再起動のおへそ ―「フルーツ オブ ライフ」大橋利枝子さん vol.1

暮らしのおへそ
2019.09.23

50 歳を過ぎて
新たなブランドを立ち上げました。
あれもこれも自分ひとりで手がけるから
今、人生でいちばん忙しいんです。

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少しツヤのあるコットンシルクサテンのプルオーバーとワイドパンツを。セットアップで着るとオールインワンのように見える。歳を重ねると光沢のある素材が似合うように。

 

少しツヤのある黒のトップスに同じ素材のワイドパンツを合わせて。とことんシンプルなのに、どこか上品で大人の香りがするのは、素材がコットンシルクサテンだから。

1年前に、自身の洋服のブランド「フルーツ オブ ライフ」を立ち上げた大橋さん。

「大人が着る、シックな服を作りたいと思ったんです。世の中には、カジュアルな服はたくさんあるので、そうじゃないものが欲しいなと……」

そんな大橋さんの毎日は大忙し。たったひとりで立ち上げたブランドなので、デザインはもちろん、工場への発注も、発送も、伝票の整理も基本的にはすべて自分で手がけます。

「20代の若者みたいに、がむしゃらに頑張って働いています。でも、みんなには全然大変そうに見えないねって言われるんですけど」と笑います。

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シックな色合いで、シルク、シルクコットンなど上質な素材を使った「フルーツ オブ ライフ」の洋服。大切にしているのは、着心地のよさとシルエットの美しさ。

 

朝早く起きると、すぐに仕事にとりかかります。

「夜は、仕事が終わっていなくても、とりあえず一度寝るんです。数時間でもいいから寝て、起きてからやる。そのほうがずっと効率が上がるので」

食事はいつも「腹八分目」。玄米ご飯と具だくさんのみそ汁さえあれば満足。

「3合ぐらい玄米を炊いておいて、冷凍し、セイロで蒸して食べます。あまり胃腸が強くないので、おなかいっぱい食べると苦しくて、夜眠れなくなっちゃうんです」と大橋さん。

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食べすぎると体が重たくなるので、朝食はたらこをまぶした玄米ご飯にごま塩などをパラリとふりかけて。あとは具だくさんのみそ汁があれば充分。玄米ご飯はまとめて3合ほど炊き、冷凍。電子レンジは使わないので、セイロで冷凍したままのご飯を蒸す。

 

そうして体を整えるのも、今はすべて仕事のため。若い頃から雑貨や洋服が大好きだったそうです。美術短大で服飾デザインを学んだものの、「アパレルは大変そうだから、雑貨屋さんで働きたいな」と思っていたとか。そんなとき、先輩から、雑誌『オリーブ』でアシスタントを募集していると聞き、早速応募してみたら、見事合格。これがスタイリストの第一歩でした。

→vol.2に続きます

「暮らしのおへそ Vol.28」より
photo:馬場わかな text :一田憲子

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Profile

大橋利枝子

Rieko Ohashi

雑誌『オリーブ』でスタイリストの仕事を始める。シンプルで清潔感のあるスタイリングやソーイングの提案で、雑誌、書籍、広告などで活躍。2012年「フォグリネンワーク」でリネンの洋服ブランド「FLW」をスタート。2018年より自身のブランド「fruits of life(フルーツ オブ ライフ)」を立ち上げる。著書に『おしゃれっていいもの』(文化出版局)がある。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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