アウターでもインナーでも使える「ファブリケ アン プラネテール」のダウンジャケット
名作と呼ばれる映画には、必ずといっていいほど実力派の脇役が存在するもの。それは、おしゃれも一緒です。一見何げないのに、実は丹念にこだわって作られたアイテムたちは、主役を引き立てるための十分な腕前を持ち合わせています。この連載では、そんな“おしゃれの名脇役”にスポットライトを当て、王道のものから隠れた逸品まで、幅広くリポートしていきます。
東京では3年ぶりに木枯らし1号が吹くなど、全国的にも冬の訪れを感じた人が多かった11月初旬。ウールのコートを手に取るにはまだ早いし、秋アウターだけだと心もとない……。そんな時に便利なのが、薄手のダウンジャケット。2007年に設立されたブランド「ファブリケ アン プラネテール」で見つけたのは、3シーズン着まわせるうえ、さまざまな用途で使えるというすぐれもの!
「ファブリケ アン プラネテール」ダウンジャケット¥25,000
※商品の価格は2020年11月現在のもので、表示は税抜きです。
色は、上品な光沢を放つ黒。重たい印象にならず、着まわし力も抜群です。
まず、薄手でも暖かい理由を、代表取締役の中山隆一郎さんにお伺いしました。
「このジャケットに使われているのは、2015年にイタリアで開発された世界初のシート状のダウン。薄くなったのに保温性は2倍、しかもダウンによくありがちな羽の吹き出しも防げるという革新的なダウンです。それをナイロンではさんで2インチキルトに加工する工程を滋賀県の工場にお願いし、オリジナル生地に仕立てています」
なんと、手洗いまでできるのだそう。家で手軽にケアできるというのはポイントが高い!
袖部分はミラノリブで切り替えているというのもオリジナリティのひとつ。
「ふっくらとした細やかな凹凸が特徴で、型崩れしにくく、上質感が漂う素材感が魅力です」
異素材ミックスすることでスポーティすぎない見た目になるし、アウターとして着る時には“冬だけ”感が軽減され、インナーダウンとして重ね着する時はごわつきにくい……。そう、これが秋、冬、春と3シーズン使える理由なんです!
デザインソースになったのは、中山さんが1970年代に着用していたミリタリーウェア。
「袖口に施した2本のラインは、ヨーロッパの軍用トレーニングウェアの袖口に見られるディテールのひとつです」
このダウンジャケットのほか、「ファブリケ アン プラネテール」は、メイドインジャパンにこだわっていることでも知られています。
「以前は、ロンドンやパリの新進気鋭デザイナーのブランドの日本代理店を経営していたのですが、海外出張が多く、家庭を妻にまかせっきりで。45才の時、今後の人生をどうすべきかを考えたときに出した結論が、日本拠点の自分のブランドを作り、家族と過ごせる時間を増やす、ということでした。会社は仲間に譲り、私は新たに『ファブリケ アン プラネテール』をスタート。着心地のよさや長く着続けられることにこだわると、やはり日本の技術や機械のクオリティに勝るものはないと実感しています」
数多くのファッションブランドを見てきた経験値が生かされたものづくりには、ファッション性や機能面の高さ以外に、誠実さも宿っていました。
photo:花田 梢 text:三宅桃子
TEL:078-599-6025
公式サイト:https://r-eyes.co.jp/
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