良いのできた!

今日のひとしな
2026.10.20

〜「en-shouten」より〜 vol.20

我が家では頻繁に金槌の音が鳴り響きます。カンッ、カンッ、カンッと硬いやつで、鍛冶屋と暮らしているような気分です。音の主はパートナーの井尾。今日は、彼女がデザインから加工まで行うアクセサリーブランド、「sai」のご紹介です。


制作は、だいたい家事と同時進行です。洗濯機を回している間にロウ付けをして、バレルで磨きをかけている間に掃除機をかける。それだけでなく、何やらニヤついていると思えば、何回も見た好きなアニメを流し見しながら作業しているのでした。以前は女子高生の青春もの『宇宙よりも遠い場所』を見ながら、しくしく泣きながら作業していました。見るの4周目くらいのはず。その合間にアクセサリーができあがっていく。マルチタスクも甚だしいですが、本人はこのリズムをけっこう楽しんでいるようです。


そうして作品ができあがると、納品前に必ず見せてくれて。良いのできた!と。何年もつくり続けていて、同じようなリングやピアスを何本も仕上げているはずなのに、毎回ちゃんと嬉しそうにしていて、私はそこを素直に尊敬しています。


できあがるのは、ピアスを中心にリングやバングル、ネックレスやブローチ。素材はシルバー、ゴールドや真鍮で、ピアスにかけるメッキもニッケルフリーなので金属アレルギーが出にくいつくりです。


あの金槌が叩いているのが槌目で、ひとつずつ手で打つので、同じものはふたつとありません。手加工の揺らぎある成形と、金属がもつ光の動き。シンプルながら愛着のわくディテールで、身につける日を選ばずに、お守りのように日々に寄り添います。
ソリッドで無駄のない造形と、身体性を感じる揺らぎ、その両方を大事にしているところがいいなと思います。使い込むうちに素材の光り方が変わっていくことまで気にしてつくっているのもとても良いと思います。
身内の評価ばかりでもなんなので付け加えると、東京を中心にいくつかのお店でも扱っていただいていて、個展の機会をいただくこともあります。詳しくは彼女のSNSをぜひ。


店頭では、気に入ってレジに持ってきてくださった方に、パートナーが作っているのでメンテナンスなど気軽にご相談ください、とお伝えすると、驚きつつ喜んでくれます。
奥さんがよく眺めていたものを、後日こっそり買いに来る旦那さん。お母さんと一緒に来て、選んでいく娘さん。若い子が買ってくれて長く使ってくれるのも、私たちの親世代が選んでくれるのも、それぞれに嬉しいものです。


井尾はよく、かっこいいおばあちゃんにつけていて欲しい、と言っています。使い込まれたsaiをつけたかっこいいおばあちゃんを見かけたら、とても喜ぶと思います。
大切な方へのギフトにも、ご自分へのご褒美にもおすすめです。出産を終えて、製作も少しずつ復帰していますが、まだまだお時間はいただいています。
お待ちいただける方に限り、オーダーなども承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
(文・井上)

sai | en-shouten ONLINE
Instagram: @sarasaio_

 

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