塩のはなし ~『たべるとくらしの料理帖』より Vol.1【レシピ】

『たべるとくらしの料理帖』
2026.03.23

発売中の『たべるとくらしの料理帖』より
一部抜粋してお届けします


この本は、「たべるとくらしの研究所」という名前の、ちいさな研究所を営む二人が書いています。この本に収めた文章は、月に一度、半年間お届けしていた定期便に添えていた 「お手紙(便り)」の中から抜粋、加筆したものです。定期便では、定番の瓶詰めを中心に、その季節に採れた作物を使った焼き菓子やジャム、調味料などをお届けしてきました。発送の直前、そのときに感じたことを、できたてのまま言葉にして綴り、瓶と一緒に箱に詰めて送る。このやりとりを、私たちは「瓶と便(たより)」と呼んでいます。この試みは、2019年からおよそ6年間、形を変えながら続いてきました。本書は、その積み重ねの中から、いくつかを選び、あらためてまとめたものです。そんな二人で、この本を書いています。


 

「塩のはなし」

塩は、自然物が「食材」に、
食材が「料理」になる、
その境目としての存在


自然と季節の恵みをいただいているという感覚を大切にしています。

食材はいつでも手に入るものではなく、一年に一度、ほんの一週間、あるいは一か月だけという限られた時間の中で巡ってきます。

自然のサイクルの中で出会う、その一瞬です。なるべく手はかけず、まずは塩でいただく。とっておきたいと思ったときには、塩で保存する。塩は、自然物を「人の時間」に引き込むスイッチであり、「人が関与した」という印でもあります。役割が多く、忘れることもありますが、私は塩を絶対的な存在として頼り、手がかりにしています。

塩を真ん中に、食材と私の関係がいつも良好であるように。日々の暮らしを、楽しく、美味しく、いただきたいと思います。

味の決め手だけじゃない塩の魅力、シンプルゆえに奥深く、そして楽しい。「食べる」とは、塩との冒険なのかもしれません。

 


 

野菜を塩であえる

野菜の重さの1%の塩。塩をふって、ふんわりあえる。冷蔵保存で3日を目安に変化を観察しつつ使いきります。漬けもののように、もんだり、重石はしないでください。野菜によって、時期によって出る水分が違い、塩によって感じる塩分が違います。料理によって、使う塩によって、1%塩分は濃くも薄くも感じます。その発見がコツとなり、家の味へと育っていきます。

 

味を感じるはじまりの塩1%
1% 塩キャベツ

【材料(2~3人分)】
キャベツ 各300g
塩 3g

【作り方】
1.キャベツを千切りにする。
2.保存容器にキャベツを入れる。
3.塩をふってふんわりあえる。
  ※保存容器に野菜と塩を入れ、シャカシャカふってもよい
4.冷蔵庫に入れて保存し、3日間程度で食べきる。

 

たべるとくらしの料理帖』より
文、レシピ、撮影:安齋明子、安齋伸也

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たべるとくらしの料理帖

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「たべるとくらしの研究所」

安齋伸也さんが理事長、明子さんが副理事長を務め、北海道蘭越町を拠点に、自らの生活や仕事を実験台として「たべるとくらす」にまつわるあれこれを研究している、たったふたりの研究所。

月に一度、北海道札幌市の「鹿ビル」内のレストラン「 鹿キッチン」でふりまわれる、採れたて野菜を使った「たべ研」の料理にはファンも多い。瓶詰めなどをお便りとともに届ける「定期便」やオンラインでの食品販売も。

Instagram @taberutokurashi

Profile

 

安齋明子

「たべるとくらしの研究所」副理事長。
理事長が作った野菜をオイル漬けや塩漬けなどの保存食にしたり、季節の果物を使ったジャムづくりなど、旬を保存する「調理・加工・レシピ開発」担当。

 

安齋伸也

「たべるとくらしの研究所」理事長。
種まきから収穫まで、農薬や肥料を与えない自然栽培と呼ばれる方法で育て、収穫する「果樹・畑」担当。イベント企画や大工仕事など守備範囲は広い。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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