自分へのご褒美におすすめ! 「ニューヨーカー」でパターンオーダー体験【前編】
新人編集ツダはおしゃれの極意を学ぶべく、展示会や撮影、取材にと日々勉強中。おしゃれさんに会うごとに憧れはどんどん増し、「私も素敵な大人になりたい!」と一念発起。そんなツダが、自分に似合う楽しいおしゃれを見つけるべく、体当たり取材で東奔西走します!
**********************************************
街がきらきら輝く季節がやってきました! 自分へのクリスマスプレゼントや今年1年頑張ったご褒美に……この時期だからこその“特別なお買い物”をしたくなる方も多いのではないでしょうか? アクセサリーや季節限定のコフレセットなど色々ある中で、とある取材先の方におすすめされたのが、「パターンオーダー」。オーダーメイド初心者にもトライしやすく、自分の体型やスタイルに合わせたオリジナルの一着がつくれて、何よりとても楽しいのだとか!
そこで今回は、ウィメンズのパターンオーダーのパイオニアである「ニューヨーカー」の銀座店へお邪魔し、新人編集ツダと師匠・オオツカが一緒に体験をさせていただきました。
担当してくださるのは、「ニューヨーカー銀座店」の吉野さん(左)と藤田さん(右)です。普段から優柔不断気味のツダは、長年パターンオーダーを担当され、この道のプロである吉野さんに、手取り足取り教えていただきました。一方オオツカは、「ブラウンのジャケットとワンピースのセットアップが欲しい」とオーダー前から自分の希望がかなり明確。藤田さんの的確なアドバイスを受けながらディテールの一つ一つを、どんな風に選んでいったのでしょうか。
●ステンカラーコート (編集スタッフ・ツダ)
「今年こそ長く愛用できる、上質で大人っぽいコートが欲しい」と思っていたツダは、ステンカラーコートをパターンオーダーすることに。実は長年、ちょうどいいサイズや丈感のアウターを見つけられずにいました。中に着込んでもスタイルよく見えるのが理想です。
ステンカラーコートのパターンオーダーは、今年の秋から始まったばかり。既製品ではブラック、グレー、キャメルの3色展開ですが、パターンオーダーでは別の生地も選ぶことができるのです。早速、生地選びからスタート。
吉野さんが見せてくださった生地は3種類。既製品でも使用されているウールにシルクを混紡したビーバー。次にアンゴラ混紡糸を使用したシャンブレー、そしてカシミア混の糸を使用したハウンドトゥースがあります。シャンブレーとハウンドトゥースは一見すると無地に見えるのに、さりげなく織柄が入っているところがかわいい~。ど、どうしよう……初っ端から迷いに迷ってしまいます。
「3種類の生地の中で、シルク混のビーバーはつやと表面の光沢感が特徴的で、上品な雰囲気なので、ツダさんが希望している“長く愛用できる上質な一着”にちょうどいいと思いますよ」という吉野さんのアドバイスを受けて、生地はシルク混のビーバーにすることに。
シルク混のビーバー生地の色展開は、既製品で展開しているキャメル、グレー、ブラックの3色に、パターンオーダー特別カラーのネイビーを追加した4色から選ぶことができます。
黒とネイビーのどちらにするかで迷うこと30分……。ネイビーはパターンオーダーのみの展開なので試着することはできませんが、吉野さんが似た色の他のコートを当ててくれたことで、実際のイメージが想像しやすくなりました。
「黒はカチッとしすぎる印象もあり、デイリー使いというよりはフォーマルな場面で着ることが多いですよね。ネイビーはやわらかさが出てきますよ」と、またまた吉野さんのアドバイスに背中を押され、色はネイビーに決定しました。
ツダの色々な迷いごとのすべてに、吉野さんがとことん寄り添ってアドバイスをくださるので、なんとか決めることができました!
次は採寸。着丈、身幅、袖の長さまでしっかりチェックしていただけるので、安心してお任せします。既製コートを試着し、ツダは9号サイズに。
「スタイルよくシュッと見えるコートが理想」という希望を踏まえて、吉野さんから提案が。「コートはボタンを留めずに着ることが多いので、開けて着たときのシルエットが美しく見えるように、ウエストを少し絞ってみませんか? 身幅は7号でもキレイだったので、いいと思いますよ~」
細かな微調整ですが、このウエスト3㎝絞りによって裾に向かって広がるAラインシルエットが一層際立ち、キレイ見えするとのこと!
普段はロングスカートを履くことが多いので、着丈は5㎝伸ばすことに。着丈とウエスト絞りにより、冬のおしゃれで悩んでいたズドーンと太って見える問題を解決できそうです。「デザインや色は好みなんだけど、自分の体型と似合わない……」というのは洋服選びのあるあるですよね。そうした悩みをクリアにし、ぴったり合うサイズに調整できるのがパターンオーダーの魅力の一つと気づきました。
最後に裏地とボタンを選びます。裏地だけでもこれだけの種類が! 「キュプラ素材の裏地は、光沢のある表面で上質感がある見た目のよさに加えて、静電気を防止し、暖かさを持続させる機能性もあります。ニューヨーカーでは『ベンベルグ®』という最高級品質のものを使用しているので、自信をもっておすすめします」と吉野さん。なるほど、裏地一つを選ぶのも奥深いです。
しかし、「裏地は何色がいいかな」なんて考えたことは今まで一度もないため、何をどうやって選べばいいかピンと来ません……。
「裏地は表地と同系色にするのが定番なのですが、こちらのジャケットのようにあえて反対色にすると、個性的でカッコいい一着になります。着ている時は全く見えませんが、脱いだ瞬間にチラリと見える満足感もありますよ(笑)。実は多くのお客様が一番悩まれるのは、裏地選びなんです。組み合わせがたくさんあるので迷いますが、それもパターンオーダーならではの楽しさと感じています」
色々悩んだ結果、選んだのはブラウンのニューヨーカークレスト柄。ネイビーとブラウンの大人カッコいい色合わせに、黒ボタンでキリっと引き締めます。
これにて、ステンカラーコートのパターンオーダーが終了です。最終的にツダが選んだのは、表生地はネイビー、ボタンは黒(写真左)、裏地はブラウン(写真右上)という組み合わせ。ここまで決めるのにかかった時間は約1時間でしたが、“迷いながら一つ一つ選び、一着を作る”という過程が楽しすぎて、あっという間でした!
