カフェのプランニングやプロデュース、メニュー開発、料理教室講師、ドラマの料理制作など、食と食空間に関わる仕事に携わる。2012年から、築65年の古い一軒家をリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰。旬の食材を生かした暮らしになじむレシピが人気。著書に『からだがよころぶ!菌活レシピ』(幻冬舎ルネッサンス)、『美人をつくる発酵食レシピ』(じゃこめてい出版)など。
https://yugisatomi.com
Instagram:yugisatomi

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