【料理教室の季節の人気メニューから/3月】春野菜がおいしい季節の到来!〜グリーンピースのコロッケと、愛着のある古いガラスの器のお話

料理教室「さときっちん」の台所便り
2023.03.15

みなさまこんにちは、料理家の柚木さとみです。
ここ最近、ぐっと春めいてきましたね。日中は20℃を超える日もあり、日差しも強くなってきました。スーパーや八百屋さんに行けば、山菜や新玉ねぎ、新にんじん、新ごぼうと、すっかり春の野菜たちが並んでいます。

今が旬といえば、グリーンピースもそのひとつ。昨年はこちらの連載で新じゃがいもで作る「スパイスコロッケ」を紹介しましたが、今年はグリーンピースコロッケの紹介です。

子どもの頃、冷凍食品のミックスベジタブル(グリーンピース、にんじん、コーンのミックス)があまり好きではなく、特にグリーンピースが苦手だったのですが、大人になって生のグリーンピースで豆ごはんを炊いた時、そのおいしさに驚き、すぐに好きな食材のひとつになりました。今ではポテトサラダに入れたり、コロッケにしたり、さっとバターで炒めたりと、毎年楽しんでいます。


グリーンピースコロッケ

今が旬のグリーンピースを入れたコロッケは、こんがりと炒めたパン粉をまぶしつけてオーブンで仕上げる“揚げないコロッケ”です。油で揚げないぶんさっぱりとしていますが、タネところもに粉チーズを加え、さらに焼く時にオリーブ油を回しかけることで、風味豊かに仕上がります。

【材料(4人分/直径約4cmのコロッケ8個分)】
グリーンピース(さやから出したもの)…130g
じゃがいも…2個(約300g)
・塩…小さじ1/4〜
 ・白こしょう…少々
 ・粉チーズ…大さじ1
小麦粉…適量
卵…1個
パン粉…大さじ8
粉チーズ…大さじ1
オリーブ油…小さじ2

【作り方】
  グリーンピースはさやから出して洗い、ざるに上げる。じゃがいもは皮をむいて4等分切り、水にさらす。パン粉はフライパンで色づくまで炒め、粉チーズを混ぜる。卵は溶いておく。オーブンは200℃に温める。
  鍋に湯を沸かし、塩少々(分量外)を入れ、グリーンピースとじゃがいもを一緒にゆでる。じゃがいもがやわらかくなったら湯を捨て、水分を飛ばすように鍋をふる(中火)。
  水分が飛んだら火を消し、熱いうちにマッシャーで潰してAを加え、よく混ぜる。8等分して丸く成形し、小麦粉をまぶしつけ、溶いた卵にぐくらせ、①のパン粉をまぶしつける。
  天板にオーブンシートを敷いてを並べ、オリーブ油を回しかける。200℃のオーブンで15〜20分焼く。

【メモ】
・グリーンピースは、少し粒が残るくらいにして食感を楽しみます。
・味つけの際に塩を減らして、刻んだアンチョビを加えるのもおいしいです。中にチーズを入れたり、タネにツナを混ぜ込んでもおいしい。
・普通のコロッケのように、粉、卵、パン粉とまぶしつけて、油で揚げてももちろんOK。


3月は年度末ということで、みなさんいろいろと忙しく過ごしていらっしゃるでしょうか。私はアトリエの備品整理と合わせ、いつの間にか増えた器やグラスなど、少し整理しようと思っているところです。

でも案外時間がかかるもので、いつも器の整理をしながら、それぞれのエピソードに思いを馳せてしまいます。実際、これは手放したくないなと思うのは、私の場合はデザインや使い勝手がいいといったことだけでなく、むしろ愛着のあるエピソードのあるものたちに多いように思います。今回はそんな器のお話です。


このガラスの器は20代前半、知り合いの知り合いが引越しをする際に、物を減らすということで譲っていただいたもの。他にもラグやたくさんのおちょこ、木製の造りのよいハンガーなどを譲っていただきました。今思うと、その時夫(当時は夫、ではありませんが)も一緒に行って、運ぶのを手伝ってくれたっけ。


このジョッキは30歳頃、私が生まれ育った青梅市からほど近い、米軍基地のある福生(ふっさ)という街で買いました。当時本当によく宴を開いていて、酒屋さんからビールサーバーをレンタルして楽しんでいたほど。なのでこの小ぶりのジョッキは、「これがあったらより本格的!」と、即決で購入を決めたものでした。

その頃は本当にお金がない時期だったのですが、デットストックのもので、確か1つ200円とかそのくらい。とてもお買い得だったので、あるだけ8個全部くださいと言ったら、お店のお兄さんがさらに安くしてれました。しかも家に戻って包みを開いたら、たくさん買ってくれたからと、お礼が書かれた小さなメモと一緒におまけの手ぬぐいまで入っていたのです。うれしかったな。

もともとこうした古いガラスの風合いが好きということもありますが、どちらも大切な思い出があり、それがさらに愛着を生み、長く使っているのだなと思います。みなさんにもきっと、そうした思い入れのある器やカトラリーなどがあるのではないでしょうか。

料理を盛る時、飲みものを入れる時、ふとそうしたことも思い出しながら、これからも器を愛でていきたいなと思います。

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Profile

柚木さとみ

SATOMI YUGI

料理家・フードコーディネーター ・カフェプランナー。1973年東京生まれ。5人姉妹の5女。ご主人とサビ猫姉妹(くう、ねる)との2人+2匹暮らし。大学卒業後、吉祥寺のカフェで店長を務めたのち独立。カフェのプランニングやプロデュース、メニュー開発、料理教室講師、ドラマの料理制作など、食と食空間に関わる仕事に携わる。2012年から、築65年の古い一軒家をリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」を主宰。旬の食材を生かした暮らしになじむレシピが人気。著書に『からだがよころぶ!菌活レシピ』(幻冬舎ルネッサンス)、『美人をつくる発酵食レシピ』(じゃこめてい出版)など。
https://yugisatomi.com
Instagram:yugisatomi

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