●ジャケット+ワンピースのセットアップ(編集スタッフ・オオツカ)
オオツカは、ジャケットとワンピースのセットアップを。普段、ジャケットもきれいめワンピースも実はあまり着る機会がないのですが、パターンオーダーで生地が選べてカスタマイズできるとあって、あえてのチョイスです。
だからこそ「どう着るか?」というのをじっくり考えて大枠を固めてみました。
1セットアップとして着るときは、きれいめに。ジャクリーン・ケネディがイメージ(笑)
2単体で着るときは、少しカジュアルダウンもできるように。
3手持ちワードローブの主色になじみつつも、持っていない色のものを。
「ニューヨーカー」さんのホームページで予習をしつつ、大筋を決めて当日です!
1・2から、ジャケットは一つボタンですっきりとしつつ、華やかでやわらかな印象もあるピークドラペル(襟の形)のものに。ワンピースは冬でも一枚で着られる七分袖のモデルに。3からワードローブの主色がネイビー、グレーやキャメルも少々なことから、ブラウンの生地を。これらを担当してくださる藤田さんに伝えます。
まずは生地から。藤田さんが見せてくださったブラウン系のものは4種。ネイビーが入ったチェック柄、レダ社のシルクウールの細かいチェック柄、ホームスパンの焦げ茶、ドラゴ社のラグビーフランネルの明るいブラウンです。うーん、どれも素敵です!
「生地見本は小さいので、大きな柄や無地より細かなニュアンスのあるもののほうが出来上がりは想像しやすいかもしれませんね」と藤田さん。
「な、なるほど~。でも手持ちのコートなどとの相性を考えると濃い茶色だと沈んでしまうかも……。そして、カチッとしすぎないイメージで着たいです」
「でしたら、この明るいブラウンはやわらかなフランネル生地なのでお色も明るいのでいいかもしれませんよ」
ホッ……。生地が決まりました。
次に、サンプルのジャケットとワンピースを着てサイズ感などを見ます。ワンピースを試着すると、ジャスト膝丈。
「この先10年を考えると、動いたときに膝頭が見えるより隠したい気がします」とオオツカ。
「では、3センチ丈を伸ばしてみましょうか。短すぎず長すぎず上品な印象になりますよ。そして、その場合は逆にジャケットの丈は少し詰めるとバランスがいいかと思います」
ジャケットは襟の形もいいかんじ。着丈の採寸をして仕上がり線をクリップで留めてくださいます。
「確かに! ジャケットは単体でカジュアルなパンツにも合わせたいと思っていたのでそれにもちょうどいいですね」
それぞれサイズは9号に。寒がりの私はインにそこそこ重ねられるほどよいゆとりを重視。
「肩のラインもちょうどいいですし、中に重ねていてもきれいなシルエットが出ているのでサイズはこちらでちょうどいいかと思いますよ」
おぉ、サイズも決まりました! 私は袖丈や肩などは直しませんでしたが、もちろんこうした細部も体型に合わせて調整してくれますよ。
最後に裏地などのディテールを詰めていきます。なんと「裏地は胴裏と袖裏、違うものをお選びいただけますよ」とのこと。
「あえて生地と反対色の裏地にするのもいいですが、今回は上質な生地なので胴裏は同系色でシンプルに、袖裏は折り返したときにアクセントになるものなどもおすすめです」
なるほど~。で、結果選んだのは、表地はフランネル生地のブラウンにベージュのオリジナル釦(写真・左上)、胴裏は同系色のベージュ(写真中央・上)と、袖裏はワイン色のレジメンタルストライプ、パイピングも同じにしてみました。(写真・右上)
ふぅ。今回はツダが主役なためオオツカ編はちょっと駆け足になってしまいましたが、初めてのパターンオーダー、とっても楽しかったです! ジャケットは、サイズ感などをきちんと見てくださるお店ってレディースには案外少ないのですが、藤田さんの的確なアドバイスで安心しておまかせすることができました。
********************************************
パターンオーダー体験は無事終了し、完成は約3週間後。どんな風な出来上がりかな~と楽しみに待つこの時間もパターンオーダーの醍醐味です! 次回は、ツダとオオツカがそれぞれこだわった完成品を細部までご紹介しますね。
→後編に続く
「ニューヨーカー」のパターンオーダーについて
http://www.newyorker.co.jp/pattern_order/women/
photo : 岡 利恵子
住所東京都中央区銀座1-5-13
ゼットエックスビル1F・2F
TEL : 03-6228-7001
営業時間 : 11:00~20:00
http://www.newyorker.co.jp/
Instagram「@newyorker_ginza」
Shop Blog
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。