山口編vol.4 山麓地にある光差し込む凛とした空間「ギャラリー 日ト」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2025.12.27

山口県の中央に位置する県庁所在地である山口市は、日本三名塔の一つの国宝「瑠璃光寺五重塔」や美肌の湯と知られる「湯田温泉」などが有名です。また、ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2024年に行くべき52カ所」にも選ばれ、世界からも注目されている場所となっています。
今回案内していただくのはご家族で東京からUターンされた杉田宗一さん。ご両親が営んでいたユースホステルを「紅花舎(こうかしゃ)」として薪サウナ・ショップ・カフェなど旅行者だけでなく地元の方も楽しめる空間へリニューアルしました。自然豊かで歴史ある山口市を是非訪れてみてくださいね。
 




ギャラリー 日ト(ヒト)」は山口市の中心部から車で20分ほど、田園風景の広がる仁保(にほ)という山麓地にあります。



営まれるのはインテリアやプロダクトのデザイナー、藤本敦央さんと奥様で革作家の香奈さん。
2018年に東京から敦央さんの地元、山口に移りご家族と郊外で古民家での暮らしを始められました。生活を営む母屋の隣、以前納屋が建っていた場所に自らデザインされたギャラリーをスタートさせたのは2021年1月。大きな窓からルーバー越しに柔らかく差し込む光は端正に並べられた作品を美しく照らします。程よい緊張感と凛とした空気感が心地の良い空間です。



陶磁器やガラス、木工、革、金属などの作品から工業製品まで、上質な暮らしにつながるもの、質素で美しい佇まいを持ち、使い良いもの、生涯大切にしたくなる日常の道具を販売しています。香奈さんによる革ブランド【mumground】のすべて手縫いで作られたプロダクトもそのひとつ。
藤本さんご自身が惚れ込み、ご自分の生活の中に取り入れてこられたものを、ひとつひとつ慈しむように紹介してくださいます。ものづくりに真摯に取り組む全国の作家たちと、同じくものづくりで生きる人として真剣に向かい合う姿を、訥々と語る様子から感じることができます。中には藤本さんからの提案で特別に作られた限定品も。



この空間でこだわりのコーヒーやハーブティー、焼き菓子などもいただけるのも嬉しいところ。
夏には日中の暑さを避け「夜の日ト」が開かれ幻想的な時間が流れます。



そんな藤本さん、東京時代には大手の建築会社で大規模商業施設などをバリバリに手掛けられてきました。デザイナーとして若い頃から順調なキャリアを経ていらしたかと思いきや、かつては欧州をバックパッカーで放浪したりと、なかなかスリリングな人生を歩まれていて勝手に親近感を覚えました。
日トという名前には「日と」「陽と」「人」という三つの意味が込められています。ご家族との日々のなにげない暮らしを大切に、自然農にも取り組まれ厳しくも優しい自然の恵みを得て、人との縁を大切に生きる様子が表れています。この土地で暮らすことで七十二候という日本古来の暦がしっくり腑に落ちるようになったと語られていました。

4回に渡り、山口市のおすすめスポットを紹介させていただきました。今回おすすめしきれなかった素敵な場や人が、山口市にも山口県内にもまだまだたくさんあります。山口への旅をご計画されるのはいかがですか?
是非お泊まりには我が紅花舎も(笑)。これまでお読みいただきありがとうございました。

 

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ギャラリー 日ト(ヒト)

山口県山口市仁保上郷536-1
営業日:不定休(Instagramを確認)
https://hitogallery.theshop.jp/
Instagram:@hito_gallery

 
 MAP:E

日本、〒753-0001 山口県山口市宮野上801

日本、〒753-0083 山口県山口市後河原188

日本、〒753-0091 山口県山口市天花2丁目4−22

日本、〒754-1101 山口県山口市秋穂東7737

日本、〒753-0301 山口県山口市仁保上郷536−1

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