ずっと長く、ずっと一緒に 2月の「今日のひとしな」は、「千日草」が登場します!

今日のひとしな
2023.01.31

2023年も明けたと思ったら、あっという間に明日から2月! 暦の上ではもうすぐ春となりますが、しばらくは冷え込みの厳しい日が続きそう……。重ね着のおしゃれを楽しみつつ、体の中からも温めて、元気に乗り切っていきたいですね。


さて今日は、明日から一か月「今日のひとしな」連載を担当してくれるお店をご紹介します。三重県四日市市にある、木製品を中心とした雑貨屋「千日草(せんにちそう)」です。

春には、敷地に植えられた桜が満開となり、お花見を楽しむ市民のみなさんで賑わうそう

お店があるのは、近鉄四日市駅より車で20~30分ほど、茶畑やどこか懐かしい町並みが広がる小山田地区にある施設「おやまだ文化の森」の中。もともとは町役場だったこちらの建物は、その役目を終えた後に美術館として生まれ変わったものの、残念ながら3年ほど前に閉館となってしまいます。ですが、昔から町のみなさんに愛されていたこの場所は、昨年の4月より、ギャラリーやスタジオが併設された新しい施設として再出発することになったのです。

それでは早速、お邪魔させて頂くと……

小学校6年生の時、卒業文集に書いた夢は「イルカの調教師か雑貨屋さんでした

「ようこそお越しくださいました!」と優しく迎えてくれたのは、オーナーの竹原千景さん。

大きな窓から光が差し込んで、とっても明るい店内! 作家ものの木工作品やオブジェから、陶器、アクセサリー、レザーアイテム、インテリア用品や植物、さらにはちょっとした手土産にもぴったりなお茶までが心地よさそうに並んでいます。

商品をセレクトするときに大切にしているのは、“愛着をもって長く使ってもらえそうなもの”と“自分の家にもずっと置いておきたいと思うもの”。「わざわざ足を運んでもらうような場所にあるお店なので、うちでしか買えないものやオリジナル商品なども、これからもっと揃えていきたいなと思っています」

オープンして、9か月になる「千日草」。竹原さんにとって、さぞ念願のお店オープンだったのかと思いきや、「もともとはオンラインストアをやるつもりで、お店を持てるなんて思っていなかったんです」というので驚きました。開店までの道のりは、出会いや運命に導かれたような、まさに「ジェットコースターのような展開だった」と笑います。

以前は、三重県・桑名市にある「sot rooms(ソットルームス)」という雑貨屋で10年ほど働いていた竹原さん。「いつかお店を」という漠然とした夢もあり、常に何かを吸収したいと充実した毎日を過ごしていたのですが、実家のお父様の病気が発覚。「今すぐ帰ってきて!」という声もあり、急遽、岐阜県の実家に戻ることに。実家のことも、仕事を突然辞めたことも、様々なことがのしかかってきて、最初はとてもつらい時期を過ごしたと言います。

「その後、『ほどよい距離が保てるように』と実家を出てシェアハウスでの生活を始めたのですが、たまたまそのシェアハウスが木工芸術スクールに通う入居者が多く、それを生業とするパートナーとの出会いにも恵まれました。実家と行き来しつつ2年ほど過ごすうちに、父の病気も無事に完治。そして、パートナーが、私も『sot rooms』時代からずっとお付き合いのある三重県の木工作家・近藤卓也さんのもとで働くことになって……。再び三重に戻った時、ずっとうっすらと頭の中にあった『お店をやりたい』という想いがムクムクと芽生えてきたんです」

ただ、それでも実店舗をやるには時期尚早だと思っていたそう。そんな時、「私のそれまでをずっと知っていて心配してくれた近藤さんと、同じく木工作家である近藤さんのお父様が『僕たちの作品を全部商品として載せていいから、まずはオンラインストアから始めてみたら?』と背中を押してくれて。その想いや言葉がすごく嬉しかったですね。『やってみよう!』 と勇気をもらえたし、頑張ることができました」

そうしてなんとか、昨年1月にオンラインストア「千日草」をスタート。

「『ぜひ見てください』と、かつてお世話になっていた作家さんたちに連絡したら、『her habit jewellery(ハーハビットジュエリー)』のはるかさんが、ぜひ紹介したいテナント施設があると連絡をくれて。自分にはまだ難しいかな……と思いつつも『おやまだ文化の森』本館の中を見せていただいた瞬間、『ここしかない!』と強く思う自分に、自分が驚きました(笑)。かなり思い切ったのですが、そこから急ピッチで準備を進め、3か月後5月のお店オープンに至ったのです」

「気負わず、フラッと入れるお店にしたい」という「千日草」には、子供連れの家族から、夫婦で、友達と、一人で……男女問わず幅広い年齢の方が訪れます。みなさん、ゆっくりと思い思いに、時には竹原さんとのおしゃべりも楽しみながら、お店での時間を過ごしていかれるそう。

「大きな宣伝などもしてこなかったので、最初は、インスタグラムや口コミでお店を知っていただくことがほとんど。そこからずっと通ってくださるお客さんが多くて嬉しいですね。それに、かつてのお店のお客さん達も車で一時間以上もかけて何度も来てくださって……。みなさんに支えてもらって、とてもありがたいです」

「日本の四季の美しさや、日本ならではの“よいもの”を伝えたい」という想いもあり、店内のディスプレイも季節ごとにガラリと変えたり、今後は興味を持っている伝統工芸品をはじめ、パートナーと製作する「千日草」のオリジナル木工商品にも力を入れていきたいなと考えているそう。来月3月いっぱいは、新生活に向けた木製品メインのインテリアイベントも開催予定!


「始めたばかりの小さなお店ですが、植物だらけのイベントなど、色んな企画も考えています。たくさんの“ひとしな”を皆さんにお届けできるよう、これからも頑張っていきたいです!」と、力強く話す姿が印象的でした。

そんな「千日草」がお届けしてくれる、明日からの「今日のひとしな」連載。毎朝7時の記事をどうぞお楽しみに!

文/門谷 優

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千日草/センニチソウ(三重県)

住所:三重県四日市市山田町1901-1 おやまだ文化の森 本館内
営業時間:10:00~17:00(平日は16:00まで)
定休日:火・水・木曜日
HP:https://sennichisou.com/
instagram:@sennichi_sou  

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