心と体のリセット朝ごはん~イコッカ福地京子さんvol.2

器店主の朝ごはん
2016.04.10

東京・恵比寿でうつわや雑貨を扱う店「Ékoca」を営んでいる福地京子です。週1回の更新で4月からこの連載を担当させて頂いています。2回目となる今回は「心と体のリセット」がテーマの朝ごはんです。

photo&text:福地京子 使用カメラ:OLYMPUS PEN Lite E-PL7

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我が家は普段はパン食ですが、たまに旅先のホテルや旅館で頂く、和食のごはんが食べたくなります。 昨年秋に和歌山へ旅し、高野山の宿坊に泊まる機会がありました。宿坊に泊まるのは初めてでしたが、今の宿坊は個室できれいな大浴場もあり想像以上に快適でした。何より日頃味わえない静かな時間と夜と朝に頂いた精進料理がとても美味しかったです。宿坊で毎日手作りされているという胡麻豆腐の美味しかったこと!

 

そこで、高野山で過ごした時間を思い出しながらの心と体のリセットごはんに家でも挑戦。肉や魚を使わない精進料理は一見、質素に見えますが「五味、五法、五色」といって、醤油、酢、塩、砂糖、辛みの“五味”、なま、煮る、焼く、蒸す、揚げるの“五法”、色も彩りよく使う“五色”、と実はとても手がかかったお料理なのです。高野山にはもうひとつ五禁といって、ねぎやにんにく、にら、しょうが、らっきょうなどのにおいの強い野菜を使わないという決まりがあるそうです。肉や魚、香味野菜を使わなくても、しみじみ美味しい! と心も体も満足できるお料理を頂けたことは何よりの経験でした。 高野山で過ごした時間を思い出しながらのご飯は、朝の勤行の後に静かな気持ちで頂いた朝ごはんを思い出しながら、五味、五法、五色、五禁に倣って。

 

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お弁当や晩ご飯用の作り置きおかずに数品プラスしただけの朝ごはんです。ゴボウはよく作り置きする、ゴボウの梅煮。

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鍋にゴボウと梅干数個と水だけを入れ、2~3時間コトコト煮ます。 食材の陰陽の効果で、数時間煮ると甘~くなり、体にもとても良いそうです。5~6時間煮る方もいらっしゃるそう。

 

お味噌汁は鰹だしの代わりに、昆布や干しえのきで出汁を。干しえのきも買ってきたえのきを干物用の網で干して作ります。

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干すことによって、シャキシャキとした食感と良いお出汁が。 人参のぬか漬けは、自宅近くの八百屋さんの自家製ぬか漬けを使って。なんとお店のぬか床は約90年も続いているそう。

 

宿坊では漆のうつわで頂きましたが、我が家では、黒やグレーの釉薬のもの、焼きしめ、漆器などシックな色合いのうつわと合わせて。

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黒い釉薬のうつわや、焼きしめのうつわは、食材の色をより引き立ててくれるので、食卓によく登場するうつわです。モノトーンのうつわでも、それぞれ違う質感のものを合わせると、単調にならずお料理も引き立ちます。

 

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湯どうふを入れたうつわは、土鍋の土で焼かれたグラタン皿ですが、直火もOKなので、このままコンロにかけ、湯豆腐やおかゆ作りになどにも重宝します。

 

 

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野菜、豆類、海藻だけですが、うつわの力も借りたことで心も満足、体にやさしいリセット朝ごはんとなりました。

 

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Ékoca(イコッカ)
東京都渋谷区恵比寿南1-21-18 圓山ビル2F

日本各地の作り手の生活道具を中心に扱う。陶磁器・ガラス・木・漆・金属などの素材を使った生活道具や 布・革・織りなどのbagや小物、竹やあけびのかごなど暮らしが楽しくなるようなものがたくさん。「ある日の朝ごはん」コラム執筆は、店主の福地京子さん。

tel:03-5721-6676

営業時間:12:00~19:00 

日曜、第2・第3月曜定休(祝日は営業)※詳細はHPで確認を

http://www.ekoca.com

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