スペイン・バスク地方の修道院に伝わる秘伝の煮込み料理を大公開!①「鶏もも肉のバスク風煮込み」のレシピ

きょうの夕ごはん
2023.12.27


寒くなってくると、ぐっとおいしく感じられる煮込み料理。鍋を火にかけてコトコト煮ていれば、部屋も暖かくなって最高ですよね。

そんなこれからの季節にぴったりな煮込み料理、実はスペインの修道院でもたくさん作られていて、修道女の方たちの得意料理のひとつなのだそうです。

そもそも修道院では、庭でとれた野菜、いただきものの食材、ストック食品など"今あるもの”で料理を考えるのが当たり前になっていて、鍋まかせで作れて栄養バランスもとりやすく、体にもやさしい煮込み料理は、まさに理想的なメニュー。そんな修道院に代々伝わるレシピを集めた本が、スペイン家庭料理研究家・丸山久美さんの『修道院の煮込みスペインバスクと北の地方から』です。

こちらの本では、肉、魚、野菜で作る煮込み料理と、献立での提案もご紹介。修道院では基本的に3皿構成の昼食がメインの食事で、1皿目のサラダや軽い煮込み、2皿目のメイン料理、3皿目のデザートといった内容になっているそうです。そんな献立の中身はというと…。

  

ごはんやオムレツ、焼き菓子にパンプディングなどなど…。材料や作り方はシンプルながらも、修道院ならではの工夫がいっぱい。どれもとてもおいしそうです!

その中から本日は、バスク地方の代表料理・ピペラーダと呼ばれる煮込みをご紹介します。パプリカとピーマンを使った体にいい煮込み、元気が出てくる味わいです。

鶏もも肉のバスク風煮込み

バスク地方やナバラ地方の家庭料理「ピペラーダ」は、赤パプリカとピーマンが主役のトマト煮込みです。そのままで前菜やつけ合わせにすることはもちろん、さまざまな料理のベースにも。鶏肉と煮込むこちらのひと皿は、「バスク風」と呼ばれて親しまれています。

【材料(4人分)】
鶏もも肉(半分に切る)…2枚(600g)
赤パプリカ、ピーマン(ともに縦1cm幅に切る)…各2個
玉ねぎ(みじん切り)…1/2個
にんにく(みじん切り)…1かけ
トマト(皮をむき、粗みじん切り)…2個(300g)
パプリカパウダー(あればスモークタイプ)…大さじ1
オリーブ油…大さじ1
塩、こしょう…各適量

【作り方】
鶏肉は塩、こしょう各少々をふり、オリーブ油を熱した鍋で両面を中火でこんがり焼き、取り出す。
続けてトマト以外の野菜を入れて弱火で炒め、パプリカがしんなりしたらトマトを加え、水けがなくなるまで中火で炒める。パプリカパウダーをふり、ひと混ぜする。
を戻し、水1/2カップを加え、煮立ったらふたをして弱火で30分煮(途中で足りなければ水を足す)、塩、こしょうで味を調える。


パプリカパウダーは、乾燥させた赤パプリカを粉末にした、スペイン料理に欠かせない香辛料。特に、スモークしたものは香ばしく、原産地呼称に認定された「ベラ」産は、料理に格別な味わいを与えてくれる。

⇒丸山久美さんの修道院の煮込みレシピはこちらにも

photo:馬場わかな styling:花沢理恵

『修道院の煮込みスペインバスクと北の地方から』(主婦と生活社)


定価:1980円(税込)

スペイン家庭料理研究家・丸山久美さんが、スペインバスクおよび北部の修道院を訪ねて修道女から教わったレシピと、文献からのレシピをまとめた本書。煮込み料理を中心とした1皿目、2皿目、デザートの献立形式での提案と、単品の煮込み料理を数多くご紹介しています。

このほか、修道院の一日の過ごし方や、修道院の台所や食堂、器についての解説と、現地で撮影した写真もたっぷり掲載。ページを開いて、スペインバスクと北部の修道院の妄想の旅に出かけましょう。

Profile

丸山久美

KUMI MARUYAMA


スペイン家庭料理研究家。アメリカ留学後、ツアーコンダクターとして世界各地をまわり、マドリッドに14年在住。現地の料理教室に通いながら家庭料理をベースとしたスペイン料理を習得し、修道院をめぐって修道女たちから料理を学ぶ。帰国後は、テレビや雑誌などでスペイン料理を軸にした料理を提案。2006年から東京・杉並区の自宅でスペイン家庭料理教室「mi mesa」主宰。著書に『バスクの修道女 日々の献立』(グラフィック社)、『修道院のお菓子』(扶桑社)など。

https://k-maruyama.com
Instagram:@maruyama_kumi

 

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