渡辺有子さんの「おうちレシピ」餃子編
毎日の献立にお悩み中のみなさん、今夜は何を作るご予定ですか? 毎日のことだと、ささっとお手軽に作れるメニューが多くなると思いますが、たまにはきちんとレシピを確認しながら、定番料理にトライしてみてはいかがでしょう~。しかも、そのレシピは、今をときめく料理家・渡辺有子さんが普段、家で作っているもの!
今日から3日間、新刊『渡辺有子の家庭料理』から、定番なのに、ちょっぴり気分が上がるくふうが盛り込まれたおいしいレシピとエッセイをご紹介しますね。1日目のテーマは、みんな大好き、餃子です! 家族でわいわい一緒に包むのもおすすめですよー。
小松菜と豚肉の水餃子
餃子と一緒に白菜も茹でて、茹で汁ごと器に盛ると、スープもおいしくいただけます。好みで、酢やしょうゆを添えてどうぞ。
【材料(20個分)】
餃子の皮……20枚
豚バラ肉……120g
小松菜……1束
A|しょうが……1片
|塩……小さじ1/4
酒、砂糖、しょうゆ……各小さじ1
ごま油……小さじ1
白菜……適量
【作り方】
1 小松菜はみじん切りにする。
2 しょうがはすりおろす。
3 豚肉は細かく切り、包丁でたたいてからボウルに入れ、Aを順に加え、菜箸で混ぜる。1を加えてさらに混ぜ、ごま油を加え、混ぜ合わせる。
4 餃子の皮の中央に3をのせて半分にたたみ、両端を合わせて、水をつけてとめる。
5 鍋にたっぷりの湯を沸かし、ひと口大にちぎった白菜をしんなりするまで茹で、4を加える。餃子が浮いてきてからさらに1分ほど茹でる。
焼き餃子
ひき肉ではなく、豚バラ肉を細かく切り、たたいて使うことで、ジューシーな仕上がりになります。隠し味に味噌を入れるのが、おいしさの秘密。
【材料(20個分)】
餃子の皮……20枚
豚バラ肉……200g
キャベツ……3枚
ニラ……6茎
しいたけ……3枚
しょうが……1片
ニンニク……1片
A|塩、酒、砂糖、味噌、しょうゆ……各小さじ1
|ごま油……小さじ2
湯……80ml
米油……大さじ1
ごま油……大さじ1
【作り方(20個分)】
1 キャベツはさっと茹でてざるにあげ、みじん切りにしてさらに水気をしぼる。ニラ、しいたけはみじん切りにする。しょうが、ニンニクはすりおろす。
2 豚肉は包丁で細かく切り、全体にたたいてからボウルに入れ、1を加え混ぜる。Aを順に加え、そのつど、よく練る。
3 餃子の皮の中央に2をのせ、皮の端に水をつけてひだを寄せ、包む。
4 フライパンに米油を入れて強火で熱し、3を並べる。分量の湯を上からかぶるように注いでふたをし、水分がほぼなくなるまで蒸し焼きにする。ふたを取り、ごま油を鍋肌からまわし入れ、フライパン全体を揺すりながら焼き目をつける。
「餃子」について ~渡辺有子~
子どもの頃は、餃子が大嫌いでした。父の好物だったこともあり、週末になると餃子が頻繁に食卓に上りました。私にとっては、憂鬱な土曜の晩ごはん最上位。週末の昼ごはんも、父のリクエストでうどんが多かったのですが、子ども時代の私はうどんが大嫌いだったので、土曜の食事の時間はいつも、この世の終わりのような気分でした。話がそれましたね……。
ところがいまや、大がつくほど餃子好き。献立に困った時は、餃子にしちゃおう! というくらい、率先して餃子と向き合っています。いつからこんなに好きになったのかはわかりませんが、とにかく餃子は偉大です。こうでなくちゃいけないっていうことがない、すべて包み込んでくれるのですから。そう、包容力があるわけです。
中身をいろいろ試してみる面白さもあります。とくに水餃子は、なんでも受け止めてくれます。小松菜やクレソンなど、葉ものとの相性もよく、キクラゲやナッツなど歯ごたえのあるものも大いにOKです。肉も、なんでこんな少しだけ残っているの? というような半端な量でも、野菜をたっぷり刻んで加えれば十分足ります。水餃子は、一品足りない時にも重宝。茹でる時に、刻んだ白菜やキャベツを加えると、茹で汁がそのままスープ代わりにもなります。
焼き餃子は、基本の具に足し算、引き算、掛け算すれば、味わいもいろいろ変わります。どんな具の時でも、隠し味に味噌を入れるのが、渡辺家の決まり。母の餃子にはいつも味噌が入っていて、作り方を台所で見ながら覚えました。
当時、餃子嫌いでしたが、作るのは好きでした。うまく包めるとうれしかったものです。自分で包んだ餃子を、祖父や父に食べてほしいと思っていましたっけ。子どもは、自分で作ったものは、好奇心や探求心が手伝って進んで食べたりするものですよね。子どもと一緒に作って食べるというのも、家庭料理のよさ。そう思うと、餃子は最高の家庭料理といえるかもしれません。
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Profile
渡辺有子
旬の素材の味を生かしたシンプルな料理で人気。センスある着こなしや暮らしぶりも注目されている。アトリエ「FOOD FOR THOUGHT」で料理教室やイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪に、同名のショップもオープン。
Instagram「@yukowatanabe520」
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。