絵付けのない九谷焼の盃
〜「好日用品店/こうじつようひんてん」より vol.16〜
この盃に出合うまでは容量がたくさん入るぐい呑を使っていましたが徳利から盃についで「くいっ」といただき、そしてまたお酒をつぐを繰り返す。その時間が心地よく、家族や友人で集まる時はお互いにつぎ合うコミュニケーションも楽しみのひとつです。
こちらの薄くて小さな盃を制作しているのは宮腰徳二さん。宮腰さんの九谷焼は青みがかった青磁、白い白磁、奥ゆきのある黒釉で作られています。九谷の磁土で【型打ち形成】という九谷の伝統技法で制作されている数少ない職人のひとり。絵付けのない九谷焼とお伝えすると驚かれる方も多いですが、シンプルで美しく和でも洋でも使えるので生活にすぐなじみ幅広い年代の方に人気があります。
18歳で焼き物の道に進まれた宮腰さん、妙泉陶房の山本篤さんに就き薄手生地の型打ち形成を学ばれました。この道30年以上の熟練した職人であり、今でも絵付けの職人へ素地を提供し続け、ご自身の作品も作られています。妥協せずに作りつづける職人の姿勢にこちらまで気が引き締まります。きりっとした美しさと佇まいは、手を使って物づくりを生業としている宮腰さんの誠実さそのものです。宮腰さんも毎日の晩酌がかかせないようで、お酒が好きな職人が作る盃はお酒がより一層美味しく感じます。
宮腰徳二|ぐい呑 青磁
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石川県金沢市本多町1丁目5番5号 本多町コーポ105号
Tel : 076-255-6998
営業時間 : 11:00~18:00
定休日:火曜、水曜
https://kojitsu-yohinten.com
Instagram : @kojitsu_yohinten
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