今の自分は好きですか? Vol.2 ルノンキュル 木村牧子さん
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より良い外見がより良い一日をもたらしてくれることは、みなさん体験済みですよね。
さらに私が伝えたいことがあります。
私自身が初めて自分に似合う服を教えてもらったときに経験したことです。
それは「理想の自分は本当の自分の中にしかない」と実感すること。
そして、理想の自分を彫り出すには、自分に責任を持たなきゃいけないということです。
格好だけでなく、生き方も、ありかたも自分の中にすでに答えがあると、そのとき気がついたのです。
そのときの私は、こんな自分を生きたいんじゃない、っていつからか感じていました。
理想の自分をどこかに求めていながら、そんなのは自分勝手でバカバカしいとさえ思っていました。
似合う服を知って初めて、それまで他人や世間の「普通」を見て、
自分などろくに見てこなかったことにはたと気がつきました。
毎日鏡を見ていても、本当の自分は見えていなかったように。
本当の自分の責任を引き受ける勇気がなかったんですね。
だれかと一緒、だれかが賛同してくれる安心と引き換えに、
根っこを張らない、ひょろひょろ花もつかない人生を生きていました。
本当の自分を生きようとする人には、毎朝服を着る、メイクをする。
それだけのことが、原石を削り出す作業に変わります。
静かに心の声を聞き、引き受ける練習となります。
好きな自分ではない、本当の自分を生きられていないと思うとき、
問題なのはお金や時間や能力や家族よりも、あなた自身です。
今のあなたは本当の自分を見ていない。
限界を「ハイここまで」って決めているのかも
。逆に「こんなんじゃダメ、もっと頑張れ」ってはるか彼方ばかりを見ているのかも。
理想のあなたは“今ここ”にしかいません。
自分の生き方や考え方に「こんなはずじゃなかった」と
感じながらいつまでそのままでいるのか……
子供が巣立つまで? キャリアを積むまで?
自分をリセットする方法もきっかけも見つからないなら、
ひとまず鏡に映る姿を、よく目を凝らして見直してみるのはどうでしょう。
それは世界で一番近いのに、唯一直接見ることのできない、あなた自身の姿なのです。
Profile
木村牧子
「ルノンキュル」主催。関西学院大学卒業後、全日本空輸㈱で国際線CAとして勤務。退職後に転身し、子供の頃から夢だったデザインの道に進む。10数年間グラフィックデザイナー、テキスタイルデザイナーとして色や素材に関わる中で、「装い」や「色」が人の生きるパワーや自信と深く関わることに強く興味を引かれる。色彩学、心理学を学ぶうちに、「見た目」を通して人の内面、生き方を前向きに元気にさせる仕事をしたいと思うようになり、パーソナルスタイリング、イメージコンサルティング、パーソナルプロデュースの仕事を開始。現在は平日はデザイナー、週末はイメージコンサルタントとして活躍中。http://www.renoncule.net
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。