60代でヘアメイクを切り替え! 厚化粧&白浮きは禁物ですよ(後編)【小さなヘアメイク相談室】
こんにちは、藤岡ちせです。40代まで東京やN.Y.でヘアメイクアーティストとして活動していましたが、50代で地元の高知にアトリエを開き、マンツーマンのヘアメイクレッスンを行っています。この連載では、お肌の曲がり角を何度も曲がってきた方々にはきっと、お役に立つであろうお話をしていけたらと思っています!
さて今回は、60代でヘアメイクを切り替える方法をご紹介しています。【前編】では「01 ベースメイク」「02 ポイントメイク」についてご説明しましたが、今日は仕上げの「03 ヘアスタイル」についてお伝えしますね。
03
ヘアスタイル
メイクが仕上がったら終わりではありません。おしゃれに見えるには、へアスタイル込みで全体のバランスがとれていることが大事なんです。
ちなみに奥様のヘアで一番ダメなところは、パサパサバサバサの質感(失礼ですみません)。パサパサは老ける! ズボラがバレる! 決しておしゃれには見えない! 顔と同じく髪にも艶が必要なのです。艶があるだけで、不思議と素敵に見えます。では、具体的にどうすればいいかというと……
●ヘアオイルで艶を出す
髪の艶を出すために手っ取り早いのがヘアオイル。うねうねしている癖毛の人や片方だけはねちゃう人でも、ヘアオイルで束感やウェット感を出すと、あら不思議! 急におしゃれになるのです。ふぁ~と広がってしまう髪もほどよく抑えられるので、毛量が多い人にもおすすめです。
●ヘアオイルでボリュームを抑える
奥様はかなりクセが強かったので、それを生かしてパーマネント風に。全体を霧吹きで少し濡らしてウェーブを出しながらヘアオイルをつけました。毛先のほうにはしっかりめに、地肌の近くは手に残った分を薄くつける程度に。そのまま自然乾燥するとボリュームが抑えられます。寒い時期はドライヤーの弱風を上からあて、なるべく髪が揺れないように乾かします。空気が入ると膨れてボリュームが出るので注意です。
●ヘアスタイルのバランスを整える
この奥様は丸顔&ボブでメリハリに欠けていたので、ヘアオイルをつけたあと、サイドの膨らみを無造作に耳にかけてボリュームを抑えました。さらに毛先を外ハネにして、前髪は額が透けるくらいの量を残し軽く横に流すと、縦長ラインが出現。これで頭がぐっと小さく見えます。
最初はいつもと違うヘアスタイルに落ち着かない様子の奥様でしたが、全身を姿見で見てもらったところ、「わ~! スタイルがよく見える! なんだかおしゃれな人になったみたい!」と目を丸くしながら嬉しそう。「今日教わったことが完璧にできるかわからないけれど、毎日楽しみながら練習してみます。帰りに、今の私に合う服を買いに行こうかな」とニコニコしながら帰っていきました。
●「お肌の観察日記」の効果
ちなみに記事冒頭で書いた、奥様の体型や肌が3か月ほどで健康的に生まれ変わった理由、その答えはズバリ、“美肌根性日記”(奥様による命名。詳しくは前回記事で書いた「お肌の観察日記」をご覧ください)のおかげなのだそう。
毎日、日記を書いていたら、肌の調子うんぬんの前に、自分の生活習慣がだいぶ乱れていることに気づいたのだとか。そこで、まずは健康的な生活をしよう! と思い立ち、早寝早起きして朝ウォーキング、夜は簡単宅トレ、食事は食物繊維を意識して腸活、間食のスナック菓子を果物や和菓子に変更。そうしたら、だんだんと体が軽く(体重は2キロ減!)、そして楽になったと言います。肌の調子も自然と上向きに。
●食生活の見直し
実は最近私も、大好きで毎日かなりの量を飲んでいたコーヒーと牛乳とお酒を、週に1、2日に減らしました。そうするとあれほど苦しんでいた湿度や低気圧による不調がうそのように消え、睡眠の質も爆上がり。慢性疲労の症状がなくなって、元気ハツラツになっちゃいました。もちろん、肌もすこぶる快調。これだけのことで予想以上の変化! あらためて体は食べ物からできているという、ごく当たり前のことをひしひしと実感しました。
「もちろんスキンケアも頑張りました。レッスンで教わったことを実践したら、小さいぶつぶつや角栓のザラザラがだいぶなくなって、顔が明るく見えるように。肌も体もなんだか若返った気がします。へへへ」と、前回のレッスン時よりずっと明るい表情で話してくれました。
いやはや、長年ノーメイク&ノーケアだったガサガサお肌&ボサボサヘアからの大変身はお見事でした! 「やればできる」を証明してくれた奥様、これからも自分の体や肌に合った方法を模索しながら、ますますキレイになってほしいです。
めでたしめでたし。
illustration:大賀美穂
photo:藤岡ちせ
撮影協力:戸梶建設
Profile
藤岡ちせ
ヘア&メイクアップアーティスト。テレビ、CM、広告、雑誌、ミュージックビデオを中心に活躍し、1998年から3年間、ニューヨークでも活動。美への探求心からハワイのボディトリートメントロミロミとフェイシャルを学び、自宅サロンを開くなど活動の分野を広げる。東京、鎌倉と移り住み、2019年に故郷の高知へ。住宅街の一角に、ヘアメイク、写真、オーガニックコスメなどを楽しめるアトリエ「APARTMENT102.」をオープン。
https://www.apartment102.net/
Instagram:@apartment_102_
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