【60代の大人暮らし 小暮涼子さん】楽しみながらの節約のはなし

発売中の『ナチュリラ』2022春夏号掲載の「母娘で受け継ぐ“古いもの”を慈しむ心」にて、SDGsなおしゃれと暮らしをご紹介している小暮涼子さん。その飾らない等身大の様子にはたちまちの反響があり、先月よりコラム連載をスタート。

最近のSNSは素敵な投稿が溢れていて楽しい反面、「あまりにキラキラしすぎていて、そうでない自分に苦しくなる」という声を聞くことも。「無理しない、背伸びしない、でも心地いい」そんな小暮さんの暮らしぶりを月一連載でお届けしています。

子ども達が独立したら家は全面リノベをするものと漠然と思っていました。DIYもそれまでの中継ぎ程度に考えていたのが、ある日「このままでいいね！」と夫と意見が一致。思い掛けず大きな出費を抑えることができました。今回は主に節約のお話です。

壁は楽しみながらDIYを

1階の壁は漆喰やペンキ、壁紙で全てDIYしました。骨董市で買った小瓶(500円)がモリスの壁紙を背にするといい雰囲気。これから、のんびりと2階のDIYも進めるつもりです。

水まわりはプロにお任せ

築27年、どうしても取れないシャワーホースのカビが気になり新しいシャワーヘッドとホースに交換。水道栓やカランの緩みも新しい金具で直してもらいました。上がビフォー、下がアフターです。ここに関しては、機能よりデザイン重視(笑)。お風呂が新しくなった気分で、とっても気に入っています。わが家のメンテナンスは、建設会社から独立して個人で工務店的なお仕事をしているご近所さんにお願いしています。この時の料金は、リビングの窓や雨戸の戸車交換も含め3万円代でした。

とりあえず自分で直してみる

かれこれ30年使用しているチェストは背板が外れてしまったので、L字金具で留めてみました。前から見ると素人仕事でも遜色なし。高価な家具ではありませんが、デザインが気に入っています。普段使っているのは2段目と3段目で、他はシーズンオフの服なので、問題なく使えます。これなら、私達が年老いて使わなくなっても子ども達は心置きなく処分できるし、もし使い続けるなら修理すればいいと思っています。

欲しいものは知恵と工夫で

キュウリを切らずに1本で漬けたくて、ぬか床はアンティークの壺から琺瑯容器に戻しました。木の蓋のほうが通気も良いかな？　と落とし蓋を蓋がわりにしていましたが、見た目が今ひとつで…ある日、閃いて裏表を逆にしてみることに。そのまま使うのではなく、ここでもちょこっとDIYを。容器の内径に合わせて落とし蓋の取手の両脇を切り落とし、取手を下にして裏側にコルクのつまみをつけました。コルクは小さな針に刺して接着剤で補強。イメージ通りの可愛いフォルムに大満足です。

古さを逆手にとって大胆にペイント

部屋に飾るのは庭の花や散歩で摘んだ野の花など。こちらの壁もDIYでペイントしました。色で冒険できるのも古い家ならではだと思います。

お金をかけずに楽しむレジャー

先日は友達と20年ぶりに川越骨董市に行きました。毎月28日に開催で、この日は平日とあってのんびりムード。

最初3枚で900円だったのを、2枚で500円に値段交渉。途中のやり取りも面白くて大笑い！　友達と1枚250円ずつで買った器です。川越名物さつま芋の芋羊羹130円也をのせて「あー、楽しかった」。

洋服はいいものを長く着る

お店に入るなり一目惚れした「homespun（ホームスパン）」のカーディガン。私にとっては「ちょっとお高い」の範疇に入りますが、長く着て元をとる方針なので大丈夫。おしゃれには財布の紐がやや緩みます(笑)

ご褒美旅は貯金とアイデアでカバー

来年…は無理でも、元気なうちにパリに行きたいです。その為にパートでこつこつ貯金もしてきましたからね。夫婦の旅では子供の勤務先の福利厚生も利用させてもらっています。

【おまけ】最近のわたし

基本はストレートのショートヘアですが、3年に1度くらいパーマをかけたくなります。先月がそのタイミングで、久しぶりのふわふわスタイルに。グレイヘアも試しましたが白髪の量の加減か地味な感じになってしまったので、今はメッシュを入れています。20年来のお付き合いの美容師さんは、私の希望を汲みつつ今の空気も取り入れてくれる頼もしい存在です。

92歳の母に言わせると、60代はいい時だそうです。老後のお金も気になるけれど、動けるうちにいろいろ楽しみたいと思います。これから慌ただしい年末ですが、少しホッとする時間も持ってくださいね。それではまた、1月に。

写真と文／小暮涼子

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