血液検査で分かること vol.2

からだ修行
2019.03.25

今月の先生:山崎まいこ先生(まいこホリスティックスキンクリニック院長)

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「私の結果、どんな感じだろう~」と、恐る恐るドアを開ける田中。招き入れてくれたまいこ先生はにっこり笑いながら、検査結果のレポートに目を通し、話し始めます。

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「えーとですね……病名がつくような症状はありません。けれども栄養学的な観点でチェックしますと、指摘できるところが山のようにいっぱいありましたねえ(笑)」
「……いっぱい、ですか……(ガガーン)」
「ええ、いっぱいです(ニッコリ)。『悪いよ』とお伝えするとショックだと思いますが、私はよく『伸びしろ』がたっぷりありますね、とご説明しています」

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「伸びしろ」……? 先生曰く、これだけ明確に「足りない部分」が判明しているのだから、そこに気付き、今から改善するような対策を取っていけば、その後の体調は、メキメキとよくなるはず、成長しかない! とのこと。なるほど、なるほど。そんなポジティブシンキングがあるのか……と、とまどいつつも、順番に、気になる結果部分を解説していただきます。

「いちばん目立ったのが、フェリチンというたんぱく質の不足です。これは女性全般によく見られる症状ですが、簡単にいうと鉄の貯金がない。隠れ貧血といいましょうか。フェリチンは鉄と結合することで鉄を保存してくれて、必要なときに鉄を放出する役割がある物質なのです」

市町村の健康診断などで行われる一般的な血液検診では、ヘモグロビン(赤血球の中にあるたんぱく質。酸素と結合する性質を持ち、全身に酸素を運搬する役割を担っている)に注目し、それが正常範囲内なら「貧血は大丈夫ですね~」と言われることが多いのですが(一応、田中もヘモグロビン量は、正常範囲内でした)、同じくらい大切なのが、こちらのフェリチン。

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「鉄分不足とお伝えすると、『でも私、めまいとかありませんけどね~』とおっしゃる方も多いんですが、貧血はそれ以外にもいろんな不調を招く原因になるんです。疲れやすかったり、免疫力が低下して風邪などが治りにくくなったり。手足の冷え、皮膚のかゆみやトラブル、白髪、メラニンを破壊してくれる酵素も鉄がないと発生しにくいので、くすみや肝斑の原因にも。それだけでなく、落ち込みやすくなったり、やる気がなくなったりと、精神的な部分にも影響が出たりするから、あなどれないんです」

まいこ先生曰く、鉄の数値はガクンと下がることはなくて、じわりじわりと下がっていくもの。慢性的な疲労感に対し、「最近仕事が忙しいものね」「加齢による衰えかしら」とあきらめている人でも、サプリメントなどで鉄を補ってあげると、グンと体調がよくなる人も多いとか。

ただし鉄のサプリメントは、必要がない人が飲むと逆に、胃腸障害や血管の疾患といった不調を引き起こす可能性もあるため、品質が確かなもの、その人にとって適切な量を飲むことが重要で、素人判断で飲むのではなく、医師の指導が大切なのだそうです。

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自分の貧血に関しては今までも、鍼の先生や薬膳の料理家さんなど、あらゆる人に「足りてませんね~」と言われ続けてきたことで、「やはり」という結果でしたが、数字という裏付けが出てくるとものすごくリアルです。

続いて私の「伸びしろ」チェックが続きます。目立つのは、たんぱく質不足。血清鉄の数値は高いのに、その鉄を働かせるためのたんぱく質が足りていない。言わば「使えない鉄が、血液の中をぷかぷか漂っているだけ」なのだとか。ががーん。

そして「血糖値スパイク」(食後に急激に血糖値が急上昇し、その後急降下する状態)の傾向が出ている。こちらは「1.5-アンヒドログルシトール」という数値で見るそうなのですが、血糖値スパイクがあると糖尿病と同じように、激しい血糖値の変動によって血管が傷つけられ、脳梗塞や心筋梗塞の原因になるだけでなく、がんや認知症のリスクも高まるという、恐ろし~い症状。

確かに何年も前から、「お昼ごはんをお腹いっぱい食べると、やたらと眠くなるなあ」とか、「夕方スタミナが切れると、ふらふらになるな」と低血糖症状の自覚はあったのでしたが、これまた裏付けが取れたかたちです。

さらにビタミンD(カルシウムの吸収を高める役割や、免疫力に関わる)の不足、ビタミンB群(糖質や脂質、たんぱく質の代謝に関わる)の不足、「キング・オブ・ミネラル」と呼ばれる亜鉛(細胞の代謝に必要不可欠な物質、200種以上の酵素の反応に関係)の不足、胃酸の分泌の不足などなどを指摘され、見事な「伸びしろのオンパレード」ぶりを示してしまいました。とほほほ……。

→vol.3に続きます

photo:砂原 文 text:田中のり子


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まいこホリスティックスキンクリニック

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診療時間:10:00~19:00(火~金曜)、10:00~15:00(土曜)
休診日:日・月曜、祝日
https://mhs-cl.com/

Profile

山崎まいこ

Yamasaki Maiko

滋賀医科大学卒業後、大阪市立総合医療センターで臨床研修を行う。大阪市立大学附属病院形成外科、大阪市内の皮膚科常勤医師、大阪市内の美容皮膚科院長を経て、2013年東京・代官山に「まいこホリスティックスキンクリニック」を開院。初の著書『美しい肌が生まれるところ』(ワニブックス)が好評発売中。

 

田中のり子

Noriko Tanaka

衣食住、暮らしまわりをテーマに、雑誌のライターや書籍の編集を行う。『ナチュリラ』(主婦と生活社)は創刊当初からのスタッフ。構成・執筆をした『これからの暮らし方2』(エクスナレッジ)が好評発売中。

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