小さなアトリエから生まれる服【nutte(ヌッテ)】

ナチュリラ
2021.03.25

素材の調達からデザイン、縫製、販売も自ら手がけ、愛情込めて服を作る──。そんなブランドが少しずつ増えています。地方の小さなアトリエで生まれる服には、作り手が大切に紡いだ物語がありました。

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着るほどに愛着を感じられるとっておき

自宅の一室でコツコツ作るコットンやリネンの服。いつでも気負わず着られるように、デザインはシンプルに、着心地に加え、気軽に洗濯できるなど扱いやすさにも配慮して。

きちんと感と着心地を併せ持つシャツ


張りのあるスタンドカラーのコットンシャツは何年も作り続けている定番の形。リラックス感のあるゆったりシルエットで、着やすさにも定評がある。

がんばりすぎず、楽しみながら作る


自宅の一室をアトリエに。壁際に工業用ミシンとボタンホール用ミシンを並べて。「ここで全集中するので、アトリエを出たら仕事を忘れて気分転換を」

材料や型紙は古い棚や木箱に


アトリエには造りつけの収納がないので、ウェブショップで見つけた古い棚や箱を収納に活用。型紙はアイテム別に黒い封筒に入れ、木箱に立てて取り出しやすく。


木箱にまとめたミシン糸は棚に入れて。ボタン類はお気に入りのお菓子の缶にまとめて。

デザインに小さな工夫を施して


表はリネン、裏はコットンの、前後どちらでも着られるベスト。サイドのリボンで表情をつけて。


サルエル型のパンツは初期のころからの定番。今シーズンは、張りがあり、シルエットが際立つコットンを使用。ラクチンなのにきれいに見える人気のパンツ。

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各地のセレクトショップやギャラリーで展示を行い、人気上昇中の「ヌッテ」の服。一見シンプルながら、驚くほど動きやすかったり、脚長効果があったり「着るとそのよさを実感する」とリピーターが増えているそう。

緑川妙英さんが「ヌッテ」の活動を始めたのは16年前のこと。

「それまでの仕事を退職して時間ができたので、本を見てスカートを作ったら楽しくて。『欲しいと思ってくれる人がいるかも』とホームページを開設しました」

デザインが浮かぶのは服を縫っている最中や気になる着こなしを見たとき。「これに合うシャツが欲しい」「縦長のシルエットいいな」という気づきをヒントに、アイテム単体ではなく、コーデを想像しながらふくらませていきます。

「ひとりだと作業量が多いけれど、楽しさと喜びも大きいです」


photo:nutte text:増田綾子

 


『ナチュリラ vol.53』より

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Profile

nutte

ヌッテ

緑川妙英さんは服飾専門学校のファッションデザイン学科を卒業後、アパレルメーカーで企画営業や生産管理などを担当。2005年から「ヌッテ」として洋服の製作を開始。
Instagram:@08nutte

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