「毎日をずぼらで快適に」するためのシューズケア
今日のひとしな
2020.09.03
~ 「futana」より vol.3 ~
皆さまおはようございます。京都の「futana」です。9月3日。皆さんのおられる場所はどんなお天気でしょうか。
これを書いている今日は、長雨の合間で晴れ間が広がっています。少し未来を想像して原稿を書くのって、何だかとてもワクワク。このコラムが出ている日、私は何を着て何を履き、一体誰とお会いするのだろう。
さて、初日からホコリ落とし、汚れ落とし、栄養補給、ブラッシング……と進んできたシューズケアですが、いよいよ最終工程の「仕上げ」に移りたいと思います。
昨日は、ブラッシングでクリームを靴に馴染ませていきましたが、最後はブラシを磨き布に持ち替えての拭き取りです。
この工程では、ブラッシングでも取り切れなかったクリームを布で拭きあげて表面を滑らかにしていきます。こうすることで通気性を保つほか、表面の細かい凸凹を無くすことで、ケアの後にホコリや汚れがつきにくくなるのです。これもとても大事な工程です。
ブラッシングの後、革の表面を指でこすると分かるのですが、あれだけ無心になってブラッシングした後でも、すべてのクリームは取り切れていません。こうやって布で軽く磨き上げていく事で表面がツルっと滑らかになっていくのがわかります。
「最終的に布で拭くのなら、ブラッシングは必要無いのじゃないかしら」というお声が聞こえてきそうですが、ブラッシングではある程度のスピードが出ますし、全体にまんべんなくクリームを行きわたらせるという大切な役割があるので、拭きながらクリームを吸収してしまう布での仕上げとはやはり役割が異なってくるのです。
どの工程も大切で、そして適材適所。それに見合った道具が選ばれています。
磨き布はこれもまた綿の古い布でも良いのですが、「futana」ではミトン型のものを使っています。力をまんべんなく靴に加える事ができ、磨く工程がとてもやりやすくて◎。そしてこれまた形もやっぱりかわいくて、赤ちゃんが生まれたての頃に手にはめていたあのミトンを思い浮かべて……。赤ちゃんになった気分で軽く靴をよしよし。
「M.Mowbray」グローブクロス ¥500+tax
靴をいい子いい子している気分になって、何だかいつも口角があがってしまうのです。
撫でていたらブラッシングの時とはまた違った鮮やかな艶が出てきて、残っていたクリームが引っ掛からなくなってきます。それが、仕上がりのサイン。
最後の最後に、汚れ防止や突然の雨に備えて仕上げの撥水スプレーを。防水の効果だけでなく、汚れもつきにくくなる「M.MOWBRAY(エム・モウブレイ)」の‟プロテクトアルファ”をかけたあと30分以上乾燥させて、さぁ、シューズケアの完了です。
「M.Mowbray」プロテクターアルファ ¥1,500+tax
嬉しい、嬉しい!
シューズケアが終わった時の感覚は、何だかとても清々しい気分。「自分の心もすっきりしているし、靴も喜んでいるし、で一石二鳥!」といつも思うのです。
「シューズケア」。
二日目・三日目にお話しさせていただいたシューズケアの流れは、実は一日目にお伝えした「ブラシだけシューズケア」を下支えする工程です。一か月半や二ヶ月の間に一度でも、この拭き取りから保湿、ブラッシンング、防水までを施しておけば、日々の汚れは毎日ブラッシングするだけで殆どが落ち、美しく艶を保ってくれます。毎日の快適のために時折下準備をしておく、そんな感覚です。
始める前は、「何だかとても難しそうだし、いろいろと揃えないといけないのでは……」と身構えていたけれど、まずは馬毛のブラシ一つ。そして、毎日より気軽に革靴を楽しむために一つ一つケア用品を集めていって、そのうちお気に入りの箱に入れたり……なんてできたら、ケアがますます楽しくなって、気が付いたら新しい習慣になっているかも。
長く続けるためには、「どこにも無理がなく、力まず、そしてどこかに楽しさがないと」と、何に対してもいつも思っています。そして、そんな楽しみを感じるためには、自分が動いた事に対しての効果や変化が見て取れることがポイントとなってくる……。そんな風にも思っています。
革は手入れをすれば、しっかりとその分、艶やこし、柔らかさとなって応えてくれるから、これから始めるみなさまにもきっと楽しんでいただけるはず。
まずはブラシ一つ。是非、手にしてみてください。
革靴についてまだまだお話したいけれど、明日は少しお洋服についてのお話を。皆さま、今日もお読みいただきありがとうございました。また、明日も同じ時間にお会い出来れば嬉しいです。
今日も良き一日となりますように。
気持ちのよい風が、吹きますように。
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