価値ある大人のベーシックってなんですか? Vol.2
若い頃、あれこれいろんな服を着てみて新たな自分を発見するのも楽しかったけれど、歳を重ねた今、本当に欲しいものは「いつも同じ私」でいられるベーシックなアイテムです。でも、自分にとってのベーシック=基本ってなに? そんなおしゃれの根本を長年アパレルの世界の第一線で働き今、大人気の「マダムH クローゼット」のデザイナーとして活躍する佐藤治子さんに伺いました。
5.
トレンドより
大事なのは、
自分にいちばん
似合うものを
選ぶということ
歳を重ねたなら、「流行だから」では選ばないほうがいい。「流行もの」のすべてが自分に似合うとは限らないのですから。ベーシックなものは、目立たず地味です。でも、だからこそ、自分をいちばん格好よく見せてくれる。その力を知ることが、おしゃれの第一歩です。
美脚パンツとして人気のサマーウールのテーパードパンツは、細身でありながら、ヒップやウエストまわりが立体的なフォルムなので、女性の体に寄り添ってくれる。
6.
ある程度の
年齢になったら、
カットソーでなく
ニットが重宝
リーズナブルで着やすいカットソーは若い時には便利ですが、歳を重ねると体のラインを拾いやすかったり、素材感がカジュアルすぎたり。おすすめは、上質な薄手のニット。特にノースリーブとカーディガンのアンサンブルは、どんなシーンでも活躍してくれるアイテムです。
コットンのボーダープルオーバーは、女性のネックラインを美しく見せるボートネック。ノースリーブニットは、二の腕がすっきり見える秀逸なアームホールのラインが特徴。カーディガンとセットでアンサンブルとして着ても品よく、素敵。
7.
本当のおしゃれさんは
靴をアクセサリー
代わりに
ベーシックなコーディネートだからこそ、靴の効果は絶大です。ちょっとクセのあるデザインやシルバー、エナメルなどの光る素材など。遊び心をプラスすることで、シンプルな洋服がより引き立ち「無難」なだけではない、おしゃれ心を演出してくれます。
アクセサリーはほとんど身につけないという佐藤さん。その代わりにプラスするのが、「ロジェ ヴィヴィエ」のちょっと遊び心がある靴。ベーシックな服のアクセントになる。
8.
ひとクセアイテムを
プラスすれば
今あるアイテムが輝き出す
柄物や鮮やかな色、さらには革素材など。「ちょっと派手かな?」と思うアイテムをワードローブにひとつ加えると、ベーシックなアイテム中心のワードローブでもガラリとコーディネートを変えることができます。おすすめは、「ひとクセ」をボトムに取り入れること。手持ちのアイテムと組み合わせるだけで、昨日とはまったく違う今日のスタイルが生まれます。
花柄のジャカード織りパンツは、華やかだがシルエットがシンプルなので長く着られる。やわらかなラムレザーのスカートは通気性があって、真夏以外はスリーシーズン活躍。
photo:和田直美 text:一田憲子
もっと詳しい内容は、ただいま発売中の
『大人になったら、着たい服 2021 春夏』でご紹介しています。
ご覧になってみてくださいね。
Profile
佐藤治子
1947年生まれ。アパレルブランドのデザイナー、ディレクターとして40年以上のキャリアを持つ。2011年にお直しサロン「リモデ」をスタート。現在は「マダムH クローゼット」のデザイナーとして価値あるベーシックなアイテムを提案。
https://www.madamehcloset.com
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