第33回 11月が旬でベルギー原産の野菜って…?シチュー、和風の煮もの、サラダにしても最高においしいアレです!

栗山さんのベルギーおいしいもの通信
2022.11.11

こんにちは、料理家の栗山真由美です。秋たけなわ、楽しまれていますか?

ベルギーの本領、本当のベルギーを知るなら、最もベルギーらしい季節から探っていくのが近道だと思います。最もベルギーらしい季節って? ズバリ秋から冬だと思います。
どんよりした曇りも多く、日照時間が短くなり、寒くて乾燥していて…というと、あまりいいイメージがわかないかもしれませんが、これこそがベルギー。ベルギー特産の野菜も冬野菜が多いです。

さて、前回はチコリをご紹介しました。今回は同じく11月からが旬の冬野菜で、ベルギー原産の芽キャベツを紹介したいと思います。


日本でも既におなじみの野菜でもあるので、芽キャベツにまつわる物語と、いろいろな使い回し術をご紹介していきます。

芽キャベツは、地中海沿岸に原生しているケ—ルが祖先。ベルギーで改良されて今の形になった、比較的新しい野菜です。その原産地にちなんで、英語では「Brussels Sprouts」、フランス語でも「Choux De Bruxelles」、オランダ語で「Brusselse Spruiten」とすべてに“ブリュッセル”がついています。意味は共通で「ブリュッセル・キャベツ」ですね。日本には、明治のはじめに輸入されましたが、本格的に栽培されるようになったのは1950年代以降だそうです。

季節になると、マーケットでは山盛りになって売られます。スーパーでも大袋に入っていることが多い。私の場合は、まず全部を下ごしらえして使い回すことが多いです。せいろで蒸すのが定番です(写真上)。チキンクリームシチューに入れると、ほろ苦さが生きて、クリーミーなだけではなくなるので気に入っています。


和風にも合います。これは鶏のつくねを照り焼きにし、一緒に甘辛く炒めてつけ合わせにしました。


こちらはコールラビも一緒にだし汁で煮て、鶏つくねを落として、あっさり煮にしました。

 
さて、この芽キャベツ、どんなふうに育てて収穫しているかご存じですか? 私はその形状とサイズから、キャベツの若い芽なのだと思っていました。芽キャベツの元となる茎は太く伸びる種類で、その葉柄のつけ根についたわき芽が芽キャベツになります。その生育過程から、別名「子持ちキャベツ」とも呼ばれています。写真を紛失してしまい、お見せできないのですが、収穫前の姿は想像を超えたもので驚きました。

普通のポテトサラダも好きですが、秋はさつまいものサラダが食べたくなります。この鮮やかな紫色はさつまいもなんですよ。こちらのさつまいもは、オレンジ色か紫色が主流。狙ったわけではないのですが、色鮮やかなサラダになりました。


芽キャベツは1粒ですべてのキャベツの部位を味わえるので、できれば細かく刻まずに使うのがおすすめ。食感・味を楽しむのはもちろんのこと、見た目もかわいいといつも思います。

実際にいちばん作っている料理は、このチーズ焼きだと思います。半割りにして切り口を焼きつけ、水を加えて蒸し煮。最後にチーズをからませるだけですが、芽キャベツのほろ苦さも残っておいしいです。


芽キャベツは栄養的にも優れています。ビタミン類が豊富で、中でもビタミンCは普通のキャベツの3倍以上含まれています。また、血液の凝固を助け、骨粗しょう症の予防に効果があるビタミンK、胃腸の潰瘍や炎症を改善する働きのあるアミノ酸や、抗がん作用のあるイソチオシアネート、カリウム、マグネシウム、鉄分など、小さな体にたくさんの栄養が凝縮されています。

こちらは棒棒鶏(バンバンジー)オムレツ。ベルギー+中国の合作料理(?)。前日の残りの棒棒鶏をオムレツの具にしたわけですが、ベルギーの要素は芽キャベツだけではありません。


このオムレツの形、日本だったら“オープンオムレツ”と呼ぶところですが、ベルギーではこれが基本形です。日本でのオムレツはテクニックのいるアーモンド型のアレですよね? 移住したばかりの頃は、あのオムレツに出会えなくて戸惑いました。

共通しているのは、ベルギーでもオムレツは様々なシーンで人気があるということ。レストランやカフェはもちろん、広場などに立つフードトラックのメニューとしても人気です。お昼時になると行列ができます。ピザの要領で、オムレツは土台で、のせるトッピングを選ぶ方式と考えるとわかりやすいかもしれません。レストランやカフェでは皿盛り、フードトラックだと、クレープのようにくるくるっと端から丸めて、紙に包んで渡されます。

焼き芽キャベツもおいしい。冬においしくなる、いろいろな根菜で試しています。

*写真の無断転載はご遠慮ください*


栗山さんのベルギーおいしいもの通信㉜秋冬に甘味が増す旬の野菜・チコリを使って〜ベルギーの定番料理“Witloof met ham en kaas(チコリのグラタン)”はこちら

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Profile

栗山真由美

MAYUMI KURIYAMA

料理家、栄養士。枝元なほみさんのアシスタントを経て独立。ポルトガル料理を中心とした料理教室「Amigos Deliciosos」を12年前から東京で主宰、日本ポルトガル協会の公認講師も7年間務める。2019年より、イギリス人のご主人とベルギー・アントワープに在住。著書に『ポルトガル流 驚きの素材組み合わせ術! 魔法のごはん』(エイ出版)、『「酒粕」で病気知らずになる ゆる粕レシピ』(池田書店)など。
https://ameblo.jp/castanha/ 
Instagram: mamicastanha

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