【料理教室の季節の人気メニューから/2月】ひと足先に桃の節句にぴったりのかわいらしいごはん!〜はまぐりと桜の炊き込みごはんと、レンチンで作れるいちご大福

料理教室「さときっちん」の台所便り
2023.02.22

みなさまこんにちは、料理家の柚木さとみです。
立春を迎えて、日差しや空気が変わり、少しずつ春が近づいているのを感じますね。

今月はひと足先に、3月の桃の節句を意識したレシピをご紹介します。はまぐりと桜を入れた、見た目にもかわいらしい炊き込みごはんです。
はまぐりのほかにあさりも入っているので、うまみをたっぷりと味わえます。冷めてもおいしいので、おにぎりにしてお花見のお供にするのもおすすめですよ。

はまぐりと桜の炊き込みごはん

ふっくらと煮たはまぐりと、あさりを入れた炊き込みごはんに、桜の花の風味とほんのりとした塩けをきかせた炊き込みごはんです。

【材料(2合分)】
はまぐり…4〜8個(大きさに応じて)
あさり…24〜32個(殻付き200g前後)
・しょうゆ、酒、みりん…各大さじ2
 ・昆布…5g(水分の1%程度)
 ・水…2カップ
米…2合
貝の煮汁…2カップ
せり…4〜5本
桜の花の塩漬け…12g
白いりごま…小さじ2

【作り方】
[はまぐりとあさりを煮る]
❶  はまぐりとあさりは塩水につけて砂抜きをし、貝と貝をこすり合わせよく洗う。
❷  鍋にを入れ、弱めの中火にかける。沸騰したらアクを除き、貝の口が開くまで煮る。
❸  貝を取り出し、煮汁はペーパーを敷いたざるでこす。貝の身は殻からはずし、煮汁につけておく。

[炊き込みごはんを作る]
❶  米は洗ってざるに上げ、水けをきる。せりは根を除き、葉は1cm幅のざく切り、茎は5mm幅に刻む。桜の塩漬けは余分な塩を落としてさっとすすぎ、水けを絞って粗く刻む。
❷  鍋に米と貝の煮汁を入れてふたをし、30分おいてから強火にかける。沸騰したら弱火にして10〜12分炊く。火を止めてはまぐりとあさり、せりの茎をのせたら、再びふたをして10分蒸らす。
❸  いりごまを加えてざっくりと混ぜ、桜の塩漬けとせりの葉を散らす。

【メモ】
・はまぐりとあさりは、大きさに応じて量を調整します。はまぐりは、大きければ煮たあと半分に切って加えても。
・貝は加熱しすぎると縮んでかたくなるので、口の開いたものから取り出します。
・ごはんを炊く時、煮汁が足りなければ水を足します。

いちご大福

今月はもうひと品、市販のこしあんで手軽に作る、いちご大福もご紹介します。電子レンジであっという間に作れるので、ぜひお試しください。

【材料(8個分)】
いちご…8粒
こしあん…200g
白玉粉…90g
砂糖…45g
水…150ml
片栗粉…適量

【作り方】
❶  いちごはヘタを除く。こしあんは8等分し、それぞれいちごを包む。
❷  耐熱ボウルに白玉粉、砂糖を入れてゴムベラで混ぜ、水を加え、ダマがなくなるまでよく混ぜる。
❸  にラップをかけ、電子レンジ(500w)で2分加熱する。ラップをはずし、水でぬらしたゴムベラで全体が均一になるまでよく混ぜる。
❹  再びラップをかけ、の行程をもう一度くり返す。
※混ぜたあと、余熱を利用してもまだ粉っぽさが残っている場合には、さらに1分前後加熱してよく混ぜる。
❺  バットに片栗粉を薄く敷き、の生地を取り出して広げ、上にも片栗粉をふる。生地を8等分して直径5cm程度に広げ、のあんといちごに上からかぶせて包み、指で生地をつまんで底を閉じる。

【メモ】
・生地を混ぜる時は、蒸気で火傷しないよう注意してください。
・成形する際には、生地が手にくっつかないよう、手にも粉をつけると作業しやすいです。
・生地の切り口や伸びてひび割れたところもベタつくので、手にくっつかないよう手早く作業するのがコツです。

ひな祭りといえば、柚木家は5人姉妹ということもあってか、子どもの頃は毎年七段飾りの立派なひな人形が飾られていたことを思い出します。

うっかり触れると烏帽子が傾いたり、楽器が落ちたりするので、気軽に触れることはなかったけれど、ミニサイズの豪華な世界を眺めては、なんとなくお内裏様とお雛様は父と母、五人囃子を5人姉妹のように思ったりして、どれが誰だ、などと当てはめて楽しんでいた記憶があります。
美しい衣装はもちろんのこと、細かく作られた小さな楽器やお膳や菱餅、嫁入道具などにもわくわくしたものです。

そういえば、ひな壇の裏側に潜むのも好きでした。何をしていたのかよく思い出せないけれど、秘密基地のような感じがして気に入っていました。
といっても、かわらしくデフォルメされた人形やぬいぐるみと違い、和室に飾られたリアルな面立ちの人形たちは、夜の暗い時間帯に目にすると、どこか怖いものもありましたが。

当時の写真も手元になく、遠いいつかのふわりとした記憶ですが、ひな祭りの時期には自然と思い出されます。あの立派な雛人形は、いまも実家のどこかに仕舞われているのか、それとも姉の誰かが受け継いだのか。飾るのも仕舞うのも管理するのも大変だと思うけれど、父や母が私たち姉妹のことを思って揃えてくれたのだと思うと、改めてありがたいなと思います。

みなさんはどんな思い出があるでしょうか。
このレシピも、ある年の思い出の味のひとつになってくれたらうれしいです。

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Profile

柚木さとみ

SATOMI YUGI

料理家・フードコーディネーター ・カフェプランナー。1973年東京生まれ。5人姉妹の5女。ご主人とサビ猫姉妹(くう、ねる)との2人+2匹暮らし。大学卒業後、吉祥寺のカフェで店長を務めたのち独立。カフェのプランニングやプロデュース、メニュー開発、料理教室講師、ドラマの料理制作など、食と食空間に関わる仕事に携わる。2012年から、築65年の古い一軒家をリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰。旬の食材を生かした暮らしになじむレシピが人気。著書に『からだがよころぶ!菌活レシピ』(幻冬舎ルネッサンス)、『美人をつくる発酵食レシピ』(じゃこめてい出版)など。
https://yugisatomi.com
Instagram:yugisatomi

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