唐澤明日香さん おしゃれの10年変化 Vol.2
40代から50代へ。歳を重ねるにつれて、大切にしたいものが変わっていく……。
「ボンジュール・ビキ・ボンジュール」デザイナーの唐澤明日香さんに
今、おしゃれに求めるものについて伺いました。
時の中で
服が体になじんでいく。
その過程を楽しむことがおしゃれ
唐澤さんが大好きというのが、この「サーブ」という名前のショップコート。無駄を省いた「働くためのかたち」が美しく、実際にフレンチのシェフがお店で使ってくれているのだとか。
実は、数年前からあまり洋服を買わなくなったという唐澤さん。
「10年前のコートは今でも大切に着ているし、カットソーも、袖口がすり切れてくたびれてはいますが、まだまだ着られます。たとえば毛玉だらけのセーターやくたびれたTシャツでも、愛着を持って着続けたい。長年を共にし、自分の体になじんでいることこそ格好いいんだ、と思えるお年頃になったかな」と笑います。
アトリエにはショールームが併設されていて、事前予約制で商品を試着したり、購入することもできる(詳細はhttp://www.biqui.jpで確認を)。デザインを考え、試作をするのもここで。
これから作りたいのは、そうやって、長く相棒のように一緒に過ごせる服……。今年の春夏の新作チュニックは、素っ気ないほどシンプルです。ただし、吟味して選んだコットンは少し光沢があり、落ち感がきれい。後ろだけ少しフレアになって、歩くと美しいシルエットが出ます。
私にとって、洋服を選ぶことは、家具を選ぶのと同じなんです。たとえば長く使う道具のように、生活の中で毎日使って心地よいことが大事。初めは少々素材が硬かったり、重たくても、形が美しければそちらを優先したい。そうして使い続けるうちに、少しずつものが自分に寄り添ってくれる。そんな時間をかけて味わうおしゃれがしたいと思います」
『大人になったら、着たい服 2021 春夏』より抜粋
photo:枦木 功(nomadica) text:一田憲子
10月22日(金)~25日(月)開催
「大人になったら、着たい服
@伊勢丹新宿店」もお楽しみに!
「ボンジュール・ビキ・ボンジュール」のアイテムの一部は、10月22日(金)~25日(月)開催予定のお買い物イベント「大人になったら、着たい服@伊勢丹新宿店」でも販売予定です。イベントの詳しい内容は、三越伊勢丹オンラインストア特設サイトをご覧くださいね。
Profile
唐澤明日香
「サザビー」のインテリア事業部勤務を経て1996年、帆布でバッグを製作する「アトリエペネロープ」を立ち上げる。2019年に洋服のブランド「ボンジュール・ビキ・ボンジュール」をスタート。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。