太田幸子さんの「自家製酵母」パンレッスン①〜レーズンエキスの起こし方〜
自分で育てた酵母でパンを焼く。とっても素敵なことだと思いませんか?
「自家製酵母パンは難しそう」と思っている人や、「酵母の管理に追い立てられてしまう」、「自分のタイミングでパンが焼けない」、「発酵の見極めが難しい」と、一度は挑戦したものの、挫折してしまった経験がある方にもぜひお試しいただきたいのが、この春に発売した太田幸子さんの『「自家製酵母」で作るワンランク上の食パン、バゲット、カンパーニュ』のレシピです。
太田さんが、家庭で手軽に自家製酵母のパン作りができるように、試行錯誤を重ねてたどり着いた方法は、忙しい毎日を過ごしていて、週末だけパン作りを楽しむような週末ベイカーにも大人気。
今回は、書籍発売を記念して、3日連続の大特集です! これを機会に、ぜひ自家製酵母パンの楽しさやおいしさ、感動を体験してみてくださいね。
第一回目の今日は、基本となるレーズンエキスの起こし方をご紹介します。
レーズンと水だけで、しゅわしゅわと力強く発酵してくれるレーズンエキス。これさえ作っておけば、好きなタイミングで元種を起こし、パン作りが楽しめます。
気候も暖かくなってきた今が、作りどき! ぜひお試しくださいね。
レーズンエキスの起こし方
レーズンと水を瓶に入れて、 暖かいところに置いておくだけ。 シュワシュワッと勢いよく泡 立ってくれば完成です。 できあがり量は約 240g。元種 4~5回分が作れます。
[ 材料 ]
オーガニックレーズン (オイルコーティングしていないもの) ・・・ 80g
水(浄水器を通した水道水) ・・・ 240g
レーズンは必ずノンオイルコーティングのものを使います。原材料名に「植物油」と書かれていないのが目印 。オイルつきのものは発酵しないので注意してください。
●1日目●
【混ぜる】スケールに瓶をのせて、レーズン、水の順に、そのつど「ゼロ」に戻しながら計量する。
【振る】ふたをギュッと閉めて、上下 に10回くらい振ってなじませ 、27度前後の暖かいところに置く。
●2日目●
レーズンが水を含んで 2 ~ 3 倍にふくらみ、上のほうのレーズンが浮いてきて、水は薄く色づき始める。1日1回 は瓶を上下に返す程度に振り、ふたを開けてガスを抜く。
●3日~7日目●
レーズンの半分以上が液面より浮き上がり、ふたを開けると勢いよく泡立っ て、フルーティな発酵臭がしたらOK。ここからもう1日置いて、底に澱(白い沈殿物で酵母菌の集合体)が沈んできたら、できあがり。冷蔵室で保存する。
レーズンエキスの保管は
できあがったレーズンエキスは、レーズンを入れたまま冷蔵室で保存します。温度が一定 な奥のほうへ入れると 、約1か月持ちます。冷蔵室の中でもゆっくり発酵しているので、ときどきふたを開けてガスを抜いてください。
レーズンエキスができるまでの日数は
・春と秋......4~5日 ・夏......3日 ・冬......7~10日
これはあくまでも目安です。季節や室内環境、レーズンの質によって、エキスができるまでの時間は変わります。 温度変化があまりないところで起こすことも大切です。
✴︎明日は、元種作りをご紹介します。少量、使い切りの元種だからとっても作りやすいですよ。お楽しみに!
photo:野口健志 styling:中里真理子
「自家製酵母」でとびきりおいしいパンが焼けるようになる一冊です。粉の味わい、酵母の香り。そして家庭での作りやすさにこだわりたどり着いた自家製酵母のパン作り。予約の取れないパン教室「Atelier Le Bonheur」の太田幸子さんが、家庭で無理なく作れる「自家製酵母」のパン作りのコツとレシピを惜しみなく伝授します。
Profile
太田幸子
埼玉県生まれ。 子供のころからパンが大好きで、パン講習に通っているうちに夢中になり、A B C Cooking Studio の講師資格を取得。そこで、4年間パンの講師を務める。その後 、さまざまな教室や講習会に参加し、天然酵母のパンのおいしさに目覚める。 都内の天然酵母パン教室のアシスタントを務めたのち独立し、パン教室&工房「Atelier Le Bonheur」を開設。自家製レーズン酵母とホシノ天然酵母で作るパンを教えている。教室は大人気で、現在満席の状態。月に一回、注文を受けて、自家培養酵母やホシノ天然酵母を使ったパンや発酵菓子が届くパンセットは発売と同時に完売してしまう人気ぶり。
Atelier Le Bonheur http://www.a-l-bonheur.com/
Instagram @atelier_le_bonherur
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