〜梅雨に向けて巡りを促す献立〜 茂田正和さんの食べる美容 料理教室レポートvol.13【前編】
健やかで美しい肌を保つライフスタイルをデザインする、化粧品『OSAJI』のブランドディレクター 茂田正和さんは、プロの料理人も思わず唸るほどの料理の腕前の持ち主。著書『食べる美容』(主婦と生活社)では、季節ごとの肌悩みをケアする美容養生食を提案し、レシピ作成から調理まで担当。そんな茂田さんが自ら講師を務める料理教室が合羽橋の『釜浅商店』イベントスペースでスタート! 耳寄り情報満載のレクチャーの様子を、不定期連載にてお届けします。
参加すると料理の腕があがる上に、肌をきれいに保つ知恵も身につく! 回を追うごとにリピーターが増えている茂田さんの『食べる美容』料理教室。3クール目のスタートとなる今回は、血液やリンパの巡りが停滞しがちな梅雨を快適に過ごすための食養生を学びました。テーマ食材は鰹。鰹に含まれるどんな栄養素が梅雨時のインナーケアに役立つのか、冒頭で茂田さんが詳しく解説してくれました。

「梅雨は一気に湿度が上がるので、体がむくみやすい時期。そうすると目の下のくまや涙袋の膨らみが目立って感じられるのですが、そもそも目周りの悩みは原因が1つというわけではなくいくつかあるんです。冬の間の乾燥ダメージで角層がくすんでいるところに、むくみが重なって血行不良も同時に起きてくるとか。梅雨時の低気圧で血流やリンパの流れが滞ると、目元のくまはよりたるみっぽく見えてしまいがちです。そこで、今日は体の中の巡りを良くするための食材として鰹にフォーカスします。鰹は血流促進に役立つミネラルや鉄分が非常に豊富です。さらに、むくみケアに有効な、カリウムという体内の水分調整を行ってくれるミネラルも充実しています。今日使うのは初鰹の終わりの頃のもので、戻り鰹と違って脂が少なく、さっぱり食べられます。そして今回は、高タンパクでヘルシーなこの時期の鰹をメキシコ料理風にアレンジしたいと思います」

鰹というと、大抵は刺身かたたきの二択に着地する方が多いのではないかということを見越した茂田さんが、今回着想を得たのはメキシコ料理。
「メキシコにこういう鰹の料理があるかどうかはわかりませんが…笑」と前置きしつつ、鰹を使った食欲をそそる2品、“鰹のセビーチェ”と“鰹のレアステーキ”のレシピを考案。さらに、むくみの軽減や血流促進をサポートする“アボガドと蛸のタルタル”と“赤海老とインゲンマメのスープ”の2品を合わせた、全4品を調理していきます。

明るい肌色に導く“鰹のセビーチェ”
セビーチェは、南米で定番の魚介のマリネ料理。鰹に含まれる豊富な鉄分は血行を促し、血色の良い肌づくりをサポートしてくれます。



ボウルにすりおろしたニンニクと生姜、刻んだ青唐辛子とパクチーを入れてからライムを搾り、味付け用のしょっつる、蜂蜜、黒胡椒を加え、よく混ぜてマリネ液を作る。そこにひと口大に切った鰹を入れて5分ほどマリネする。
「今日はしょっつるを使っていますが、魚醤であればタイのナンプラーやベトナムのヌクマム、イタリアのコラトゥーラなどでもOKです。それと、ライムは三日月切り(くし形切り)にすると果汁をしっかり搾りやすくなるんですよ」

マリネした鰹の表面が少し白くなったらスライスした紫玉ねぎとセロリを合わせ、オリーブオイルを加えて混ぜる。

ペルー原産の乾燥とうもろこし、チュルピーコーンをフライパンで煎る。
「煎ることでポリポリとした食感になるチュルピーコーンは、本場では欠かせないセビーチェのトッピング。この後のアボガトと蛸のタルタルで使うスモークパプリカパウダーもそうですが、普段足を運ぶスーパーで手に入らなそうなものも、今はAmazonはじめネットショッピングで簡単に手に入れられるようになりました。気に入ったらぜひ検索してみてください」

器にセビーチェを盛り付け、チュルピーコーンと茹でたサツマイモを添えて。お好みで、軽く焼いたトルティーヤに巻いて食べる。ライムの爽やかさ、香味野菜や青唐辛子のピリッとしたアクセントで、鰹の刺身がビールやワインとも相性抜群なお洒落感漂う味わいに大変身!
むくみを軽減する“アボガドと蛸のタルタル”
「蛸は、疲労回復を助けるアミノ酸であるタウリンを豊富に含んでいるので、梅雨の倦怠感や、ちょっと疲れが出たなという時に摂ると良い食材です。 併せてアボカドは、抗酸化ビタミンの中でも油溶性の抗酸化ビタミン、ビタミンEが豊富なことで知られています。これからどんどん陽射しが強くなりますが、紫外線ダメージに対処する抗酸化ケアは、水溶性のビタミンCとかだけでなく、油溶性のビタミンEも摂ってあげると有効です」


小さい鍋にオリーブオイルとニンニクを入れて中火で加熱。ふつふつとしたら弱火にしてこんがりと色づいたニンニクを取り出し、オイルと分けておく。アボガドは2cm角に切ってレモンを搾ってさっと混ぜる。
「ニンニクは、必ず芽を取ってからスライスしましょう。というも、芽の部分に辛味や苦味のある成分が集中しているため、加熱調理すると芽の部分から焦げてきやすく、また取ったほうが胃もたれしにくいんです。すりおろして使う時も、芽は取ることをおすすめします」


茹蛸も2cm角に切り、アボガドと合わせてしょっつる、クミンパウダーを加え、ガーリックの香りを移したオイルを回しかけて混ぜる。器に盛り付けてから、仕上げにスモークパプリカパウダーを振りかけ、ローストしたガーリックを散らして完成。

「このタルタルは、蛸をボイルした海老に変えても美味しいです。スーパーにふらっと行ってみた時、活きの良い海老があって美味しそうだなと感じたら、ぜひ置き換えてみてください。そういった“これ、食べたいな”っていう本能的な感覚、食欲をそそられるかどうかというのは心身にとっても料理を楽しむためにもすごく大事なことだと思うので」
後編では、目回りの血色を良くする“赤海老とインゲンマメのスープ”、自律神経をケアする“鰹のレアステーキ”の調理の様子をお伝えします!
→【後編】へ続きます
photo:小松原英介 text:石塚久美子
Profile
茂田正和
音楽業界での技術職を経て、2002年より化粧品開発者の道へ。皮膚科学研究者であった叔父に師事し、肌にやさしい化粧品づくりを追究する中で、健やかな美しさにとっては五感からのアプローチも重要と実感。2017年、スキンケアライフスタイルを提案するブランド「OSAJI」を創立、ブランドディレクターに就任。2022年には、香りや食から心身を調律するOSAJIとレストランの複合ショップ「enso」(鎌倉・小町通り)を手がけ話題に。同年9月、初の著書『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)を出版。2023年は、日東電化工業のめっき技術を活かした器ブランド「HEGE」のプロデュース、そして日東電化工業より分社化された株式会社OSAJIの代表取締役に就任と、自身にとって大きなターニングポイントの年となった。
Instagram : @masakazushigeta
https://shigetanoreizouko.com/
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。































