『育てよう』~おしゃれ暦vol.15~長月
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ、第15回目です。残暑は厳しいですが、暦の上ではもう秋。端境期のおしゃれに有効な定番デニムの着こなしをご紹介します。
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
コンプレックスは、センスを養う原動力になる。
脚が短いのに、細身のパンツで一生懸命ブーツを履いたり、
目がチカチカすると言われながらも、多色使いにこだわっていた10代。
「デニムは、白のTシャツで合わせられるようになったら本物だね」
先輩がどっかの雑誌の受け売りで言っているが、
確かに、、と思いつつひそかに目指すが、すぐに挫折する10代。
洋服が好きだという自覚症状が現れて25年。
ファッションに携わる仕事を初めて20年。
センスは、確実に育めるものと感じている。
そして、節目節目でデニムを履くことにしている。
同じデニムを、今の自分が履くとどうなるか?
履こう、と思って履かないと、なかなか履く機会を逸してしまう
ワンウォッシュのデニムも、季節の節目なら入りやすい。
まずはやはり、白のTシャツでシンプルに着て鏡の前に立つ。
メンズライクな革靴で、ロールアップはこのくらいに控えておこう。
今の自分の感覚を研ぎ澄まし、サイズを選ぶ。
昔は、ただただ、ジャストサイズにこだわったけど、
そうじゃないほうが素敵なこともあるということを学んだから。
ワンウォッシュは、色落ちも楽しみだ。
一年も履くと、いい色落ち具合。
こうなるともう手放せない。
自分で色落ちさせたデニムは、傍から見てもわかるものだ。
加工して落としてあるものも、今はリアルだが、
それでも、なんとなくわかるものだ。
なんとなく、仲が良さそうに見える。
ちょっとした仕草も様になっていたりする。
そうすると、こんなブラウスも着てみようかと考える。
女性らしいブラウスだから、履き方も靴も変えてみよう。
ちょっとしたヒールの靴を履いて、
ロールアップの回数を増やしてバランスを探る。
前の自分より、デニムの履きこなしが素敵になった気がする。
季節の節目がやってきた。
育てよう。
ワンウォッシュデニムで自分色を。
ついでにセンスも育つかも。
ボトムス:orslow 105STANDARD ¥19,800 + tax
トップス:FABRIQUE クルーネック長袖Tee ¥5,900 + tax
ブラウス:maison de soil 刺繍ブラウス ¥20,000 + tax
シューズ:R.U. Anon ¥46,000 + tax
シューズ:Catworth パテント(私物/2017年春夏入荷予定)
バッグ:私物
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