作り手の‟思いやり”が伝わる使いやすさ 水村真由子さんのカトラリー

今日のひとしな
2021.03.26

~「nagaya.」よりvol.26 ~

今日は「nagaya.」スタッフのみほがお伝えします。ご紹介したいのは、奈良で食にまつわる木の道具を作っている水村真由子さんのカトラリーと調理道具です。

一本ずつ切り出したものを丁寧に掘り出すことで出来上がる作品が魅力です。

木の道具というと、なんとなく民話に出てくるようなあたかな雰囲気にひかれます。実際、水村さんの道具はくるみオイルで仕上げていて木地がそのまま見え個性となっています。形はシンプルで定番の形といえるのだけど、無駄を省いた中に追究された作り手のこだわりを見てとれます。

小さなお子さんはスプーン等をグーっと握って持つことが多いですよね。こちらのこどもフォークやこどもスプーンは持ち手の上が平らで下が丸い半円になっています。握って持っても滑らずしっかり持てるよう、上手に運べるようにデザインされています。スプーンの窪みやフォークの反りも絶妙で小さな口が自分でうまくすくい取れるような大きさです。

どちらも大人でも使えるシンプルな見た目なので、こどもがこどもスプーンを卒業してもデザート用として使えます。

「ジャムヘラ」という概念がなかった時は小さなスプーンで十分と思っていましたが、一度知ってしまうと前にはもどれません。

深い瓶の底にも届く長さがあり、底の隅にヘラの先が届くので残ったジャムをちゃんとすくえる。小さなオノのような形がまた愛おしい。バターを塗るときも使えますし、柔らかなものを切ることもできます。道具は使うものだから、てきぱきと仕事をしてくれる道具を選びたい。

水村さんの使い手への想いが伝わるのが、この返しヘラと炒めヘラの違いではないかなと思います。

返しヘラはハンバーグなんかをひっくり返す時に使います。先の物を乗せる部分は四角く、またフライパンを傷つけないように角が削られています。炒めヘラは、お野菜など炒めるときに使います。先の片方はフライパンの端にもピッタリ当たるように丸まっていて、もう片方は小さなものもしっかり集められるよう角になっています。

この二つのヘラは、持ち手の部分が違うのもポイント。返すときは親指を上にして握りますが、炒めるときは親指を横にして握りますよね。ちょっとした動作で握り方が違うので、それに合わせて持ち手の形も違っています。

些細なことかもしれませんが、水村さんがどんなに丁寧で思いやりのある方か伝わってきます。

他には、バターナイフや茶さじなども。どれも水村さんらしく使い手に寄り添って作られているので、日々の‟ちょっとした作業”をする時にその良さを感じていただけると思います。

木の道具は使っているうちに乾燥してきます。その時はお手元にあるオリーブオイル等を指にとって塗り、キッチンペーパーで余分な油分を拭き取ってください。もとのツヤツヤが戻ります。こうやって時々手入れすることで長く愛用できる道具、欠かせない相棒になるのではと思います。

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