新刊『見た目を、整える』　伊藤まさこさんエッセイ　Vol.1

大人になって、
リングが似合うように
なりました

三連リングは「カルティエ」、シンプルなゴールドは「ティファニー」、ルビーが入ったものはニューヨークの「サトミカワキタジュエリー」。

アクセサリーは、ずっとピアスひと筋。もちろん時々は、パールのネックレスなどをつけることもありますが、それは1年のうちでもほんのわずかでした。ところが1年ほど前、突如リングに目覚めました。というのも、手が歳を取ってきて、ピカッと光る何かを足さないと、ちょっとしょぼくれて見えるようになったから。でもね、だからといって悲観はしていません。昔から、おばあちゃんの手とリング（特に大きな宝石がついた）の相性のよさには感心するところがあって、いつか私も……と思っていたのです（それにはまだちょっと早いですけれどね）。

「リングって、自分からいちばんよく見えるアクセサリーなんですよ」とは知人のジュエリーデザイナーの言葉。なるほど、手が動くたびに、ちらちらと目に入る。そして、きれいなそのリングにふさわしくなろうと、手の動きもしとやかになる。今では、つけない日はないくらい、私にとってなくてはならないおしゃれの味方になりました。

ふだんはシンプルなゴールドを左の人差し指にひとつ。ちょっと気分を変えたいときは、重ねづけしたり、中指に足したり。少しずつ揃えていくのが、今の私の楽しみになっています。

→Vol.2につづきます

『見た目を、整える』より